阪急電鉄のルーツは、現在の宝塚本線を開業させた箕面有馬電気軌道。阪神急行電鉄と名を変えて、神戸本線をはじめ阪急の西半分が形成されている。一方、京都本線を開業させたのは新京阪鉄道で、戦前は京阪電鉄の1路線となっていた。戦時中の大合併で京阪神急行電鉄が成立し、戦後に京阪が分離した時に阪急に残っている。このような経緯から、京都線は新京阪時代に1500Vとなっていたが、神戸線・宝塚線系統は長く600Vで、神戸線が1967年、宝塚線が1969年に昇圧している。
   
2021.4 宝塚〜宝塚南口間
戦前
 旧箕面有馬
 箕面有馬開業時の車両は、木造ボギー車18両。翌年さらに15両増備した。1927年から簡易鋼体化され、戦後まで残っていた。1号車が保存されているが、公開の機会は少ない。
形式 番号 両数  登場  消滅  備考
1形 1-33 33 1910.3-11.9 1962
34形 34-36 3 1916.8 1950 もと南海軌道線50-52
電動貨車 101-107 7 1910.7-20.5 1947
201-207 7 1916.5-20.12 1954.12 5両はもと南海軌道線
 旧阪神急行
 神戸線開業時の主力は51形で、支線向けには37形と40形が製造された。300形は阪神急行最初の半鋼製車両、そして510形は日本初の全鋼製の試作車となり、600形で量産された。900形と920形が戦前を代表する形式で、阪神間の特急として省電とスピードを競った。当時の速度は現在の阪急より速かったということである。最後まで残ったのも920形で、1982年4月にさよなら運転を行って引退した。600形と900形は動態保存車があるが、公開の機会は少ない。また、300形、920形と土砂輸送用機関車ED2003のカットボディが正雀工場内の阪急ミュージアムで保存されている。
   
2017.5 920号:正雀工場 
    
2017.5 301号:正雀工場 2017.5 ED2003:正雀工場 
形式 番号 両数 登場 消滅  備考
37形 37-39 3 1921.4 1949
40形 40-43、45 5 1923.10 1962.9
47形 47-49、(150) 3 1920.6 1933 成田電気より
51形 51-88、(98-99) 38 1920.6-22.9 1960
90形 90-97 8 1926.5-40 1967.10 6両:目黒蒲田より
2両:加越能より
151形 151-154 4 1926 1939 大阪市電より
300形 300-319 20 1924.8-25.4 1967
510形 510 1 1925.11 1926
600形 600-609<Mc>
650-657<Tc>
18 1926.6-28.1 1975.9
900形 900-919 20 1930.3 1978.3
920形 920-947<Mc>
950-977<Tc>
56 1934.6-48.5 1982.7
320形 320-331 12 1935.3-36.10 1966 12両→能勢
380形 380-385 6 1936.10 1966 6両→能勢
500形 500-530 31 1938.4-42.2 1967 23両→能勢、8両→広電
電動貨車 4001-4002 2 1928.7 1979.3
3001-3002 2 1938.8 1956.5
5001→4501 1 1938.12 1982.7
機関車 2001-2003
→4301-4302
3 1924.6-26.6 1975.3
 旧新京阪
 北大阪鉄道開業時の車両は、新京阪となって間もなくの昇圧時に信貴生駒や愛宕山鉄道へ譲渡された。新京阪を代表する車両はP-6形で、日本初の本格的高速電車とも言われた。戦後も特急に使用され、1970年の万博輸送でも主力車両の1つであった。1973年に引退したが、デイ116が動態保存され、イベント時には乗車体験もできる。
    
