1977年に、普通列車の旧型客車を置換える目的で登場した一般客車。車体は全長20.0mの2扉で、座席はセミクロスシート。台車は12系統のTR217を改良したTR230である。本州以南向けの50系が823両、北海道向けの51系が130両製造されている。
国鉄
 レッドトレインと呼ばれ、北海道から九州まで全国で活躍。1987年には953両すべてがJRに引継がれた。しかしJR発足後は急速に廃車が進み、1996年までに筑豊地区以外の普通定期運用が消滅。2001年の筑豊線電化と2002年の快速「海峡」廃止により、すべての定期運用が無くなった。2020年現在は、「ノロッコ号」と「SL人吉」の客車のみ残っている。
1987.3 米沢駅
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
オハ50 1-335
(2028等)
335 新製 1977.11-82.11 1997.3
オハ51 1-62 62 1978.12-82.6 1994.11
オハフ50 1-488
(2045等)
488 1977.11-82.11 1997.3
オハフ51 1-68 68 1978.12-82.6 2006.10
JR北海道
 札幌運転所・岩見沢運転所
 北海道向けの50系51型が配置され、函館本線小樽〜旭川間などで運用された。1994年12月に定期運用が無くなり、その後は事業用として一部が残存していた。

  1994.12.3 函館線小樽〜旭川間の定期運用終了
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
オハ51 0番台 62 国鉄 1987.4 1994.11
オハフ51 0番台 68 2006.10
 函館運転所
 1988年3月に開業した、津軽海峡線の快速「海峡」向けに改造された車両が配置された。種車は、本州向け50系と北海道向け51型の両方があった。2002年に快速「海峡」は廃止。その後も一部の車両が車籍を残していたが、2015年に消滅している。

  1988.3.13 快速「開業」営業運転開始
  1998.3.1  「ドラえもん海底列車」運転開始
  2002.12.1 快速「海峡」廃止
1988.3 「海峡」:木古内駅
 形式 番台 両数  前歴  登場  消滅  備考
オハ50 5000番台 15 国鉄 1987.4 2015
オハフ50 5000番台 16 2015
オハ51 5000番台 4 0番台 1988.12 2003.10
オハフ51 5000番台 4 0番台 1989.11-90.1 2015
 ジョイフルトレイン
○くしろ湿原ノロッコ号
 初代ノロッコ号に代わって、1998年7月に運用を開始した、「くしろ湿原ノロッコ号」専用客車。2004年にも追加改造され、5両となった。2018年に1両は「富良野・美瑛ノロッコ号」へ転用されている。
○富良野・美瑛ノロッコ号
 富良野線のノロッコ号は、1997年の運行開始時は釧網線の初代ノロッコ号が転用されたが、1999年6月から50系を改造した専用客車となった。当初は2両編成で、2003年から3両編成となっている。2018年に1両廃車となったため、釧路湿原ノロッコ号の1両を転用している。
 
2016.7 くしろ湿原ノロッコ号
:遠矢〜釧路湿原間
2016.7 富良野・美瑛ノロッコ号:学田駅 
 名称 番号 両数  前歴  登場  消滅
釧路湿原
ノロッコ号
オハテフ510 1-2
オクハテ510 1
オハ510 1
4 オハフ51-0 1998.6-99.6
オハテフ500 510 1 オハフ50-5000 2004.6
 名称 番号 両数  前歴  登場  消滅
富良野・美瑛
ノロッコ号 
オハテフ510 51
オクハテ510 2
2 オハフ51-0
1999.5
ナハ29 003 1 ワキ100062 2003.6 2018.3
オハテフ510 2 1 釧路 2018.6   
JR東日本
 盛岡客車区
 JR発足時、国鉄から74両を引継ぎ、東北本線一ノ関〜青森間などで運用された。1996年に、東北線盛岡〜青森間の定期運用が無くなり、これによってJR東日本管内の定期運用が消滅している。

