南アルプスは、一般的には赤石山脈と呼ばれ、富士川と天竜川に挟まれた山脈。地形的には糸魚川・静岡構造線と中央構造線に挟まれており、約180万年前から急激に隆起して誕生したと考えられている。南アルプスの北部には、日本第2位の高峰北岳や、花の多い仙丈、鳳凰、形のいい甲斐駒など、気になる山が集まっている。

白峰三山
 北岳(3192、百名山)
 南アルプスの最高峰で、全国でも富士山に次いで高い。南アルプスの主要な山の中では北の方にあるので、見る機会は比較的多い山である。金峰山から見た南アルプスも、左に農鳥岳、間ノ岳、北岳、右には少し離れて仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳と連なっている。
2003.10 金峰山より
2005.11 蓼科山より
右の大きな山が仙丈ヶ岳、左の2つが北岳と甲斐駒ヶ岳、その間にうっすらと塩見岳が見える
1995.8 木曽駒ヶ岳より
左端に仙丈ヶ岳、中央左から北岳、間ノ岳、農鳥岳、右端に塩見岳
 憧れの南アルプス初訪問は北岳であった。1日目は肩の小屋まで登る予定だったが、思ったより時間がかかったので白根御池小屋に宿泊した。翌朝から本格的に登り始めると、道の両側はミヤマハナシノブやシナノキンバイ、ハクサンイチゲなど御花畑の連続である。小太郎尾根からは富士山、八ヶ岳などの眺めも素晴らしく、最高の山行きの1つになっている。

<大樺沢11:10-13:30二股14:00-14:30白根御池小屋>
<白根御池小屋6:05-8:20小太郎尾根-8:45肩の小屋-9:35山頂10:05-13:15二股13:45-16:10大樺沢> 標高差1680m
2002.7 大樺沢二股より  2002.7 北岳肩ノ小屋より
 中央に北岳、すぐ手前に間ノ岳、さらに右手前が農鳥岳、いちばん手前は塩見岳。一番左に仙丈ヶ岳、その右上に甲斐駒ヶ岳、その奥に八ヶ岳も見える。
 飛行機からの写真を撮るのは反則のような気もするが、晴れているとやはり断然素晴らしい。この頃から、飛行機に乗るときは仕事でも絶対にカメラを持っていくようになった。 
2003.4 飛行機より
 中央の縦に連なる山並みが奥から北岳・間ノ岳・農鳥岳の白峰三山。北岳の左が仙丈で、右には鳳凰が少し見えている。上の写真とほぼ同じエリアだが、角度が違うと雰囲気も違う。 
2008.3 飛行機より
 季節は違うが、上とほぼ同じ範囲、同じ角度の写真。高山だけに雪が積もっていると、名山が浮き上がって見えるのでわかりやすい。 
2012.10 飛行機より
 これは北東側からの眺めで、右端に甲斐駒、中央に北岳と間ノ岳、その左は塩見と少しはなれて荒川だろう。雪山がちょうど朝陽を浴びて輝いている。 
2008.11 飛行機より
 間ノ岳(3189、百名山)、農鳥岳(3026)
 北岳、間ノ岳、農鳥岳を総称して白峰三山と呼ばれる。北岳から間近に見えることを期待したが、間ノ岳方向は雲に隠れていた。縦走をすると、北岳から間ノ岳まで2時間、そこから農鳥岳までさらに2時間程度である。
2004.3 身延山より
中央が間ノ岳と農鳥岳、右に少し隠れているのが北岳
2002.7 北岳より
左の雲に隠れているのが間ノ岳
南アルプス北部
 甲斐駒ヶ岳(2967、百名山)  
 甲斐駒ヶ岳は、北岳から谷をはさんだ北にあり、三角形の姿は遠くからでもわかる。形の良さは南アルプス一かもしれない。北沢峠から4時間程度で登ることができる。
 左の写真の、右が甲斐駒ヶ岳、その右手前はアサヨ峰になる。左端は鋸岳である。
 
2002.7 北岳より 
2007.4 武川村実相寺
 仙丈ヶ岳(3033、百名山)
 甲斐駒ヶ岳が北沢峠の北東にあるのに対し、仙丈ヶ岳は南西側。距離は同じくらいで、4時間程度で登ることができる。甲斐駒とは対照的に、どっしりと重々しい姿で、高山植物が多いことでも知られている。
2004.6 北岳より
 鋸岳(2685、二百名山)
 鋸岳は、甲斐駒ヶ岳の北西にあり、南アルプスの主要な山の中では最北。その名の通り険しい岩の山で、一般的な登山ルートは無い。写真の中央は甲斐駒ヶ岳、その右が鋸山。入笠山からは、釜無山が邪魔になって南アルプスがあまり見えないが、甲斐駒と鋸だけ何とか見えた。
2004.6 入笠山より
 アサヨ峰(2799) 
 甲斐駒ヶ岳から鳳凰三山へと続く尾根にある山。手前は右が甲斐駒で中央にアサヨ峰。奥は仙丈が見えている。
2007.11 飛行機より
 入笠山(1955)
 赤石山脈北端の山。標高は低いが、山頂付近には入笠、大阿原の2つの湿原が広がり、ハイキングにはちょうどいい。スズランの群落を始め花も多く楽しめた。
2004.6 入笠湿原
鳳凰三山
 観音岳(2840、百名山)
 鳳凰三山は、地蔵岳、観音岳、薬師岳の総称。谷をはさんで北岳の北東に位置する。北岳に登っていると、この山がずっと正面に見えていた。一般的な登山ルートは青木鉱泉から、6時間程度の行程である。
2002.7 北岳より 左から地蔵岳、観音岳、薬師岳

南アルプス-北部