ドイツの始まりは、フランク王国が三分割されて誕生した東フランク王国である。962年にはオットーがローマ帝国の冠を授かり、神聖ローマ帝国として西欧の覇権を握った。しかし12〜15世紀にかけて帝国の力が弱まり、諸都市が領邦国家となっていく。ナポレオン戦争後のウィーン会議ではオーストリアを中心とするドイツ連邦が成立するが、1871年にプロイセンを中心とした帝国ドイツが成立、第1次世界大戦へと進んでいった。

  843年 フランク王国を3つに分割し、東フランク王国誕生
  962年 オットー大帝戴冠、神聖ローマ帝国成立
 1254年 大空位時代、諸侯への分権化すすむ
 1438年 ハプスブルグ朝はじまる
 1517年 宗教改革始まる
 1648年 ヴェストファーレン条約、300以上の領邦国家と帝国自由都市の集合体となる
 1806年 神聖ローマ帝国崩壊、ライン同盟に再編
 1815年 ウィーン会議、ドイツ連邦成立
 1866年 普墺戦争
 1871年 ドイツ統一、ドイツ帝国成立

ニーダーザクセン州
 ツェレ
 ツェレは、1370年にリューネブルグ公領の首都となり、歴史に登場する。17世紀にはハノーファー選定候領に編入されるが、16世紀から17世紀にかけて建てられた木組みの中世の街が当時のまま残っている。ハンブルグからフランクフルトへの途中にあるので、途中下車して2時間ほど散歩をした。
 旧市街は狭い範囲であるが、どの家も木組みで道にせり出すように建てられている。とてもカラフルで、歩いていてとても楽しい街だった。 
1992.8  1992.8 Am Heiligen
1992.8 市教会 1992.8 ツェレ城
 ゴスラル(世界遺産)  
 ランメルスベルク鉱山は、ローマ時代から採掘されたといわれるドイツ有数の鉱山である。この鉱山を背景として、922年にハインリヒ1世がゴスラル市を建設、11世紀には皇帝居城が建てられている。1253年からは自由都市となるが、鉱山の資源により繁栄をつづけた街である。ツェレからさらに南下して15時頃到着した。
 鉱山都市ということで重々しい雰囲気を想像していたが、意外に明るく賑やかな観光地であった。ツェレのような華やかさはないが、シックな美しさである。皇帝居城は小さな町に似合わないほど立派で、ここからの街並みも素晴らしかった。
1992.8 カイザーヴォルト 1992.8
1992.8 皇帝の居城より
 ☆世界遺産「ランメルスベルク鉱山およびゴスラルの歴史都市」 1992年登録
ヘッセン州
 フランクフルト  
  794年、カール大帝の時代にフランク王国の拠点となって街の基礎が築かれ、13世紀以降は自由都市となった。首都となったことはないが、16世紀頃からは神聖ローマ皇帝の戴冠式が行われるようになり、重要都市の1つとなっている。文豪ゲーテを生んだ町としても有名である。
 1992年の初めてのドイツ訪問では、ゴスラルから夜遅くに到着して朝出発したので街を見ていない。1998年のパリ訪問の帰りがフランクフルト経由で、乗り継ぎに時間があったので少しだけ街の中を散歩した。
1998.1
 バーデン・ヴュルテンベルグ州
 ハイデルベルグ
 13世紀頃に建設され、プファルツ選帝候の宮廷がおかれた。ほぼ同時期の1386年には、ドイツ国内初の大学であるハイデルベルグ大学が創設され、全土から学者や学生が集まる街となる。宮廷は1720年にマンハイムへ移されたが、今日も学生の街であることに変わりはない。
 この日は、フランクフルトからミュンヘンまで古城街道とロマンチック街道を走る一日ツアーに参加した。最初の観光地がハイデルベルグで、9時半到着。山の上にあるハイデルベルグ城は、重厚で規模も大きく、崩れかけた姿は趣がある。そして、ここから見下ろす街とカール・テオドール橋は絵になる風景であった。街の中も見所が多いが、やはり橋のたもとが一番のお気に入りである。
1992.8 ハイデルベルグ城より
1992.8 カール・テオドール橋 1992.8 ハイデルベルク城
1992.8 聖霊教会 1992.8 騎士の家
 バーデンバーデン(世界遺産)
  ドイツを代表する温泉保養地。ローマ時代から温泉として知られていたという。丘の上に景色がいい所があるかと登って行ったが、予想以上に広く迷子になってしまった。
 ここは、ヨーロッパを代表する温泉都市の1つとして、2021年に世界遺産に登録されている。
1997.10
 ☆世界遺産「ヨーロッパの大温泉都市群」 2021年登録
  オーストリア:バーデン・バイ・ウィーン
  ベルギー:スパ
  チェコ:フランティシュコヴィ・ラーズニェ、カルロヴィ・ヴァリ
      、マリアーンスケー・ラーズニェ
  フランス:ヴィシー
  ドイツ:バート・エムス、バーデン・バーデン、バート・キッシンゲン
  イタリア:モンテカティーニ・テルメ
  イギリス:バース
シュツットガルト
  15世紀以来、ヴュルテンベルク公国の首都として栄えた街。第二次世界大戦の被害が大きく、古い建物はほとんど残っていない。ここは仕事で訪れたので、観光もほとんどしていない。
1997.10 新宮殿

神聖ローマ帝国