初めての北海道向け近郊型電車で、日本発のサイリスタ位相制御を採用したもの。車体は鋼製の20m級2扉で、座席はセミクロスシート。台車は、インダイレクトマウント空気ばねのDT32・TR69を北海道向けに改良した円筒案内式のDT38とTR208。主電動機は国鉄標準のMT54系列(1時間定格出力150kW)。駆動は中空軸平行カルダン、制動は電磁直通で発電ブレーキは省略された。新製時は非冷房だった。Tc-M-Tcの3両編成が基本で、38編成114両が製造されている。
国鉄
 900・0番台  
 1967年に試作車が登場して各種試験を行い、1968年8月の小樽〜滝川間電化とともに営業運転を開始した。国鉄時代には、急行列車としても活躍し、とくに急行「さちかぜ」は札幌〜旭川間ノンストップという特急を超える速達列車であった。登場時は、前頭部のヘッドライトが無く、後に増設されている。
 
0番台旧塗装 
 100番台  
 1980年の千歳・室蘭線電化に合わせて、11年ぶりに製造されたもの。車体を難燃化構造とし、扉がステンレスになるなど、仕様がかなり変わっている。前頭部のヘッドライトも、新製時から設置されている。
  
1987.3 新塗装:札幌駅  
 番台  Mc
711
M
711
Tc
711
 前歴  登場  消滅  備考
900番台 2 2 新製 1967.2 1999.10 試作車
0番台 19 36 1968.7-69.9 2006.3 量産車
100番台 17 38 1980.7-9 2015.3 難燃化構造
JR北海道
 札幌運転所  
 全車JR北海道に引継がれ、最後まで札幌のみに配置された。1987年から、Tc車のみ3扉に改造されている。2015年3月に、733系に置き換えられて運用を終了している。
 711系全廃後、インターネット上で保存の声が高まり、募金が目標額に達したため2両が保存されることになった。栗沢町のレストランで新塗装のまま保存されており、道路からもよく見える。

  1968.8.28 小樽〜滝川間で営業運転開始
  1971.7.1  急行「さちかぜ」運用開始
  1980.10.1  千歳・室蘭線電化
  1984.10-86.5 新塗装に変更
  1986.11.1 急行運用なくなる
  1987-   Tc車の3扉化改造
  1998.4.11 快速「エアポート」の運用が無くなる
  2001-   冷房化改造
  2006    0番台消滅
  2012.10.27 苫小牧〜室蘭間の運用終了
  2015.3.13 営業運転終了
 
 2016.7 クハ711-203:栗沢町「大地のテラス」 
車両配置表

1968 1972 1978 1982 1987 1990 1992 1995 1998 2000 2002 2005 2008 2010 2012
札幌 4 59 59 114 114 114 114 114 114 78 72 54 48 48 48

711系