2017.5 デイ116:正雀工場  2017.5 デイ101:正雀工場
形式 番号 両数  登場  消滅  備考
P-1形
(北大阪1形)
1-8 8 1921.3 1927
P-4・P-5形 デロ11-30
フロ51-56
26 1925.2-29.3 1966.9
P-6形 デイ101-133
フイ501-539
72 1927.12-29.4 1973.3
551-555→1551-1555 5 1949.10 1972.10
500号 フキ500 1 1928.10 1971.12
200形 201、601→251 2 1937.2 1970.3
300形 301-305→1301-05
→751-755
5 1943.6 1976.6
電動貨車 51-53 3 1921.3 1934.4
戦後の旧型車
 終戦直後
 550形は宝塚線向けの15m級、700系は京都線向けの17m級で、ともに運輸省規格型。一方、神戸線向けの800系は920系に似た独自設計車である。800系の最後に製造されたグループは非貫通で異彩を放っていた。550形はナニワ工機(後のアルナ工機)が初めて製造した車両で、廃車後も尼崎工場で保存されていた。工場は閉鎖されたが、2021年から前頭部が妙見口駅に近い吉川八幡神社で保存されている。
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
550形 550-565 16 1948.12-51.5 1969.8
700形<Mc>
750形<Tc>
701-705
751-755
10 1948.9 1976.6
800形<Mc>
850形<Tc>
800-806
850-856
14 1949.8-50.5 1982.6
電動貨車 200-203、207-210
→4201-03、07-10
8 1947.12-51.5 1982.5
  
2022.4 550:吉川八幡神社
 710・810系
 神戸・宝塚・京都の3線共通車体として開発されたもので、阪急初の18m級。1500Vの京都線向けが710系、600Vの神戸・宝塚線向けが810系である。どちらもセミクロスシートとロングシートがあった。810系は阪急最後の吊り掛け駆動車となり、1985年に廃車となっている。1両のカットボディが残っているが、公開されていない。
  
810形
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
710形<Mc>
760形<Tc>
711-717
761-767
14 1950.9-53 1983.8
810形<Mc>
860形<Tc>
810-822
860-872
26 1950.12-54.1 1985.3
 610・210系
 610形は、車体を新製して51形を更新したもので、宝塚線向け。210形は電動貨車の機器を流用した千里山線向けの車両である。610形は35両が能勢電鉄に転属して1990年代まで使用されていた。
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
610形<Mc>
630形<M>
660形<Tc>
610-622
630-639
660-672
36 1953.8-56.3 1982.11 35両→能勢
210形<Mc>
260形<T>
211-212
261
3 1956.6 1976.6 2両→広電
 4050・4250形
 戦後長らく救援車として使用していた電動貨車に代わり、920形を改造して新たな救援車を製作したもの。自走することはできない。4両のうち3両は、ブレーキをHSCからHRDに変更して4250形を名乗るが、番号は変わっていない。西宮・平井・正雀・桂の各車庫に1両ずつ配置されている。
   
2018.1 4250形:桂車庫(中央の車両)
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
4050・4250形 4050-4053 4 1982 969-972改造
1000系列
 1000系・1010系・1100系
 阪急最初のカルダン駆動車。1000系は試作的なもので、これをもとに神戸線向け1010系、宝塚線向け1100系が量産された。車体は全金の準張殻構造で、19m級。初期の車両は2扉だったが、後期のものは3扉となり、2扉車も後に3扉化された。座席はロングシート。駆動はWN、制御は電動カム軸式(PE)、制動は自動空気(AMC-D)である。
 1000系は、後に付随車化されて1010系に組み込まれる。最後まで運用されたのは伊丹線の箕面線で、1989年に1010系と1100系が同時に営業運転を終えている。記念すべき1000系のカットボディが残っているが、公開されていない。

 1954   登場
 1966-   3扉化
 1967-69 昇圧対応改造、制動HSC化
 1971   1000系の付随車化
 1976-  冷房化改造
 1989.3.5 さよなら運転
  
左:1010系、右:1300系
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
1000形<Mc> 1000-1003 4 1954.11 1984.3
1010形<Mc><Tc>
1050形<T>
1010-1037
1050-1056
35 1956.11-60.12 1989.3 4両→能勢
1100形<Mc>
1150形<Tc>
1100-17、40-48
1150-67、90-95
53 1956.10-61.10 1989.3 4両→能勢
<譲渡>
 能勢電鉄(1986-2001.4、8両)
 1300系
 京都線初のカルダン駆動車。車体は19m級の2扉で、最初の3両のみクロスシート、以降はロングシート。駆動は中空軸平行カルダン、制御は電動カム軸式(ES)、制動は電磁直通(HSC-D)である。当初は4両編成4本で京都線、1971年からは7両編成2本で千里線運用となり、晩年は4両編成に戻って嵐山線で運用された。

