市内線のルーツは、762mmの軽便鉄道として開業した道後鉄道と、1435mmで開業した松山電気軌道。どちらも伊予鉄道との合併後、1067mmに改軌されている。なお、道後鉄道の路線は1927年の路線付替えなどでほとんど残っていないが、今でも旧道後鉄道線は軌道ではなく鉄道という扱いになっている。
戦前〜終戦直後
　道後線は、電化時は鉄道であったため、最初に導入された1-6は鉄道向けの車両であった。松山電気合併後に軌道線と直通運転を行うため改造されている。一方、松山電気由来の車両は広軌であったため、改軌時に能勢電鉄へ譲渡された。
戦前 戦後 両数  前歴 登場 消滅  備考
1-6 1-2 6 新造 1911 1960
7-16 9-14 10 新造 1923 1962
17-20 19-21 4 新造 1926 1965
3-5 3 呉市80-82 1947 1956
6-7 2 大阪市電車体 1947? 1959
8 1 秋保マハ9 1947 1956
15-18､22-24 7 戦災車 1947 1965
松山1-10 − 10 新造 1911 1923
戦後
　モハ50形
　1951年に登場した、軌道線初のボギー車。62以降は、バスボディの採用やHL間接制御など仕様が大きく変わったため後期型に分類される。また、南海和歌山軌道線と呉市からの譲受車もモハ50形に編入された。譲受車はすべて消滅したが、モハ1001は呉市に里帰りして保存されている。新造車は、50年以上松山市内を走り続けている。
2017.8　前期型 2017.8　後期型
2005.5　後期型 2016.11　後期型
2017.8　もと伊予鉄道モハ1001：呉ポートピアパーク
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モハ50形 51-61 11 新造 1951.12-57.2
62-78 17 新造 1960.2-63.4
81 1 南海モ324 1971.8 1987.3
1001-1003 3 呉市1001-03 1968.1 2004.3
　モニ30形
　軌道線向けの電動貨車で、30は新造の凸型車、31は土佐電鉄から譲り受けた車両を花電車用に改造したものである。どちらも2007年に廃車となった。
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モニ30形 30 1 新造 1952 2007.3
31 1 土佐電312 1971.12 2007.3
　モハ2000形
　京都市から譲り受けたもので、1964-65年の製造。狭軌に改造され、主電動機も交換された。1982年に冷房化され、製造から50年以上たっても全車健在である。
2016.11  2016.11
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モハ2000形 2002-2006 5 京都市2002-06 1979.5-80.7
　モハ2100形
　アルナ工機製のリトルダンサータイプS。珍しい単車の超低床車である。伊予鉄道初のVVVFインバータ制御で、さまざまなラッピング車がある。
2013.9　左の車両  2016.11
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モハ2100形 2101-2110 10 新造 2002.3-07.3
　モハ5000形
　こちらもアルナ車両製の超低床車で、デザインが大きく変更された。2017年9月に営業運転を開始している。

　　2017.9.21　営業運転開始
2017.11
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モハ5000形 5001-5010 10 新造 2017.9-22.2
　坊ちゃん列車
　伊予鉄道創業時のSLをイメージした観光列車。動力は蒸気ではなくディーゼルで、1号は甲1形、14は甲5形を模している。2001年に営業運転を開始している。
2013.9　14号+ハ31
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
DL 1、14 2 新造 2001.10-02
PC ハ1、2、31 3 新造 2001.10
形式別車両数
種類 形式 1920 1940 1954 1972 1981 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
EC 旧道後 6 6 2
  旧松山 10
伊予7-16等 14 22
モハ50形 5 32 32 31 31 31 31 23 23 23 17
2000形 5 5 5 5 5 5 5 5 5
2100形 8 10 10 10
5000形 6
モニ30形 2 2 2 2 2 2 2
DL 1、14 2 2 2 2
PC 坊ちゃん列車 3 3 3  3
年表

　　1895.8.22　道後鉄道：古町〜道後〜松山(現・大街道)間開業
　　1900.5.1　　道後鉄道が伊予鉄道に合併
　　1911.8.8　　古町〜道後間を1067mmに改軌、電化
　　1911.9.1　　松山電気軌道：住吉〜本町、札の辻〜道後間開業
　　1912.2.7　　松山電気軌道：江ノ口〜道後間全通(現・城南線の一部）
　　1921.4.1　　松山電気軌道が伊予鉄道に合併
　　1923.6.30　旧松山電気軌道線を1067mmに改軌
　　1926.5.2　　道後線：道後〜一番町(現・大街道)間廃止
　　1927.4.3　　道後線：木屋町〜道後間廃止、木屋町〜一万間開業し城北線となる
　　1936.5.1　　大手町線：古町〜西堀端間1.4km開業
　　1947.3.25　花園線：松山市〜南堀端間0.4km開業
　　1962.2.1　　本町線：西堀端〜本町七丁目間1.5km全通

伊予鉄道・市内線