前身は上野鉄道という名の蒸気の軽便鉄道。1897年に開業しており、地方民鉄の中では2番目に古い事業者である。1924年に1067mmに改軌し、同時に電化している。
戦前〜終戦直後
 上信電鉄電化時に9両の木造車が登場し、戦前の電車はこの9両だけで運行が続いた。戦後間もなく鋼体化されて消滅している。一方、ドイツ・シーメンス社製の凸型機であるデキ1形は長く使用され、1994年に貨物輸送が廃止されたことで定期運用は無くなったが、2両が車籍を残している。
 
 
2010.7 手前からデキ3・デキ1:高崎車両区 2017.3 デキ1:高崎車両区
 種類 番号 両数  前歴 登場 消滅  備考
EC デハニ1-2 2 新造 1925 1958
デハ3-5 3 新造 1924 1960
サハ1-2 2 新造 1925 1956
サハニ1-2 2 新造 1924 1951
サハ10-12 3 篠山ハフ5-7 1945 1954
クハ11 1 国鉄サハ19057 1949 1957
EL デキ1-3 3 新造 1924
戦後〜1970年代
 鋼体化車  
 デハ20・デハニ30等は、戦前の木造車を鋼体化して登場したもの。一部は入換作業用などで1993年まで残っていた。 
1990.3 デハニ30(左):高崎車両区
形式 番号 両数  前歴 登場 消滅  備考
デハ10形 10-12 3 東武デハ4等 1947-48 1981.12
クハニ10形 10、12-14 4 デハ3等 1954-59 1981.12
デハ20形
クハ20形
20-23
20-22
7 デハニ1等 1951-60 1993.2
デハニ30形 30-31 2 デハニ2等 1953-58 1991.2
 ED31形  
 国鉄からの譲受車で、元は伊那電気鉄道のもの。デキ1形とともに車籍を残している。
2017.3 ED31:高崎車両区
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
ED31 6 1 国鉄ED31 1957
 200形
 上信電鉄初の鋼製新造車で、初の新性能車、初の20m車という、地方鉄道としては画期的な車両であった。50年以上にわたって活躍したが、500形・700形に置換えられて消滅している。
 
 
2010.7 高崎車両区 2017.3 高崎車両区
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
デハ200形
クハ300形
201-205
301-304
9 新造 1964.9-69.7 2021.1
 1000形
 1000形は、輸送力増強のために導入されたMc-M-Tcの3両固定編成の車両で、斬新なデザインのオリジナル車であった。3両編成の運用が少なくなったため、2001年にはTc車の運転台をM車に移設する改造を行い、2両編成となった。余ったTc車は250形に似た運転台が取り付けられ、別形式のようになっている。 
2017.3 クハ1301(改造後):南高崎駅
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
1000形 1001、1201、1301 3 新造 1976.2
1980年代以降
 100形
 旧型車を置き換えるため、西武451系7両と601系1両を譲り受けたもの。すでに200形や1000形などの新性能車が登場しているにもかかわらず、吊り掛け駆動車の導入である。150形に置き換えられて、1996年までに廃車となった。 
 
1990.3 左から100形・6000形・250形
:下仁田駅?
 2017.3 高崎車両区
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
クモハ100形
クハ100形
101-103、105 8 西武451系
・601系
1980.11-85.3 1996.12
 6000形
 1000形の2両編成バージョンであるが、上信電鉄初の新製冷房車、セミクロスシート車となり、ライトの位置が変わるなどのマイナーチェンジが行われている。1本のみの製造である。
1990.3 6000形:高崎駅 2017.3 6000形:高崎車両区
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
6000形 6001-6002 2 新造 1981.5
 250形  
 6000形と同時期に登場したが、こちらは1両でも運行できる両運車として設計された。デザインも大人しいものになっている。 
 
2017.3 南高崎駅  2021.10 高崎〜南高崎間
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
250形 251-252 2 新造 1981.5
 150形  
 100形の置き換え用として西武から譲り受けたもので、第1編成は401系、第2編成は801系、第3編成は701系と、元の車両がすべて異なっている。外観も、第1編成は切妻、第2・第3編成は湘南型である。第2・第3編成は運転台を移設して2両編成化された。塗装は頻繁に変更されている。いずれも2018年から19年にかけて運用を終え、消滅している。
2017.4 第1編成:高崎車両区 2017.4 第2編成:高崎車両区
2015.2 第3編成:上州富岡駅
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
150形 151-156 6 西武401系
・801系・701系
1992.11-96.12 2021.1
 500形  
 非冷房車の200形を置き換えるために、西武の新101系を譲り受けたもの。西武時代からMc車だったため、大きな改造はされていない。第1編成は緑帯、第2編成は赤帯で登場した。さまざまなラッピングに塗装変更されている。
 
2015.2 上州富岡駅  2017.3 南高崎駅
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
500形 501-504 4 西武新101系 2005.2-12
 7000形  
 富岡製紙場の世界遺産登録を見据えた、観光用のクロスシート車。国と自治体の補助で製造されており、上信電鉄としては32年ぶりの新造車となった。
2022.2 佐野のわたし-根小屋間
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
7000形 7001、7501 2 新造 2013.3-10
 700形  
 JR107系を譲り受けたもの。5編成10両が登場している。
 
 2021.10 高崎〜南高崎間  2021.10 高崎〜南高崎間
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
700形 701-705
751-755
10 JR107系 2019.3-20.2
形式別車両数
種類 形式 1930 1950 1963 1972 1981 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
EC 木造車 9 13
鋼体化車 3 16 16 13 3 3
200形 9 9 9 9 9 9 7 5 4 4
1000形 3 3 3 3 3 3 3 3 3
100形 2 6 6 2
6000形 2 2 2 2 2 2 2 2
250形 2 2 2 2 2 2 2 2
150形 4 6 6 6 6 2
500形 2 4 4 4
7000形 2 2
700形 10
EL デキ1形 3 3 3 3 3 3 3 2 2 2 2 2 2
ED31形 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
年表
 
  1895.12.27 上野鉄道設立
  1897.5.10  高崎〜福島間16.7km開業(762mm、蒸気)
  1897.9.10  高崎〜下仁田間33.8km全通(現在は33.7km)
  1921.9.7   上信電気鉄道と改称
  1924.10.3-12.25 1067mm改軌・電化
  1964.5.27  上信電鉄と改称
  1994.10.1  貨物営業廃止

上信電鉄