 1957   登場
 1966   1301Fロングシート化
 1971   千里線転属、7両編成化、3扉化
 1975-76 冷房化改造
 1983   嵐山線転属、4両編成化
 1987   消滅
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
1300形<Mc>
1350形<T>
1301-1308
1351-1358
16 1957.12-61.10 1987.5
 1200系・1600系
 1000系列の車体を新造し、機器は旧型車のものを流用した吊掛け駆動車。1200系は宝塚線向け、1600系は京都線向けである。車体は19m級の2扉ロングシート。後に3扉化され、晩年は今津線や嵐山線などの支線で運用された。

 1956   登場
 1968-73 3扉化
 1969?  1200系昇圧対応改造
 1983   消滅
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
1200形<Mc>
1250形<Tc>
1230形<T>
1200-1207
1250-1257
1230-1233
20 1956.8-58.7 1983.4 1形機器流用
1600形<Mc>
1650形<Tc>
1601-1606
1651-1656
12 1957.5-60.9 1983.12 100形機器流用
2000系列
 2000系・2100系・2021系
 1000系列をベースに、回生制動と低速運転制御を取り入れたもので、愛称は「オートカー」。2000系は神戸線向け、2100系は宝塚線向けである。神戸・宝塚線昇圧に備えた複電圧車は2021系と区分された。車体は全金の19m級3扉で、阪急初の両開き。駆動はWN、制御は電動カム軸式(MM)、制動は電磁直通(HSC-R)である。
 長編成化に伴い、特殊な複電圧の2021系は、電装解除され、他系列の中間車となった。編成としての最後の運用は2000系3両編成による今津南線・甲陽線で、1992年に終了。一方、2100系は能勢電鉄に譲渡されるなどして1986年までに消滅した。

 1960   登場
 1967? 2000系の昇圧対応改造
 1977-81 冷房化改造
 1984.3  今津南線・甲陽線3両編成運用開始
 1992.1.26 編成としての営業運転終了
 2014   中間車消滅
    
2005.9 もと2000系:妙見口駅 .2016.6 もと2100系:山下駅
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
2000形<Mc><M>
2050形<Tc><T>
2000-2020
2050-2070
42 1960.11-62.12 2013.7 33両→能勢
2021形<Mc><M>
2071形<Tc><T>
2021-2041
2071-2091
42 1963.9-64.5 2014.8 5両→能勢
2100形<Mc><M>
2150形<Tc><T>
2100-2114
2150-2164
30 1962.1-62.12 1986.1 21両→能勢
<譲渡>
 能勢電鉄(1983-、60両)
 2300系
 2000系列の京都線向け。車体は全金の19m級3扉両開き。駆動は中空軸平行カルダン、制御は電動カム軸式(ES)、制動は電磁直通(HSC-R)である。
 晩年、行先表示幕が設置されて前面デザインが変わったものもあるが、嵐山線運用車などは原型を保った。2015年に営業運転を終了。2301と2352が正雀工場で動態保存されている。

 1960   登場
 1969.1  神戸線運用開始
 1978-81 冷房化改造
 1986   嵐山線運用開始
 1986-89 前面表示幕設置、尾灯移設(一部のみ)
 2009.4.1 嵐山線運用終了
 2015.3.22 最後の営業運転
  
2017.5 2300系:正雀工場
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
2300形<Mc>
2350形<Tc>
2330形<M>
2380形<T>
2301-2328
2351-2378
2341-2346
2391-2396
78 1960.11-67.7 2016.2
 2800系
 京都線特急向けの2扉クロスシート車。座席は京都線初の転換クロスシートで、車端部はロングシート。機器は2300系と同じである。6300系登場後は3扉ロングシートとなった。2300系より淘汰が早く、1995年に編成としての運用終了。その後は2300系や5200系に組み込まれた中間車のみが残っていたが、これも2001年に消滅している。福知山市内で1両保存されているほか、平井車庫にもカットボディがある。

