戦時中に常総鉄道と筑波鉄道が合併して常総筑波鉄道となり、また竜崎鉄道は鹿島参宮鉄道に合併していたが、この2社が1965年に合併して関東鉄道が設立された。この段階では、常総線、筑波線、鉾田線、竜ケ崎線の4路線を営業していたが、1979年に筑波線と鉾田線が分社化され、常総線・竜ケ崎線の2路線になっている。
2023.4 竜ケ崎〜入地間
常総鉄道
 開業時は、国鉄と近江鉄道からSLを2両ずつ譲り受けた。開業から15年ほど経った1928年からはガソリンカーの導入が始まり、戦前の主力となっている。ほとんどの車両は終戦間もない頃までに消滅するが、キハ81-82は気動車化されて1970年代まで残っていた。
種類 番号 両数  前歴 登場 消滅  備考
SL 1-11,51等 11 国鉄・近江等 1913 1969
PC ロハ11-14
ハ51-59 等
20 国鉄等 1913 1964
DC キハ11-12 2 新造 1928 1937
キハ13-14 2 新造 1930 1940
キハ51-52 2 新造 1932 1970
キハ61-62 2 新造 1935 1970
キハ81-82 2 新造 1937 1974
キハ63→312 1 国鉄キハ40302 1943 1970 常総→筑波
竜崎鉄道
 竜ケ崎線の開業時は762mの軽便鉄道で、2両のSLが在籍していたとみられる。1915年の改軌後もしばらくはSL牽引で、4は1971年まで、また鉾田線から転属した5も1970年まで残っていた。この2両は、今も保存されている。また、1927年からガソリンカーが導入されたが、戦後になって鉾田線からの転入車などに置き換わっている。
2017.4 .4号:竜ケ崎市郷土資料館
種類 番号 両数  前歴 登場 消滅  備考
SL 1 1 新造 1914 1919
2-3 2 新造 1914 1952
4 1 新造 1925 1971
PC ハ1-9等 8 東武・国鉄等 1914 1963?
DC キハ10-12 3 新造 1927 1963
キハ15 1 常総キハ12 1940 1954
常総筑波鉄道・常総線
 国鉄払下げ車
 国鉄キハ41000形は、1950年に4両、1959年に3両払い下げられたうえ、1972年にも北陸鉄道で使用されていたものを譲り受けている。最終的には筑波鉄道で1985年まで、鹿島鉄道では1986年まで残り、そのうち1両がキハ41000形に復元のうえ鉄道博物館で保存されている。
2015.12 元キハ461:鉄道博物館
種類 番号 両数  前歴 登場 消滅  備考
DC キハ64→304 1 国鉄キハ40810 1951 1970 常総→筑波
キハ83 1 国鉄キハ40652 1951 1972 常総→鉾田
キハ41001-07
キハ461-62
9 国鉄キハ41000形
北陸キハ5211-12
1950 1979 常総・筑波・鉾田
キハ41021 1 国鉄キハ40320 1952 1976 常総
 キハ500形・700形・800形・900形 
 常総筑波鉄道時代の新造車。キハ700形は、当初はキハ42000形・48000形として登場し、総括制御化の際に改番された。キハ500・700・800形はクロスシート、キハ900形は国鉄キハ30形と同タイプの通勤型である。1995年までにすべて廃車となった。
キハ804
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
キハ500形 501-505 5 新造 1959.9 1991.9 筑波・常総
キハ700形 701-704 4 新造
国鉄キハ42004
1955.3-57.6 1989.2 常総
キハ800形 801-805 5 新造 1961.10 1993.9 常総・筑波
キハ900形 901-902 2 新造 1963.1 1995.3 常総
 ディーゼル機関車
 常総線では、貨物列車やラッシュ時の客車牽引のためにディーゼル機関車を保有していたが、1974年に貨物が廃止されたため、90年代以降まで残っていたのはDD502の1両のみである。今も車籍を残し、イベントなどで走行している。
2017.1 DD502:水海道車両基地
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
DB11 11 1 新造 1953.5 1972.12 常総→竜ケ崎
DD501 501 1 新造 1954.4 1987.4 常総→筑波
DD502 502 1 新造 1956.9 常総
DD901 901 1 新造 1958.8 1988.3 常総→鉾田
関東鉄道設立後・常総線
 譲受車等
 常総線では、関東鉄道となった後に、さまざまな路線の車両が転入した。筑波線や鉾田線との間で転属も多かったため、非常に複雑である。1989年にすべて消滅している。
キハ751
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
キハ610形 611-615 5 国鉄キハ07形等 1964.2-73.1 1988.9
キハ750形 751-755 5 小田急キハ5000形
南海キハ5500形
1968.12-74.3 1989.2
キハ810形 813 1 雄別キハ106 1970.12 1989.8
キハ550形 551 1 加越能キハ162 1973.3 1988.3
キハ720形 721 1 加越能キハ187 1973.3 1989.8
キクハ1形 1-4 4 小田急クハ1650形 1969 1985.1
キサハ65形 65-67 3 小田急クハ1650形 1972 1984.1
 キハ310形
 国鉄キハ16・17形の機器等を流用し、車体を新造したもの。40年以上常総線で活躍している。
2017.1 守谷駅付近 2017.1 水海道車両基地
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
キハ310形 311-318 8 新造 1976.4-79.4
 キハ0形
 常総線の雑多な旧型車等を置き換えるために登場したもの。キハ310形と同じコンセプトの車体新造車で、機器は国鉄キハ20系の流用である。こちらも常総線で現役として残っている。
2022.3 新取手〜寺原間
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
キハ0形 001-008 8 新造 1982.12-84.12
 キハ300形・350形
 輸送力増強のため、国鉄キハ30系を譲り受けたもの。一部はワンマン化改造されてキハ100形になっている。2011年に引退。筑波鉄道でも運用されたキハ301が、水海道車両基地で保存されている。また、フィリピン国鉄に譲渡されたものもある。

