五新線(未成線)

 五条〜阪本
 五新線とは、五条から十津川を経て新宮に至るという壮大な予定線のことである。1922年の鉄道敷設法別表で予定線として盛り込まれるが、ようやく着工したのは1939年。五条から生子まで竣工した所で戦争により中断するものの、1957年に再着工、1959年には城戸まで竣工した。しかしこの頃から、鉄道の需要が見込めないためバス専用道とするというプランが浮上する。二転三転した結果、1965年に五条〜城戸間をバス専用道として使用開始。その一方で城戸〜阪本間の鉄道工事を進めるという矛盾した状態が続くが、1979年に予算が凍結されて建設が終わった。専用道を走るバスも当初は盛況であったが、利用者が減少し2014年に廃止となった。バスが消えて、未成線跡がいつまで残っているかわからないので、半年後の状況を見に行った。
 五条から野原まではバス専用道となっておらず、鉄道もバスも通らなかった高架橋が放置されている所がある。野原の少し先からバス専用道が始まるが、普通の道路と見た目は変わらない。
 
2015.2 野原駅付近@ 2015.2 野原〜賀名生間A
霊安寺バス停付近
 生子のバス停跡の手前に最初の橋梁がある。戦前に建設された区間なので古めかしいアーチである。バス停の先に生子トンネルがあるが、ここは進入できないようになっていた。
 
2015.2 野原〜賀名生間B
第1丹生川橋梁
2015.2 野原〜賀名生間B
生子バス停と生子トンネル
 生子トンネルの先は、国道よりかなり低い所をバス専用道が通っている。上から見下ろす景色は雄大でなかなかよい。
 
2015.2 野原〜賀名生間C
第2丹生川橋梁
2015.2 野原〜賀名生間C
神野バス停付近
 賀名生バス停の手前にある第5丹生川橋梁は、脇に立派な民家があるのでとても絵になる。このあたりは橋とトンネルが連続している。
 
2015.2 賀名生駅付近D
第5丹生川橋梁
2015.2 賀名生駅付近D
賀名生バス停
 第6丹生川橋梁は、橋脚が川に映って美しい。ここから少し国道を離れた所を通るので、高架橋を1ヶ所みつけた他は見失った。
 
2015.2 賀名生〜城戸間E
第6丹生川橋梁
2015.2 賀名生〜城戸間F
 城戸は、かなり高い所に廃線跡があり、廃線跡のバス専用道から一般道に降りるスロープも作られているので複雑な構造である。この先はバスも通らなかった区間で、最も新しい宗川橋梁は近代的な姿をしている。橋の見本市のような路線である。
 
2015.2 城戸駅付近G 2015.2 城戸〜立川渡間H
宗川橋梁