アイスランドは、長い間無人の島で、870年頃に最初の入植があったとされる。930年に、世界初の民主議会とも言われる全国会議「アルシング」がシングヴェトリルで開催され、その後も毎年開催され続けた。デンマークに帰属する時代が長く続くが、19世紀から独立の動きが強まり、戦時中の1944年に完全独立を果たしている。

 870年頃 最初の入植者
 930年  全国会議「アルシング」が始まる
 1262年 ノルウェーの実質的な植民地となる
 1380年 デンマークに帰属する
 1874年 憲法と財政的独立が承認される
 1904年 自治を達成
 1918年 デンマークとの同君連合として独立、アイスランド王国となる
 1944年 完全独立、アイスランド共和国となる

 シングヴェトリル(世界遺産)  
 日本の周辺はプレートが沈み込む所だが、アイスランドは北米プレートとユーラシアプレートが生まれる場所。新たなプレートの誕生によって台地が東西に広がり、「ギャウ」と呼ばれる裂け目が見られる。大西洋中央海嶺が地上で見られる唯一の場所なのである。このように書くと自然遺産のようだが、シングヴェトリルは世界文化遺産。世界初の民主議会「アルシング」が開催された地であった。当時を偲ぶものは何もないので、観光客のお目当ては「ギャウ」の迫力ある崖ということになる。なお、ギャウは幾筋もあるので本当のプレートの境目が特定できるわけではないが、左の写真の左側の崖が北米プレートの末端という説明であった。 
2018.9 地球の裂け目「ギャウ」 2018.9 「アルシング」開催地跡
 ☆世界遺産「シングヴェトリル国立公園」 2004年登録
 レイキャビク  
 レイキャビクは、古くから港町であったが、都市として発展するのは18世紀頃と言われる新しい街である。ハトルグリムスキルキャ教会は、独立の翌年1945年に建設が始まったもので、レイキャビクのシンボルとなっている。
2018.9 国会議事堂 2018.9 ハトルグリムスキルキャ教会
 ヘウジーハウスは、1909年にフランス領事館として建てられたものだが、1986年に冷戦終結のきっかけとなるレーガン・ゴルバチョフ会談が行われた場所として有名になった。残念ながら内部は見られない。
2018.9 ヘウジーハウス
 ボルガルネス  
 アイスランドはオーロラベルトに位置するため、夜が長くなる秋から春にかけてオーロラが期待できる。ただし、晴れることが少ないため、カナダに比べると確率は低いと言われる。実際に曇りや雨ばかりであったが、6泊目のボルガルネスは快晴。21時半頃、空が暗くなってくると、さっそくオーロラが現れた。オーロラは刻々と姿を変え、あっという間に1時間が過ぎる。人口2000人程度の小さな町が、忘れられない所になった。
2018.9 丘の上に建つ教会
2018.9 ボルガルネス上空のオーロラ

アイスランド共和国