御坊の国鉄駅と市街地を結ぶ目的で開業した、全長わずか2.7kmのミニ鉄道。1973年に不動産会社が買収して紀州鉄道となっている。全国で2番目に輸送密度が低く、不動産事業が主力という異色の鉄道会社である。
 
2023.10 御坊〜学門間
戦前〜終戦直後
 御坊臨海鉄道開業時の車両は、2軸ガソリンカーのキハ1-2とガソリン機関車のガキ1。戦後は、国鉄払下げ車が主力となった。キハ40801は、1976年頃に休車となったものの、1981年まで車籍が残っていた。
種類 形式 両数  前歴 登場 消滅 備考 
EC キハ1-2→101-102 2 新造 1929 1949?
キハ103 1 国鉄キハ40304 1942 1970
キハ40801 1 国鉄キハ40801 1947 1981
キハ308 1 国鉄キハ41055 1951 1979
SL B31-177 1 日本製鉄八幡 1947 1951
B2012 1 国鉄B2012 1948 1954
DL ガキ1 1 新造 1929 1949?
DB158 1 B31-177 1951 1973
DB2012 1 B2012 1954 1975
戦後
 1960〜80年代の譲受車
 大分交通耶馬溪線の廃止後に譲り受けたキハ603-604は、キテツ1形の登場まで紀州鉄道の主力として活躍した。2009年に定期運行を終了し、キハ603が紀伊御坊駅の横で店舗として使用されている。一方、キハ605は一度も営業運転をすることなく留置されていたが、2000年に廃車となっている。
 
2005.2 西御坊駅
2005.2 キハ603:紀伊御坊駅 2018.2 キハ603:紀伊御坊駅付近
 種類 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
DC キハ16 1 江若キハ16 1969 1984.7
キハ603-604 2 大分キハ603-604 1975.1 2012.6
キハ605 1 岡山臨港キハ1003 1985.4 2000.1
DL DC251 1 江若DC251 1969 1984.7
DC252 1 東亜燃料工業1 1973 1984.7
 キテツ1形
 北条鉄道で余剰となったフラワ1形を譲り受けたもの。1985年に製造された富士重工業のLE-Carで、日本最後の営業用2軸レールバスとなった。老朽化のため、2017年5月にさよなら運転をおこなって引退している。1が有田川鉄道公園で保存、2は車籍を残したまま紀伊御坊駅に留置されている。
   
2018.2 キテツ1:有田川鉄道公園 2018.2 キテツ2:紀伊御坊駅 
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
キテツ1形 1-2 2 北条フラワ1985形 2000.1・09.4
 KR200・300形
 どちらも、キテツ1形を置き換えるため、信楽高原鉄道から譲り受けたもの。当初は信楽高原鉄道時代の塗装のまま運行されていたが、KR301は緑とクリーム、KR205は赤とクリームに変更されている。
 
2016.3 KR301:御坊駅 
 
2018.2 KR205:紀伊御坊駅 2022.1 KR205・新塗装:御坊駅
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
KR200形 205 1 信楽高原SKR-205 2017.4
KR300形 301 1 信楽高原SKR-301 2016.1
形式別車両数
種類 形式 1940 1954 1964 1972 1981 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
DC キハ1-2 2
国鉄払下げ 3 3 2 1
キハ16 1 1
キハ603等 2 3 3 3 2 2 1
キテツ1形 1 1 2 2 1
KR形 2
KR200形
SL 1
DL 1 1 2 3 2
年表

  1928.12.13 御坊臨港鉄道設立
  1931.6.15  御坊〜御坊町(現・紀伊御坊)間1.7km開業
  1934.8.10  御坊〜日高川間3.3km全通
  1984.2.1  貨物営業廃止
  1989.4.1  西御坊〜日高川間0.7km廃止

紀州鉄道