小川・玉里などの地元有志が中心となって設立した鹿島参宮鉄道が前身。きびしい経営状況の中で、1965年に常総筑波鉄道と合併して関東鉄道の1路線となるが、赤字をカバーできなくなって1979年に再び鹿島鉄道として分離した。分離後も赤字が続き、貴重な収入源であった百里基地の燃料輸送も2001年に終了となったため、2002年からは公的支援を受けて存続していたが、親会社である関東鉄道が支援を中止したためついに廃止となった。末期の輸送密度は1千人にも満たなかった。
  1924.6.8  鹿島参宮鉄道石岡〜常陸小川間開業
  1926.8.15 常陸小川〜浜間延伸(1928.2.1玉造延伸)
  1929.5.16 石岡〜鉾田間全通
  1944.3.27 竜ヶ崎鉄道を合併
  1965.6.1  常総筑波鉄道と合併し関東鉄道鉾田線となる
  1979.4.1  関東鉄道から分離し鹿島鉄道となる
  2007.4.1  全線廃止 
   1941 1955 1960 1965 1970 1975  1980  1985 1990 1995 .2000 2005
 輸送人員(千人/日) 2.4 3.4 3.9 7.4 7.9 7.0 5.3 3.7 3.5 3.6 2.7 2.1
 輸送密度(千人/日) 1.1 1.3 1.5 2.8 2.8 2.4 1.8 1.2 1.1 1.0 0.7 0.6
 貨物輸送量(万t/年) 15.3 8.2 9.9 9.7 9.0 6.7 9.8 7.4 6.6 5.7 2.9 0.0
 営業係数              119 122 106 116 138 128
営業中
 初乗車は2005年で、この時はまだ廃止が決まってはいなかった。鉾田から鹿島臨海鉄道に乗り換えようと急いでしまったので、印象はあまり残ってない。
2005.11 鉾田駅K
 初乗車の印象があまり残っていなかったので、廃止間際にもう一度訪問した。関東の路線とは思えないのどかさで、とくに霞ヶ浦に近い桃浦駅は雰囲気満点。初乗車の時と同じキハ601が来たこともあって、満足いく写真を撮ることができた。
2007.2 桃浦駅C
2007.2 常陸小川駅B 2007.2 玉里駅A
廃線跡
 石岡-鉾田27.2km 
 廃止から6年。最後の乗車の時は桃浦までしか行かなかったので、逆に鉾田側からスタートした。坂戸、借宿前といった小駅は、線路は撤去されたもののホームや待合室が健在だった。道路から離れた所が多いので一部しか見ていないが、路盤もほとんど残っているようである。
2013.3坂戸駅跡J 2013.3 巴川〜借宿前間I
2013.3 借宿前駅跡H 2013.3 榎本〜玉造町間G
 主要駅の1つ、玉造町は整地されて何もなくなっていた。しかし霞ヶ浦の近くへ行くと再び路盤が復活する。ただ、浜駅は見つけ損ねた。
2013.3 玉造町駅跡F 2013.3 浜〜八木蒔間E
 八木蒔駅は、霞ヶ浦の近くとは思えない山奥のようなところにホームが残っていて、雰囲気がある。そして想い出の桃浦に着いた所で日が暮れたので、探訪を終了した。
2013.3 八木蒔駅跡D 2013.3 桃浦駅跡C
  
車両
 関東鉄道時代の気動車
 キハ600形は1936年に製造された、元国鉄キハ07形。流線形であったが、切妻化改造を受けて独特のスタイルになっていた。またキハ430形、キハ714形は湘南型2枚窓である。廃止後も1両ずつ保存されている。
 形式 番号 両数  前歴 製造・譲受  消滅  備考
キハ600形 601-602 2 国鉄キハ07形 1965.3-66.10 2007
キハ430形 431-432 2 加越能キハ125形 1973.3 2007
キハ710形 711-713 3 三井芦別キハ100形 1972.8 1992.12
714-715 2 夕張キハ250形 1976.1 2007
2005.11 キハ601:鉾田駅  2007.3 キハ714:石岡駅
 
2007.2 キハ432:石岡駅 2007.3 キハ431:石岡駅
 ディーゼル機関車
 DD901は、900馬力エンジン搭載の試作機として1955年に製造され、国鉄に貸し出されていたもので、当初は常総線で使用され1974年に鉾田線(のちの鹿島鉄道線)に転属した。1988年の廃車後も路線廃止まで常陸小川駅で保存されていたが、解体されてしまった。また、DD902は国鉄DD13形と同型である。
 形式 番号 両数  前歴 製造・譲受  消滅  備考
DD901形 901 1 新造 1958.8 1988.3 常総線〜1974
DD902形 902 1 新造 1968.7 2007
DD13形 171・367 2 国鉄DD13形 1986.1-88.1 2003.4
2007.2 DD901:常陸小川駅
 KR500形
 KR00形は、鹿島鉄道分離後に導入された唯一の気動車。新潟鉄工所製の16m級セミクロスシートで、路線廃止時まで主力として使用されていた。鹿島鉄道記念館と鉾田駅跡で1両ずつが保存されている。
 形式 番号 両数  前歴 製造・譲受  消滅  備考
KR500形 501-505 4 新造 1989.6-92.12 2007
 
2007.2 KR500形:常陸小川駅 

鹿島鉄道