 1964   登場
 1971-72 冷房化改造
 1972-73.3 8両編成化
 1976-79 3扉ロングシート化
 1995.10.29 編成としての最後の営業運転
 2001.3  中間車の営業運転終了
   
2020.3 2861:福知山市内
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
2800形<Mc>
2850形<Tc>
2830形<M>
2880形<T>
2801-07、11-17
2851-57、61-67
2831-37、41-47
2881-87、91-97
56 1964.5-73.3 2001.5
3000系列
 3000系・3100系
 神戸・宝塚線の昇圧に即応できる車両として登場したもの。3000系は神戸線向け、3100系は宝塚線向けである。車体は2000・2100系とほぼ同じで、全金の19m級3扉。駆動はWN、制御は電動カム軸式(MM)、制動は電磁直通(HSC-R)である。
 晩年は支線運用が中心となる。最後は伊丹線で、2020年2月に営業運転を終えた。また、4両編成1本のみ能勢電鉄に譲渡されたが、これも2021年に運用を終えている。

 1964   登場
 1975-85 冷房化改造
 1981-  前面表示幕設置、尾灯移設(一部)
 1988   伊丹線、箕面線運用開始
 1991   甲陽線、今津南線運用開始
 2014   宝塚線の本線運用終了
 2020.2  営業運転終了
    
2005.9 3000系・原型:伊丹駅 2015.11 3100系:西宮北口駅
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
3000形<Mc>
3050形<M>
3500形<Tc>
3550形<T>
3000-3033
3050-3083
3500-3533
3550-3561
114 1964.12-69.4 2020.6
3100形<Mc>
3150形<M>
3600形<Tc>
3650形<T>
3100-3111
3150-3161
3600-3611
3650-3653
40 1964.12-67.8 2018.9
<譲渡>
 能勢電鉄(1996.12-21.5、4両)
 3300系
 地下鉄堺筋線との直通向けとして登場したもの。細部の設計は3000系より5000系に近い。車体は全金の19m級3扉で、地下鉄の規格に合わせて幅が広くなった。また、登場時から前面行き先方向幕が付いている。駆動は中空軸平行カルダン、制御は電動カム軸式(ES)、制動は電磁直通(HSC-D)である。
 当初は5両編成を基本として7両編成などもあったが、1979年に6両編成21本とする。1989年からは8両編成化が進み、地下鉄に直通しないものは7両編成になった。

 1967   登場
 1969.12.6 堺筋線直通運用開始
 1979   6両編成化
 1982-85 冷房化改造、尾灯移設
 1989-  一部8両編成化
 2003-06 リニューアル工事
   
2020.7 洛西口駅
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
3300、3400形<Mc>
3800形<M>
3350形<Tc>
3850形<T>
3301-48,3401-30
3801-18
3351-68
3851-61
126 1967.12-69.10
3950形<T> 3951-56 1979
5000系列
 5000系
 1967年の神戸線昇圧、1968年の神戸高速乗り入れに対応したもの。車体は全金の19m級3扉で、3000系とほぼ同じ。駆動はWN、制御は電動カム軸式(MM)、制動は電磁直通(HSC-D)である。
 神戸線向け6両編成6本、宝塚線向け7両編成1本と、増結用2両編成2本が登場。2000年代に始まったリニューアル工事では、標識灯が角形になって印象が大きく変わっている。2016年以降、6両編成7本が今津北線に転属し、本線運用が無くなっている。

 1968   登場
 1973-74 冷房化改造
 1984-90 前面行き先方向幕設置、尾灯移設
 2001-07 リニューアル工事
 2016.5- 今津北線に転属
 2020.2  神戸線の本線運用終了
   