  1994.12.3 東北線一ノ関〜盛岡間の定期運用終了
  1996.3.30 東北線盛岡〜青森間の定期運用終了
 
1985.8 花巻駅?
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
オハ50 2000番台 27 国鉄 1987.4 1997.3
オハフ50 2000番台 47 1997.6
 南秋田運転所・山形運転所・福島客車区
 JR発足時、合わせて188両所属しており、奥羽本線福島〜青森間、羽越本線村上〜秋田間等で運用された。最後まで残っていたのは男鹿線で、1994年12月に定期運用が無くなっている。

  1993.3.18 羽越線新津〜酒田間の定期運用終了
  1993.7.20 羽越線酒田〜秋田間の定期運用終了
  1993.12.1 奥羽線山形〜秋田間、追分〜青森間の定期運用終了
  1994.12.3 奥羽線秋田〜追分間および男鹿線の定期運用終了
 
1990.8 板谷駅 1991.3 桑川駅
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
オハ50 2000番台 80 国鉄 1987.4 1995.12
オハフ50 2000番台 108 1995.12
 新津運転区・酒田運転区
 JR発足時は酒田運転区と新津運転区に所属していて、新津車は1989年、酒田車は1993年に上沼垂へ転属している。おもに羽越線と磐越西線で運用された。1995年11月に定期運用が無くなっている。

  1993.3.18 羽越線新津〜酒田間の定期運用終了
  1995.11.30 磐越西線の定期運用終了
1990.3 郡山駅?(右の車両)
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
オハ50 2000番台 31 国鉄 1987.4 1996.10
オハフ50 2000番台 47 1997.8
 ジョイフルトレイン
○アメリカン・トレイン
 1988年7月に登場した、イベント用列車。日米友好親善活動の一環として、1年間運転された。運行終了後も、一部の車両は1996年まで車籍が残っていた。また、2両は「ノスタルジック・ビュー・トレイン」に転用されている。

○ノスタルジック・ビュートレイン
 1990年4月に登場した、五能線の観光列車「ノスタルジック・ビュートレイン」専用客車。2編成分改造され、一般車2両を連結した4両編成が基本だった。1996年11月営業終了。 
1991.3 ノスタルジック・ビュートレイン:五所川原駅
 名称 番号 両数  前歴  登場  消滅
アメリカントレイン オニ50-2000
オニフ50-2000
10 オハ50-2000
オハフ50-2000
1988.4-6 1996.6

 名称 番号 両数  前歴  登場  消滅
ノスタルジック・ビュー・トレイン オハフ50 2501-2502
オハ50 3001-3002
4 オハフ50-2000
オニ50-2000
1990.4 1997.11
JR西日本
 向日町運転所・福知山運転所・姫路客車区
 国鉄から合わせて87両を引継ぎ、山陰線、播但線、姫新線などで運用された。1992年3月に播但線、姫新線運用が無くなり、定期運用が消滅した。1両が、京都鉄道博物館の扇形機関庫の横で休憩室として利用されている

  1988.10.1 山陰線園部〜福知山間運用終了
  1989.3   山陰線京都〜園部間および草津線運用終了
  1992.3.14 播但線、姫新線運用終了
2016.6 オハフ50-68:京都鉄道博物館
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
オハ50 0番台 39 国鉄 1987.4 1992.3
オハフ50 0番台 48 1994.3
 米子運転所・下関運転所
 国鉄から合わせて101両を引継ぎ、山陰線豊岡〜門司間にて運用。1992年6月に定期運用が無くなり、これによってJR西日本管内の50系定期運用がすべて消滅している。

  1990.3  山陰線豊岡〜鳥取、出雲市〜浜田間の定期運用終了
  1992.3.14 山陰線益田〜下関間定期運用終了
  1992.6  山陰線鳥取〜出雲市間の定期運用終了
1989.8 益田駅(左の車両)
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
オハ50 0番台 39 国鉄 1987.4 1993.5
オハフ50 0番台 62 1993.5
 広島運転所
 JR発足時は、芸備線にて運用。1990年3月に定期運用が無くなっている。

