世界初と言われる、電車の寝台特急として開発された車両。車体は151系や481系のボンネットスタイルから大きく変わり、その後の国鉄特急型の標準スタイルとなった。室内は客車の寝台車と異なり、中央が通路、寝台は線路と同じ方向となっている。機器類は481系とほぼ同じで、台車はDT32DとTR69D。主電動機はMT54、駆動は中空軸平行カルダン、制御は電動カム軸式、制動は電磁直通(発電併用)で抑速ブレーキ付きである。1967年に交流60Hz用の581系が登場し、翌年には交流50Hz、60Hz共通の583系が登場している。
国鉄
 581系  
 581系が最初に配置されたのは南福岡で、1967年に「月光」「みどり」として営業運転開始。1975年に向日町へ転属し、JR西日本に引継がれる。最後まで残った内の1両、クハネ581-35が京都鉄道博物館で保存されている。九州鉄道記念館でもクハネ581-8が保存されているが、これは715系から復元したものである。
2016.8 クハネ581-8:九州鉄道記念館 2016.6 クハネ581-35:京都鉄道博物館
 583系  
 583系が最初に配置されたのは青森で、「ゆうづる」「はくつる」「はつかり」にて営業運転を開始した。九州方面でも581系とともに活躍している。JR東日本と西日本へ引継がれている。
1988.3 「はつかり」:八戸駅
 形式 Mn
580
Mn
581
Mn
582
Mn
583
 Tnc
581
 Tnc
583
Tn
581
Ts
581
TD
581
 前歴  登場  消滅
581系 12 12 41 57 35 35 新製 1967.9-70.2 2015.3
583系 106 106 30 1968.6-72.3
JR北海道
 JR北海道発足時に、サハネ581が7両所属していたが、北海道で営業運転を行ったことは無い。
JR東日本
 青森運転所  
 583系が最初に配置されたのが青森で、「ゆうづる」「はくつる」「はつかり」にて営業運転を開始した。国鉄末期に13両編成から9両編成となるが、14本がJR東日本に引継がれた。1994年12月に定期運用は無くなったが、その後も数を減らしながら臨時列車等で活躍する。しかし東北新幹線八戸延伸をきっかけにして、2編成が秋田と仙台へ転属し、最後まで残った9両も2003年に廃車となって、青森運転所の583系は消滅した。

  1968.10.1 「ゆうづる」「はくつる」「はつかり」において営業運転始まる
  1972.3.15 「みちのく」「ひばり」運用開始
  1978.10.2 「ひばり」運用終了
  1982.11.15 「みちのく」運用終了
  1986.11.1 基本編成が9両となる
  1993.12.1 「ゆうづる」「はつかり」の運用が無くなる
  1994.12..3 「はくつる」の運用が無くなり、583系の定期運用が消滅
  2002.12.3 N22編成が秋田転属
  2003.2.24 N21編成が仙台転属
1988.3 「ゆうづる」:青森駅
 番台 Mn
582
Mn
583
 Tnc
583
Tn
581
Ts
581
 前歴  登場  消滅  備考
0番台 47 47 28 5 14 国鉄 1987.4 2003.7
 仙台車両センター  
 東北新幹線八戸延伸に伴い、青森運転所に所属していた583系6両編成1本が2003年に転入した。臨時列車等で活躍した後、2011年に秋田へ転出して、最後の583系営業車となっている。
 番台  Tnc
583
Mn
582
Mn
583
 前歴  登場  消滅  備考
0番台 2 2 2 青森 2003.2 2011.8
 秋田車両センター  
 国鉄時代には秋田に583系が配置されたことはなかったが、臨時列車等で運用するため、2002年に青森から6両編成が転入。2011年8月には、仙台の6両編成が秋田に移り、元の秋田車を置換えた。この転入車はJR全体で最後の583系となり、2017年4月に最後の営業運転を行って引退した。その後、5両は廃車となったが、先頭車1両のみ車籍が残っている。

  2002.12.3 青森のN22編成が秋田転属
  2011.8  仙台のN1+N2編成が秋田転属
  2017.4  最後の営業運転
2016.7 東十条駅
 番台 Mn
582
Mn
583
 Tnc
583
Ts
581
 前歴  登場  消滅  備考
0番台 2 3 3 1 青森 2002.12 2011.6 N22
2 2 2 仙台 2011.8 N1+N2
JR西日本
 向日町運転所/京都総合運転所 
 581系が最初に配置されたのは南福岡で、1975年の山陽新幹線博多開業時に向日町へ転属。1984年に山陽・九州方面の定期運用を終えると、一気に数を減らし、JR発足時は10両編成6本で定期運用は「きたぐに」のみとなっていた。向日町の編成は、塗装が2度変わっている。1994年にJR東日本の定期運用が無くなってからは唯一の定期運用だったが、2013年1月に営業を終えた。
 
  1967.10.1 「月光」「みどり」において営業運転開始
  1975.3.10 山陽新幹線博多開業により、南福岡から向日町に転属
  1984.2.1 山陽・九州地区の運用終了、定期運用は「雷鳥」と急行「立山」のみとなる
  1985.3.14 「きたぐに」運用始まる、「雷鳥」「立山」運用終了
  1986.11.1 10両編成に短縮、6本のみとなる
  1991.12〜94 シュプール&リゾート色へ変更
  1997.12〜98 きたぐに新塗装へ変更
  2012.3.17 定期運用が無くなる
  2013.1.7 最後の営業運転
 
左:シュプール&リゾート色、右:きたぐに新塗装 
 番台 Mn
582
Mn
583
Tnc
581
Tnc
583
Tns
581
Ts
581
 前歴  登場  消滅  備考
番台 18 18 10 2 6 6 国鉄 1987.4 2015.3
 ※車両数はJR発足時のもの
車両配置表
581・583系配置表
1968 1972 1975 1980 1985 1987 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
札幌 7
青森 167 180 180 174 141 141 132 51
仙台 6 6
秋田 9 6 6 1
向日町 254 254 105 60 60 60 60 60 40
南福岡 50 267
581・583系