  1989-   冷房化
  2011.10.9 定期運用終了
  2011.10.10 さよなら乗車会
 
1998.6 関東鉄道(左の車両)   2017.1 キハ301:水海道車両基地
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
キハ300形 301-3016 16 国鉄キハ30形 1987.6-92.10 2007.3
キハ350形 351-3523 23 国鉄キハ35形 1988.7-93.8 2015.3
 キハ100形
 キハ30形をワンマン化改造したもので、4両のみ。このうち2両は僅か2年でキハ300形に復帰している。残る2両は、国鉄も含めて最後のキハ35系となったが、2013年に実質的に引退。2017年にさよならイベントが行われた。その後は、2両ともヒロサワシティで保存されている。

  2013.12.15 運用終了
  2017.1   さよならイベント
 
2017.1 水海道車両基地  2017.1 水海道車両基地
2018.5 ヒロサワシティ
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
キハ100形 101-104 4 キハ300形 1997.3 2017.1
 キハ2100-2400形
 常総線の旧型車を置き換えるために登場した、関東鉄道となって初めての新造車。新潟鉄工所製の20m級車体である。キハ2100形とキハ2300形は片運、その他は両運となっている。
2022.3 キハ2100形:西取手駅 2020.6 キハ2200形:小絹駅
2018.6 キハ2300形:水海道駅
2020.6 キハ2400形:新守谷駅 2022.3 キハ2400形旧関鉄色:寺原-西取手間
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
キハ2100形 2101-2112 12 新造 1993.12-96.2
キハ2200形 2201-2204 4 新造 1997.10-98.9
キハ2300形 2301-2310 10 新造 2000.1-02.5
キハ2400形 2401-2406 6 新造 2004.12-07.10
 キハ5000・5010・5020形
 キハ2000形各車の後継機で、エンジンや台車などが変わっている。両運で、おもにワンマン区間に使用される。5010形はそれまでと異なる黄色の帯である。

  2009.10  営業運転開始
2015.11 5000形:守谷駅
 
2020.6 5010形:小絹駅 2020.6 5020形:水海道車両基地
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
キハ5000形 5001-5004 4 新造 2009.8-13.2
キハ5010形 5011-5012 2 新造 2017.2
キハ5020形 5021-5022 2 新造 2019.2
関東鉄道設立後・竜ケ崎線
 キハ520形・530形
 戦後の竜ケ崎線は、常総線や鉾田線などからの転属車が多かったため、久しぶりの竜ケ崎線向けの形式。もとは江若鉄道から譲り受けたものであるが、常総線キハ310・0形と同様に1975〜77年に新造車体に更新して江若時代の面影は無くなった。キハ310・0形とはライトの位置が異なる。キハ532のみは同型の車体で新造されたもので、今も現役である。
 
2017.1 キハ532:佐貫駅付近  2023.3 キハ532:竜ケ崎〜入地間
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
キハ520形 521-522 2 江若キハ5121-22 1970.4 1997.3
キハ530形 531 1 江若キハ5123 1970.4 2001.4
532 1 新造 1981.12
 キハ2000形
 常総線のキハ2200形とほぼ同タイプの竜ケ崎線向け新造車。新潟鉄工所製の20m級車体である。
2017.1 キハ2000形:佐貫駅付近
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
キハ2000形 2001-02 2 新造 1997.3
形式別車両数
種類 形式 1925 1940 1964 1972 1981 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
DC 常総 8 6
筑波 3 2
鹿島参宮 4 11 11
竜崎 2
常総筑波 34 31 13 11 9
関東 10 20 14
310形 8 8 8 8 6 6 6 6 4
  520・530形 3 3 3 4 4 4 2 1 1 1
0形 8 8 8 8 8 8 8 8
300形 21 37 27 19 8
100形 2 2 2 2
  2000形 2 2 2 2 2
2100系列 8 20 28 32 32 32
5000系列 2 4 8
SL 常総 9 10 2
  筑波 5 3
鹿島参宮 2 3 3
  竜崎 4 3 1      
DL 常総筑波 6 6 1 1 1 1 1 1 1 1 1
  鹿島参宮 1 2 2  
PC 常総 20 9
  筑波 ? ?  
  常総筑波 2
鹿島参宮 6 10
竜崎 8 3
年表

 ○常総〜常総筑波
  1913.11.1 常総鉄道取手〜下館間51.3km開業
  1945.3.20 常総鉄道が筑波鉄道と合併して常総筑波鉄道となる

 ○竜崎〜鹿島参宮
  1900.8.14 竜崎鉄道佐貫〜竜ケ崎間4.5km開業(762mm蒸気)
  1915.7   1067mmに改軌
  1944.5.13 竜崎鉄道が鹿島参宮鉄道に吸収合併される

 ○合併後
  1965.6.1  鹿島参宮鉄道と常総筑波鉄道が合併して関東鉄道となる
  1974.7.16 常総線の貨物営業廃止
  1979.4.1  鉾田線を鹿島鉄道、筑波線を筑波鉄道に分社化

関東鉄道