2015.11 リニューアル車:西宮北口駅
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
5000、5040形<Mc>
5500形<M>
5050形<Tc>
5550形<T>
5000-13、31-32、41-42
5500-13
5050-63
5563
47 1968.1-69.11
 5100系・5200系
 5200系は、阪急初となる試作冷房車。5100系は量産冷房車である。車体は全金の19m級3扉で、5000系とほぼ同じ。駆動はWN、制御は電動カム軸式(MM)、制動は電磁直通(HSC-D)である。
 当初は5・6・7・8両編成があり、京都線にも配置されたが、すぐ神宝線運用のみとなる。1982年からは10両編成も登場した。5200系は更新等が行われず、1998年に運用を終了。5100系はリニューアル工事が実施されたが、5000系のような角形の標識灯にはなっていない。2015年以降、24両が能勢電鉄に譲渡されている。

 1970   登場
 1972   京都線運用終了
 1982.3  10両編成運用開始
 1986-93 5100系の前面行き先方向幕設置、尾灯移設
 1998   5200系の運用終了
 2004-  リニューアル工事
    
 2016.6 5100系:川西能勢口駅 2017.5 5200系:正雀工場
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
5100形<Mc>
5650形<T>
5100-5149
5650-5692
90 1971.5-79.2
5200、5240形<Mc>
5700、5740形<M>
5250形<Tc>
5750形<T>
5200-03、30-33、40-43
5700-02、10-11、41-42
5250-52、44
5750-51
25 1970.6-71.5 2000.1
<譲渡>
 能勢電鉄(2015.3-、24両)
 5300系
 京都線初の新製冷房車として登場したもの。車体は全金の19m級3扉で、3300系とほぼ同じ。駆動は初のTDカルダン、制御は電動カム軸式(ES)、制動も阪急初の電気指令式である。
 1984年の増備完了時は、8両編成7本と7両編成7本。何度か編成の組替えがあり、8両編成が減少している。

 1972   登場
 1979.3  堺筋線直通運用開始
 1989-01 更新工事、尾灯移設等
 2002-  リニューアル工事
   
 2020.7 東向日駅
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
5300、5400形<Mc>
5800、5900形<M>
5850形<T>
5300-24、5400-24
5800-09、5900-09
5850-84、5890
105 1972.9-84.4
6000系列
 2200系
 形式は2000番台だが、6000系列の試作車で、阪急初となる電機子チョッパ制御の実用試験車。車体は全金の19m級3扉で、前面に方向幕を設置し、標識等を窓下とする全面的なデルチェンジが行われた。駆動はWN、制動は電気指令式(HRD-1)である。
 8両編成1本のみで、神戸線にて運用。阪急では電機子チョッパ制御は量産化されず、1985年にはVVVFインバータ制御の試験車2両が組み込まれた。阪神大震災で被災し、編成を組替えて6000系に編入される。さらに2019年には先頭車2両が7000系に編入され、今津北線で運用されている。

 1975   登場
 1985   VVVFインバータ制御試験車登場
 1995   6000系に編入(6050、6150等)
 2019   7000系に編入(7090、7190等)
 形式 編成番号 両数  登場  消滅  備考
2200形<Tc>
2700形<M>
2750形<T>
2250F  8 1975.3 1995.7 
2720形<M> 2 1985.7  
 6000系
 2200系の車体による神宝線向け量産車。全金の19m級3扉だが、6000Fのみアルミニウム合金製車体が採用された。電機子チョッパ制御は採用されず、駆動はWN、制御は電動カム軸式(MM)、制動は電気指令式(HRD)である。
 宝塚線には8両編成、神戸線には6両編成と増結2両編成等を配置。1998年頃から、上部が6300系に似たアイボリー塗装となっている。

 1976   登場
 1998-2002 上部アイボリー塗装化
 1998.10 甲陽線、今津南線運用開始
 2002-  内装リニューアル工事
 2018.7  伊丹線運用開始
    
