法隆寺は、607年に聖徳太子と33代推古天皇によって創建されたと言われる寺院。今残るものは670年の火災後に再建されたものだが、それでも世界最古の木造建築である。夢殿のある東院は聖徳太子の斑鳩宮跡に死後建てられた。木造建築として構造、配置の両観点から傑作であること、仏教伝来直後の仏教建築物で、日本の宗教建築に深い影響を及ぼしたこと、日本独特の寺院建築の様式を確立した代表的な例であること等が評価され、1993年に、姫路城とともに日本初の世界遺産として登録されている。法隆寺の建造物47棟のほか、法起寺の三重塔が対象である。

 
法隆寺地域
 法隆寺
 法隆寺には、国宝の建造物が19棟、重要文化財は子院も含めて34棟もある。最初の訪問は1991年。秋の観光シーズンだったので人が多く、古の雰囲気に浸るというわけにはいかなかった。
1991.11 中門(国宝)と五重塔(国宝) 1991.11 夢殿(国宝)
 2度目の訪問は2014年なので、23年ぶり。西院伽藍の入口となる南大門は、西大門を室町時代に移築したと言われる。南大門から入ると正面に中門、五重塔が見え、左手には西園院客殿や大湯屋などが集まっている。
2014.12 南大門(国宝)
2014.12 唐門(重文)と西園院客殿(重文)、
西南隅子院築垣東面(重文)
2014.12 表門(重文)と大湯屋(重文)、
西南隅子院築垣北面(重文)
 西院伽藍は、中門、金堂、五重塔、大講堂、経蔵、鐘楼と東西の廻廊があって、8棟すべてが国宝である。711年までには完成していたと考えられるが、大講堂や鐘楼は平安時代に焼失して再建されている。
2014.12 中門(国宝)、五重塔(国宝) 2014.12 金堂(国宝)
2014.12 大講堂(国宝) 2014.12 経蔵(国宝)と西廻廊(国宝)
 西院伽藍のさらに西側にも、2棟の国宝をはじめ多くの建物がある。西円堂は鎌倉時代の八角円堂で、ここが西北側のいちばん奥になる。
2014.12 三経院及び西室(国宝) 2014.12 西円堂(国宝)
2014.12 薬師坊庫裏(重文) 2014.12 上御堂(重文)
 こちらは西院伽藍の東側にある建物群で、国宝も4棟ある。聖霊院は奈良時代に建てられた東室の一部を鎌倉時代に改造したもので、聖徳太子を祀っている。
2014.12 聖霊院(国宝)、東室(国宝) 2014.12 綱封蔵(国宝)
2014.12 食堂(国宝) 2014.12 妻室(重文)
 東大門も奈良時代のもので、国宝。ここから東院までの間には子院が並び、重文の建物がいくつか残っている。
2014.12 東大門(国宝) 2014.12 律学院本堂(重文)
 東院は、かつての斑鳩宮の跡に建てられた。中心にある夢殿は八角円堂で、奈良時代の739年頃のものと考えられている。鐘楼、伝法堂を含めた3棟が国宝である。
2014.12 東院四脚門(重文) 2014.12 東院礼堂(重文)
2014.12 東院夢殿(国宝) 2014.12 東院絵殿・舎利殿(重文)
2014.12 東院鐘楼(国宝) 2014.12 東院伝法堂(国宝)
.2014.12 北室院表門(重文)、本堂(重文)、太子殿(重文)
 法起寺
 聖徳太子が法華経を講じた岡本宮の跡地と言われ、現在も残る三重塔は706年の完成とみなされている。江戸時代の修理の際に大きく改造されたが、昭和の解体修復の際に創建時の姿に戻されている。
.2014.12 法起寺三重塔(国宝)

法隆寺地域の仏教建造物