1914年に一畑軽便鉄道として開業し、1925年に一畑電気鉄道と改称した。戦時中の合併はなく、戦後になって経営難の出雲鉄道と島根鉄道を合併するが、どちらも10年前後で廃止された。2006年には、経営再建のため一畑電気鉄道がホールディングスとなり、鉄道部門は一畑電車に分社化されてる。
 
1995.5 デハ1形:出雲大社前駅
合併前
 一畑軽便鉄道
 軽便鉄道時代の車両は、4両のSLと15両の客車。いずれも電化によって役割を終えた。このうちコッペル製SLの4号は、七尾セメントを経て、大井川鉄道のプラザロコで保存されている。
 種類 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
SL 1-2 2 新造 1914 1935
3 1 新造 1914 1929 →七尾セメント
4 1 新造 1922 1929 →七尾セメント
PC ハブ1-13 13 新造 1914-22 1928
  ハニ1-2  2  ハブ1形 1915 1928
 一畑電気鉄道
 電化前後に導入されたのは、デハ1形、デハニ50形、クハ14形の計10両。一部は改造でデハ20形等に変わったが、全車1980年代まで50年以上現役だった。デハニ52・53の2両は、2009年にさよなら運転を行ったものの、まだ車籍を残している。また、デハ1形で最後まで残った2両は、さとがた保育園で保存されている。1930年以降は大阪電気軌道や国鉄の車両を譲り受けたが、早期に消滅している。
 
1995.5 デハニ50形 
   
2017.8 デハ6・デハ3:さとがた保育園 2022.5 デハニ52:電鉄大社駅
種類 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
EC デハ1-3、5-6 5 新造 1927.9 1998.10
デハニ51-54 4 新造 1928.4-30.1
クハ14→101
→デハ7→クハ111
1 新造 1928.4 1986.3
クハ102-103
→105-106
2 大阪電気軌道 1933.3 1960.9
デハ21-24 4 デハ1-2等 1951.10 1996.12
デハ11 1 デハニ54 1967.9 1986.3
クハ109、111 2 国鉄ホハニ等 1940.3-8 1959.5 →西武
クハ120 1 国鉄ナハ22033 1949.4 1959.3
デハ31 1 国鉄モハ1057 1953.9 1986.3
クハ131 1 国鉄モハ1047 1953.9 1958.4
EL デキ1 1 新造 1928 1936
合併後・北松江線
 1980年代までの譲受車
 合併後、北松江線は西武からの譲受車が続く。デハ80形以降は20m級の大型車で、デハ80形は切妻、デハ90形は湘南型であった。2006年までにすべて消滅し、保存車は無い。
   
1995.5 デハ80形:松江温泉駅 1995.5 クハ190形(右の車両)
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
デハ10形 11 1 西武クハ1231形 1957.8 1961.11 →西武復帰
クハ100形 101-104 4 西武クハ1231形 1958.1-59.12 1996.12
デハ60形
クハ160形
61-63
161-163
6 西武モハ221形 1960.7-61.8 1985.3
デハ70形
クハ170形
71-72
171-172
4 西武モハ301形 1964.3 1995.3
デハ80形
クハ180形
81-83
181-183
6 西武451系 1981.12-82.9 1996.12
デハ90形
クハ190形
91
191
2 西武551系 1985.3 1996.12
デハ60形 61-62 2 西武551系 1986.3 2006.10
 ED22形
 もと信濃鉄道の凸型ELで、全長9.15m。国鉄、西武を経て、1960年に近江鉄道から譲り受けた。貨物輸送の廃止により1973年に弘南鉄道へ譲渡し、今も除雪用で車籍を残している。
 
2017.6 弘南鉄道ED221(もと一畑ED221):津軽大沢駅
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
ED22形 221 1 近江ED221 1960.9 1973 →弘南鉄道
 2100系
 京王5000系を譲り受けたもので、一畑電鉄初のカルダン駆動車、冷房車である。ご縁電車「しまねっこ号」をはじめ、京王復刻塗装などさまざまなカラーがあった。1000系への置き換えが進んでいる。
1995.5 オリジナル塗装:川跡駅
2017.8 「しまねっこ号」高浜〜川跡間 2022.5 「楯縫」:川跡駅
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
デハ2100形
デハ2110形
2101、2111 8 京王5000系 1994.11
2102、2112 1995.1 2018.1
2103、2113 1995.7 
2104、2114
 3000系
 南海21000系を譲り受けたもので、これにより北松江線のカルダン駆動化、冷房化が完了した。2017年にさよなら運転を行い、消滅している。
2010.5 湖遊館新駅
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
デハ3001形
デハ3010形
3005、3015 8 南海21000系 1996.12 2015?
3006、3016 2017.2
3007、3017 2016.1
3008、3018 2015?
 5000系
 京王5000系を改造して導入した急行用クロスシート車。2100系と異なり、正面非貫通化などの大改造を受け、印象がまったく異なるものになっている。
 
2022.5 高浜〜川跡間  2022.5 川跡駅
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
デハ5001形
デハ5100形
5009、5109 4 京王5000系 1998.9
5010、5110 2025.1
 1000系
 東急1000系を譲り受けたもので、一畑電鉄初のVVVFインバータ制御車。中間車からの改造のため、東急1000系とは前面デザインが異なる。2015年2月に営業運転を開始している。
2017.8 高浜〜川跡間 2017.8 「しまねっこ号」:川跡〜武志間
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
デハ1000形
クハ1100形
1001、1101 6 東急1000系 2015.1
1002、1102
1003、1103  2015.12
 7000系
 譲受車が続いていたため、実に86年ぶりとなる新造車の導入。単行運転ができるようになっており、走行機器等はJR西日本の225系と同じである。2016年12月に営業運転を開始した。
2022.5 川跡〜高浜間
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
デハ7000形 7001 4 新造 2016.8
7002 2017.2
7003 2017.10
7004 2018.2
 8000系
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
デハ8000形 8001 1 新造 2025.3
形式別車両数
種類 形式 1925 1940 1954 1972 1981 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025
EC 戦前 12 12 10 10 9 7 6 2 2 2 2 2 2
国鉄払下 2 5 1 1 1
100形 4 4 3 3 2
60系 6 6
70系 4 4 4 4
80系 6 6 6
90系 2 2 2
60形 2 2 2 2
2100系 4 8 8 8 8 6 6
3000系 8 8 8 4
5000系 4 4 4 4 4 2
1000系 4 6 6
7000系 4 4
  8000系                           1
SL 4
EL 1
PC 13
年表

  1912.4.6  一畑軽便鉄道設立
  1914.4.29 出雲今市(現・電鉄出雲市)〜雲州平田間開業
  1915.2.4  雲州平田〜一畑間開業
  1925.7.15 一畑電気鉄道と改称
  1927.10.1 直流1500V電化
  1928.4.5  小境灘(現・一畑口)〜北松江(現・松江しんじ湖温泉)間開業
  1930.2.2  大社線:川跡〜大社神門(現・出雲大社前)間8.3km開業
  1944.12.10 小境灘〜一畑間休止(1960.4.26廃止)
  1954.5.1  出雲鉄道を合併
  1954.12.1 島根鉄道を合併
  1960.6.19 広瀬線廃止
  1964.7.19 災害により立久恵線休止(65.2.18廃止)
  1973.3.16 貨物営業廃止
  2006.4.1  鉄道事業を分社化し一畑電車に譲渡

一畑電車