2005.9 甲陽園駅 2019.6 岡本駅
   
2022.4 アルミ車:川西能勢口駅
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
6000、6100形<Mc>
6500、6600形<M>
6550、6650形<T>
6000-08F
6020-26F
130 1976.3-85.3
<譲渡>
 能勢電鉄(2014.8- )
 6300系・6330系
 6300系は、2800系の特急運用を置換えるために登場したもの。車体は全金の19m級2扉で、堺筋線には非対応。上部がアイボリーと層となり、前面にステンレスの飾り帯が入った。座席は転換クロスシート。機器は5300系を踏襲し、駆動はTDカルダン、制御は電動カム軸式(ES)、制動は電気指令式である。また、6330系は6300系の増備車で、界磁チョッパ制御を採用している。
 登場時はすべて8両編成で9本。9300系の増備によって2010年に本線定期運用を終え、3本が4両編成となって嵐山線に転用された。また、1本は観光列車「京とれいん」となっている。

 1975.7.31 営業運転開始
 2009.4.2 嵐山線運用開始、4両編成化(3本)
 2010.1.8 本線定期運用終了
 2011.3  「京とれいん」運行開始
    
 2017.6 6300系:嵐山駅付近  2018.3 6300系「京とれいん」:西京極駅 
 形式 番号 両数  登場  消滅  備考
6300、6950形<Tc>
6800、6900形<M>
6850、6950形<T>
6350-57F 64 1975.7-78.1
6330、6430形<Mc>
6830、6930形<M>
6950形<T>
6330F 8 1984.1 2009.11
7000系列
 7000系
 阪急で初めて、界磁チョッパ゚制御を本格採用したもの。車体は、初期車は鋼製だったが、7021F以降はアルミニウム合金製となった。19m級3扉で、設計は6000系とほとんど変わらない。駆動はWN、制動は電気指令式(HRD-1R)である。
 リニューアル工事では、外観があまり変わらないものと、9000系に似た外観に変化したものがある。また、2019年からは70006Fが観光列車「京とれいん 雅洛」として運行している。

 1980  登場
 1998-02 上部アイボリー塗装化
 2009- リニューアル工事
 2016- VVVFインバータ制御化
 2019.3.23 「京とれいん 雅洛」運行開始
    
2022.4 西宮北口駅 2019.4 大規模リニューアル車:王子公園駅
 形式 編成番号 両数  登場  消滅  備考
<Mc>7000-、7100-
<M>7500-、7600-
<T>7550-、7560-
 、7570-、7580-
7000-19F
7020-27F
194 1980.3-88.9
<Mc>7030-
<Tc>7150-
7030-37F 16
 7300系
 京都線向けの界磁チョッパ゚制御車。車体は7301・02Fのみ鋼製で、以降はアルミニウム合金製。19m級3扉で、設計は6000系とほとんど変わらない。駆動はTDカルダン、制動は電気指令式(HRDA-1)である。
 リニューアル工事では、7320Fのみ外観が大きく変わり、9000系に似たものとなった。その他は、外観の変化は小規模で、VVVFインバータ制御への更新などが行われている。

 1982  登場
 1989.11 堺筋線直通運用開始
 1998- 上部アイボリー塗装化
 2008.8 7320Fリニューアル工事
 2014- リニューアル工事、VVVFインバータ制御化
   
2018.3 東向日駅
 形式 編成番号 両数  登場  消滅  備考
<Mc>7300-、7400-
<M>7800-、7900-
<T>7850-、7860-
 、7870-、7880-
7300-06F
7310F
83 1982.2-89.10
<Mc>7320-
<Tc>7450-
7320-27F
8000系列
 8000系
 阪急初のVVVFインバータ制御車で、神宝線向け。車体はアルミニウム合金製の19m級3扉で、デザインが7000系までとは一新された。1次車は阪急初の額縁スタイルだったが、風圧が問題となり、2次車はくの字の形状になる。3次車はさらに前面窓が拡大されている。座席は、8002-07Fのみセミクロスシート。駆動はWN、制動は電気指令式(HRDA-1)である。0番台は8両編成、20番台は6両編成、30・40番台は2両編成で登場した。