  1990.3  芸備線定期運用終了
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
オハ50 0番台 9 国鉄 1987.4 1992.3
オハフ50 0番台 19 1993.3
JR四国
 JR発足時に国鉄から111両を引継ぎ、広範囲に運用されていたが、急速に数を減らす。1992年4月に定期運用が無くなった。

  1992.4.1 高徳線を最後に定期運用終了
2022.12 オハフ50-272:小松島ステーションパーク
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
オハ50 0番台 48 国鉄 1987.4 1992.4
オハフ50 0番台 63 1992.4
 ジョイフルトレイン
○アイランドエクスプレス
 1987年3月に登場した、四国地区の団体向け欧風客車。1999年5月引退。
1989.3 アイランドエクスプレス:宇多津駅
 名称 番号 両数  前歴  登場  消滅
アイランド・エクスプレス オロフ50 1-3
オロ50 1-2
5 オハフ50-2000
オハ50-2000
1987.3 1999.7
JR九州
 門司港運転区
 JR発足時、国鉄から73両を引継ぎ、筑豊線等の普通列車で運用された。このうち19両は冷房化されて1000番台となっている。JR全体で最後の定期運用車となったが、2001年10月の筑豊線電化により役割を終え、これによって「レッドトレイン」はJR全体から消滅。50系の定期運用はJR北海道の快速「海峡」のみとなった。

  1995.4.20 日豊線小倉〜柳ヶ浦間の定期運用終了
  2001.10.6 筑豊線の定期運用終了
1990.2 飯塚駅
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
オハ50 0番台 28 国鉄 1987.4 1995.10
1000番台 6 0番台 1993.1-7 2002.3
オハフ50 0番台 45 国鉄 1987.4 1996.3
1000番台 13 0番台 1991.4-94.1 2002.3
 大分運転所
 久大線等の普通列車で運用。1994年に一度配置が無くなるが、翌年に冷房化改造車の1000番台が転入している。1999年12月に定期運用が無くなっている。

  1999.12.4 久大線の定期運用終了
 形式 番台 両数  前歴  登場  消滅  備考
オハ50 0番台 4 国鉄 1987.4 1993.3
オハフ50 0番台 13 1994.3
オハ50 1000番台 2 門司港 1995.4 2002.3
オハフ50 1000番台 3
 ジョイフルトレイン
○あそBOY→SL人吉
 1988年8月に登場した、SL「あそBOY」専用客車。2009年に再改造され、「SL人吉」専用客車となった。2020年7月の豪雨により肥薩線が不通となったため、その後は不定期で鳥栖〜熊本間などを運行している。
 
1989.3 あそBOY  2021.11 SL人吉:肥前旭駅
 名称 番号 両数  前歴  登場  消滅
あそBOY オハフ50 701-702
オハ50 701
3 オハフ50-0
オハ50-0
1988.8 2009.3
SL人吉 オハフ50 701-702
オハ50 701
3 あそBOY 2009.3
車両配置表
1980 1982 1985 1987 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
旭川 11 19 2 3 3 3 3
釧路 1 4 8 8 6 4
岩見沢 20 42 62 108 118 6 1 1
札幌 30 26 22
函館 29 23 31 41 41 36 5 4 4
青森・八戸 12 11 39
盛岡 19 61 68 74 74 22
弘前 35 35
秋田 28 85 83 179 50
山形・新庄 28 28 54 60
仙台 11 11
福島 14 45 45
酒田 25 29 35 35 33
新津・上沼垂 40 43 43 42 32
高崎              2        
品川・尾久 10 4
金沢 15
向日町・宮原 22 22 22 30 23
姫路 68 70 57 57 49
亀山 12 12 28
竜華 6
福知山 22 22 50 30 9
米子 10 52 42
出雲・浜田 6 42
岡山 19
広島 16 16 23 28 12
三次 15 15
徳山 8 7
下関 35 48 47 49 48
高松 28 116 116 18 5
松山 23 23 33
高知         15            
門司港 68 68 60 73 71 53
直方 13
鳥栖 18 13
大分 10 33 17 17 16 4
熊本 20 20 3 3 3 3 3 3 3

50系