東京〜大阪間の特急「こだま」向けに開発された、国鉄初の特急型電車。車体は鋼製のボンネット型で、先頭車が21m級、中間車は20m級。座席は2等車がリクライニングシート、3等車は回転クロスシート。台車は、101系のDT21をベースに国鉄初の空気ばねを採用したDT23とTR58。主電動機は101系と同じMT46A(1時間定格出力100kW)。駆動は中空軸平行カルダン、制御は電動カム軸式、制動は電磁直通(発電併用)である。1958年の登場時は20系を名乗り、翌年に151系となった。なお、151系の営業最高運転速度は110km/hであるが、1959年7月の高速度試験で、狭軌の世界最速となる163km/hを記録している。
 161系は、勾配区間向けの抑速ブレーキを装備したもの。また181系は、115系で開発された主電動機MT54(1時間定格出力120kW)を採用したものである。151・161系も、すべて主電動機をMT54に変更して181系に統合された。台車も、DT23とTR58は不具合が多かったことから、強化したDT23ZとTR58Zに変更されている。181系の営業最高速度は120km/hに向上している。
 
151・161系
 1958年に、ビジネス特急「こだま」として営業運転開始。1960年には客車特急「つばめ」「はと」が電車化され、個室を備えたパーラーカー、グリーン車4両、食堂車2両を含む超豪華編成も登場した。また、1962年には161系が特急「とき」として登場している。
 クハ26-001は、181系に改造されてクハ181-1となっていた車両で、2016年に登場時のクハ26に復元された。川崎重工兵庫工場で、公道から見える場所に展示されている。1度目の訪問時は修復中、2度目は暗くなってしまい、3度目でようやく写真を撮れた。また、保存車ではないが、京都鉄道博物館にクハ151のモックアップがある。
 
  1958.11.1 特急「こだま」にて営業運転開始
  1960.6   特急「つばめ」運用開始
  1962.6.10 161系の特急「とき」運転開始
  1964.10.1 東海道新幹線開業に伴い、151系を山陽特急と上越特急に転用
 
2020.8 クハ26-001:川崎重工兵庫工場  2016.6 クハ151:京都鉄道博物館
形式 M
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 Tc
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T
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 前歴  登場  消滅
151系 13 26 13 13 13 12 12 7 6 12 24 新製 1958.9-62.4 1965.8
161系 3 3 2 2 3 2 1962.4-5 1965.6
181系
 181系としての新製車は100番台を名乗り、特急「あずさ」「あさま」と「とき」増発用に投入されている。1982年11月の上越新幹線開業により定期運用が終了、1986年までに全車廃車となり、JRに引き継がれることはなかった。ボンネットスタイルで国鉄特急のイメージをつくった車両であるが、保存車は151系に復元されたものを含めても2両のみである。
 クハ181-45は、161系として発注され、落成時に181系に改番されたもの。新潟車両センターで保管され、現在は鉄道博物館で展示されている。「とき」時代と同じように、ボンネットに赤いラインが入っている。
  
 
2015.12 クハ181-45:鉄道博物館
 番台 M
180
M
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Ms
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Ms
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Mb
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 Tc
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 Tc
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Tsc
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Ts
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Ts
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Td
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T
180
T
181
 前歴  登場  消滅
0番台 13 26 13 13 10 12 10 2 4 12 23 3 151系 1964.11
-65.8
1986.3
40番台 2 1 新製 1965.1 1986.3
3 3 2 2 3 2 161系 1965.5
-65.6
100番台 15 14 3 3 5 9 1 3 新製 1966.6
-69.7
1986.3
1050番台 3 485系 1978.7 1986.3
1100番台 6 新製 1978.6 1982.12
車両配置表

1960 1964 1966 1968 1970 1972 1975 1978 1980 1982 1985
新潟 94 107 128 99 64 62 9
田町 42 166 48 103
長野 41 52 86 1
向日町 120 110 86 60
151・161・181系