 1989.1.1 営業運転開始
 2020-  リニューアル工事
  
2015.11 1次車:西宮北口駅
 形式 編成番号 両数  登場  消滅  備考
<Mc>8000-、8100-
<M>8500-、8600-
<T>8550-、8650-
 、8750-、8780-
8000-08F、8020F 80 1988.12-92.7 1次
<Mc>8030-
<Tc>8150-
8030-32F 12 1992.10-92.12
8033-35F 1993.9-93.11 2次
<Mc>8040-
<Tc>8190-
8040-42F 6 1997.3 3次
 8200系
 8000系の派生系列で、混雑緩和のため座席を収納式にしたもの。2両編成2本のみ製造され、平日の通勤急行の梅田方に連結された。2007年に座席収納運用は終了となり、ロングシート化されている。

 1995.6.12 営業運転開始
 2007.10.29 座席収納運用終了
 
2019.6 御影駅
 形式 編成番号 両数  登場  消滅  備考
<Mc>8200-
<Tc>8250-
8200-01F 4 1995.6
 8300系
 京都線初のVVVFインバータ制御車。車体はアルミニウム合金製の19m級3扉。8000系と同様に、1次車は額縁スタイル、2次車はくの字の形状になり、3次車は前面窓が大きい。また、1次車のうち初期に製造されたものは飾り帯がある。駆動はTDカルダン、制動は電気指令式(HRDA-1)である。0番台は8両編成、10番台は6両編成、30番台は2両編成で登場した。

 1989.7.9 営業運転開始
 2015-  機器更新
   
2016.6 1次車:淡路駅 2020.7 1次車飾り帯付:洛西口駅
 形式 編成番号 両数  登場  消滅  備考
<Mc>8300-、8400-
<Tc>8450-
<M>8800-、8900-
<T>8850-、8870-
 、8950-、8980-
8300-02F、8310-12F
8330-31F
84 1989.5-93.3 1次
8303F、8313-14F
8332-33F
1993.9-94.9 2次
8304F、8315F 1995.1-95.10 3次
9000系列
 9300系
 6300系の後継となる、京都線向けの特急車。阪急では8000系以来車両の新造が途絶えており、7年ぶりに製造された。車体はアルミニウム合金製で、日立のA-train。特急車であるが、2扉でなく3扉セミクロスシートとなった。駆動はTDカルダン、制御はVVVFインバータ(IGBT素子)、制動は電気指令式(HRDA-1)である。すべて8両編成で登場した。

 2003.10.14 営業運転開始
2021.3 西山天王山〜大山崎間
 形式 編成番号 両数 登場  消滅  備考
<Mc>9300-、9400-
<M>9800-
<T>9850-、9860-、9870-
 、9880-、9890
9300-9310F 88 2003.10-10.2
 9000系
 9300系をベースにした、神宝線向けの新造車。車体はアルミニウム合金製で、日立のA-train。19m級3扉で、すべてロングシート。駆動はTDカルダンとWN、制御はVVVFインバータ(IGBT素子)、制動は電気指令式である。

 2006.7.31 営業運転開始
2019.4 王子公園駅
 形式 編成番号 両数 登場  消滅  備考
<Mc>9000-、9100-
<M>9500-
<T>9550-、9560-、9570-
 、9580-、9590
9000-9010F 88 2006.7-13.3
1000系列
 1000系
 9000系をベースに、さらなる環境性能の向上などが図られたもの。車体はアルミニウム合金製で、日立のA-train。駆動はWN、制御はVVVFインバータ(IGBT素子)、制動は電気指令式である。すべて8両編成で登場している。

 2013.11.28 営業運転開始
    
2019.3 王子公園駅 2019.6 御影駅
 形式 編成番号 両数  登場  消滅  備考
<Tc>1000-、1100-
<M>1500-、1550-
 、1600-、1650-
<T>1050-、1150-
1000-1019F 160 2013.11-21.6
 1300系
 1000系列の京都線向け。車体はアルミニウム合金製で、日立のA-train。駆動はTDカルダン、制御はVVVFインバータ(IGBT素子)、制動は電気指令式である。すべて8両編成で登場している。

