福武電気鉄道、鯖浦電気鉄道、南越鉄道の3社が戦時中に合併したもの。鯖浦線と南越線はすでに廃止されている。福井市内の一部区間は軌道なので、軌道線スタイルの車両が使用されている。
 
2016.7 田原町駅付近
戦前
 旧福武電気鉄道
 旧福武電気鉄道の車両で特筆すべきは、1923年の開業とともに登場した電動貨車デワ1である。戦後も木造2軸単車のまま入換用として残り、1979年、外観はほとんど変わらずに除雪用機関車デキ11となった。90年以上たった今も現役で使用されている。
 また、モハ161は、もと福武電気鉄道のデハ20形2両を1968年に連接化改造したもの。鯖浦線に所属し、1973年の鯖浦線廃止時の記念列車となった。その後も南越線・福武線で1997年まで残り、南越線村国駅跡付近と下馬中央公園で1両ずつ保存されている。
 
2016.7 デキ11:赤十字駅   2010.8 モハ161:南越線村国駅跡付近
種類 旧形式 番号  前歴 両数 登場 消滅 備考
EC デハ1形 モハ1-3 新造 3 1923 1968.12
デハ6形 モハ11-12 新造 2 1925 1987.7
デハ10形 モハ21-22 新造 2 1930 1986.7
デハ20形 モハ61-64→161 新造 4 1933 1972.10
デハ30形 モハ31-32 鶴見臨港 2 1940
デワ1形 デワ1→デキ11 新造 1 1923 1979
EL デキ1形 デキ1 新造 1 1935 1986.7
戦後〜1970年代
 終戦直後
 モハ80形のルーツは南海の木造車であるが、1956年に鋼製車体を新造して新車のようになった。その後も何度か機器更新等が行われ、2006年まで残っていた。また、モハ120形は福井鉄道となって最初の新造車で、1972年に旧モハ150形との固定編成を組んで、同じく2006年まで残っていた。
 
2005.5 モハ80形:田原町駅
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モハ(クハ)80形 81-84 4 南海モユニ521形 1949.6 2006.4
モハ100形 101-103 3 京浜電気 1949? 1964.8
モハ120形 121-122 2 新造 1950.1 2006.4
モハ(クハ)140形 141-142 4 名鉄700形 1964.7 1979
モハ(クハ)150形
→クハ120形
151
121-122
2 名鉄3000形 1966.10 2006.4
 200形  
 急行用として登場した、福井鉄道初のカルダン駆動車。全鋼製の連接車で、2両で1つの番号となっている。50年以上使用され、今も車籍を残している。
 
2016.7 北府駅
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モハ200形 201-203 6 新造 1960.3-62.3
 140形
 モハ140形は、長野電鉄から2両、名鉄から3両を譲り受け、旧鯖浦電鉄の1両を合わせて2両編成3本をつくったもの。もと長野電鉄の141編成が2006年まで残っていた。
2005.5 モハ140形:社武生駅
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モハ140形(2代) 141-143 6 長野・名鉄等 1979.3-81.6 2006.4
 デキ2・3形
 種類 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
EL デキ2 1 新造 1950.8 2001.3
デキ3 1 遠州ED213 1975.8
  
 2016.7 デキ3:北府駅
 種類 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
EL デキ2 1 新造 1950.8 2001.3
デキ3 1 遠州ED213 1975.8
1980年代以降
 300・560形
 モハ300形は、静岡鉄道から譲り受けたもので、福井鉄道初の冷房車となった。急行専用車として活躍し、2006年に消滅している。
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モハ300形 301-303 6 静岡300形 1985.12 2006.4
モハ560形 562 1 名鉄モハ562 1989.2 2006.4
 D-100形
 富山地方鉄道DL13と同型の除雪用モーターカー。普段は北府駅にいるようである。
 
 2018.3 D-101:北府駅
 種類 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
DL D-101 1 新造 1982.10
 600・610形  
 名古屋市の地下鉄1100・1200形を譲り受けたもの。600形は両運転台に改造した単行専用、610形は2両連接車である。
   
2016.7 モハ600形:社武生駅  2016.7 モハ610形:田原町付近
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モハ600 601-602 2 名古屋市1100形等 1997.12
モハ(クハ)610 610 2 名古屋市1200形 1998.11
 770・800・880形  
 旧型車を置き換えるために、廃止となった名鉄軌道線の車両を譲り受けたもの。3形式ともに部分低床車で、モ770形とモ880形は名鉄時代から連接車である。また、モハ800形は2000年に新造されたばかりのもので、3両あったうち1両は豊橋鉄道が譲り受けていたが、2019年に福井鉄道の2両も豊橋鉄道へ譲渡された。
 
2022.4 モハ770形:福井駅前 2016.7 モハ880形:北府付近
 
2016.7 モハ800形:赤十字駅
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モハ770形 770-777 8 名鉄770形 2005.10
モハ800形 802-803 2 名鉄800形 2005.10 2019.3
モハ880形 880-889 10 名鉄880形 2006.3
 F10形  
 元シュツットガルト市電で、土佐電鉄が所有していた外国車の1つ。2014年に譲り受けた。RETRAMという愛称がある。休日を中心に運行しているが、運休も多いようである。
   
2018.3 社武生駅  2022.4 福井駅前
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
F10形 735 1 土佐電鉄735 2014.3
 F1000形
 3連接車体の超低床車で、愛称はFUKURAM。1編成が1両という数え方になっている。2013年3月に営業運転を開始してり、4編成すべてカラーが異なっている。 
 
2021.11 1001F:サンドーム西〜家久間 2016.7 1003F:田原町付近 
 
2018.3 1002F:北府駅付近
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
F1000形 1001-04 4 新造 2013.3-16.12
形式別車両数
種類 形式 1940 1954 1968 1972 1981 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
EC 旧福武 12 12 8 6 3 3
旧鯖浦 9 9 3
80形 4 4 4 4 4 4 4 4 4
100形 3
120形 2 2 4 4 4 3 2 2 2
140・150形 6 4
500・510形 3
200形 6 6 6 6 6 6 6 6 6 4 2
160形 2 2 2 2 2 2
140形 5 6 6 6 2 2
300形 6 6 6 6
560形 1 1 1 1
600・610形 4 4 4 3 1
770・880形 18 18 18
800形 2 2
F1000形 2 4
F10形 1 1
EL 1 2 2 2 4 4 3 3 3 2 2 2 2
DL 1 1 1 1 1 1 1 1
年表

  1921.8.12 福武電気鉄道設立
  1924.2.23 武生新駅〜兵営間8.5km開業
  1925.7.26 兵営〜福井市間9.7km延伸、鉄道区間全通
  1933.10.15 軌道区間福井市〜福井駅前間1.7km開業
  1941.7.2  南越鉄道を合併
  1945.8.1  福武電気鉄道と鯖浦電気鉄道が合併し福井鉄道発足
  1950.11.27 本町通り〜田原町間1.6km開業し全通
  1973.9.29 鯖浦線廃止
  1979.10.3 福武線貨物営業廃止
  1981.4.1  南越線廃止
  2016.3.27 えちぜん鉄道との直通運転開始

福井鉄道