 2014.3.30 営業運転開始
   
2021.3 SDGsラッピング:西山天王山〜大山崎間
 形式 編成番号 両数  登場  消滅  備考
<Tc>1300-、1400-
<M>1800-、1850-
 、1900-、1950-
<T>1350-、1450-
1300-1313F 112 2014.3-21.7
形式別車両数
神戸・宝塚線系統
種類 形式 1940 1953 1963 1970 1981 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
戦前 木造車 88 ? 7
300形 20 20 18
  600形 18 18 18 18
900形 20 20 20 20
920形 34 56 56 56 16
320・380形 18 18 18
500形 12 31 31            
戦後 550形 16 16
610形 36 36 7
  800形 14 14 14 10
  810形 26 26 26 26
1000・1010系 38 37 35 35
1100系 51 51 47 47
1200系 20 20 20
  2000・2100系 110 114 114 95 68 38 33 27 13
3000・3100系 154 154 154 154 154 147 147 141 62 4
  5000系 47 47 47 47 47 47 55 64 64 50
5100・5200系 115 115 115 102 90 82 73 62 46
6000系 134 138 140 140 140 140 140 131 117
7000系 8 116 210 210 210 210 210 210 206
8000・8200系 32 90 102 102 102 102 102
9000系 16 88 88
新1000系 32 144
事業用 100形等 11 ?
4200形 7 7 6 2
4050・4250形   4 4 4 4 4 4 4 4
京都線系統
種類 形式 1940 1953 1963 1970 1981 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
戦前 10・50形 24 24 6
100・500形 73 78 78 53
  200形 2 2 2
戦後 700系 10 15 15
710系 14 14 14 14
210形 3 3
1300系 16 16 12 14
1600系 12 12 12
2300系 62 78 78 78 78 78 78 62 45 16
  2800系 51 56 56 40 20 3
  3300系 120 126 126 126 126 126 126 126 124 82
5300系 102 105 105 105 105 105 105 105 97
6300系 64 72 72 72 72 72 29 24 18
7300系 48 83 83 83 83 83 83 83
  8300系 16 78 84 84 84 84 84
9300系 16 88 88 88
  新1300系 32 80
事業用 4000・4500形 3 3 3 3 1
EC 4300形 3 3 2 2
年表
 ○箕面有馬電気軌道
  1910.3.10 宝塚本線:梅田〜宝塚間24.6km、箕面線:石橋〜箕面間4.0km開業
  1918.2.4 阪神急行電鉄と改称
  1920.7.16 神戸本線:十三〜神戸(現・上筒井)間、伊丹線:塚口〜伊丹間2.7km開業
  1921.9.2 西宝線(現・今津線):宝塚〜西宮北口間開業
  1924.10.1 甲陽園線:夙川〜甲陽園間2.2km開業
  1926.7.5 梅田〜十三間高架複々線化、旧線は北野線となる
  1926.12.18 今津線:宝塚〜今津間9.3km全通
  1936.4.1 神戸本線:梅田〜神戸(現:神戸三宮)間全通、旧線は上筒井線となる
  1940.5.20 上筒井線廃止
  1943.10.1 京阪電気鉄道を合併、京阪神急行電鉄と改称
  1949.1.1 北野線休止
  1963.6.17 京都本線:大宮〜河原町間延伸
  1967.3.1 千里線:天神橋筋六丁目〜北千里間全通
  1967.10.8 神戸線1500V昇圧
  1969.8.24 宝塚線1500V昇圧
  1973.4.1 阪急電鉄と改称
  1978.3.10 神戸線・宝塚線を軌道から鉄道に変更

 ○北大阪電気鉄道
  1921.4.1 十三〜豊津間(現・千里線)開業
  1921.10.26 豊津〜千里山間延伸
  1923.4.1 新京阪鉄道へ事業譲渡
  1925.10.15 天神橋(現・天神橋筋六丁目)〜淡路間開業
  1928.1.16 淡路〜高槻町間開業、全線1500V昇圧
  1928.11.1 高槻町〜西院間延伸
  1928.11.9 桂〜嵐山間開業
  1930.9.15 京阪電気鉄道に合併
  1931.3.31 西院〜京阪京都(現・大宮)間延伸
  1943.10.1 阪神急行電鉄に合併し京阪神急行電鉄となる

阪急電鉄