小松線(小松-鵜川遊泉寺5.9km)  
 もとは遊泉寺銅山の専用鉄道で、地方鉄道をへて北陸鉄道の1路線となっている。延伸の工事が進められたこともあったが、結局開業しなかった。

  1927.5.15  白山電気鉄道小松〜鵜川遊泉寺間開業
  1937.11.14 小松電気鉄道と改称
  1945.7.20  合併により北陸鉄道小松線となる
  1986.6.1   全線廃止

 廃線跡のほとんどは、立派な2車線道路に変わっていて鉄道の面影はない。終点鵜川遊泉寺の手前だけは、ガーター橋や築堤が残されていた。
   1941 1949 1955   1980 1985
 輸送人員(千人/日) 1.6 3.5 3.0   2.2 1.5
 輸送密度(千人/日) 1.1 2.6 2.2   1.5 1.0
 貨物輸送量(万t/年) 0.1  
2010.8 沖駅付近@ 2010.8 軽海〜鵜川遊泉寺間A
築堤が続いている
2010.8 軽海〜鵜川遊泉寺間A 2010.8 鵜川遊泉寺駅跡B
 
 能美線(鶴来-新寺井16.7km)  
 北陸本線のルートから外れた、寺井などの町を結んでいた路線で、開業時から電気鉄道だった。1968年に貨物営業廃止、1970年には朝夕のみの運行となったが、その状況で10年間も営業を続けていた。

  1925.3.21  能美電気鉄道本寺井〜辰口間開業(25.6.5辰口〜新鶴来延伸)
  1925.8.13  新寺井〜本寺井間延伸
  1932.1.16  新鶴来〜鶴来間延伸し全通
  1939.8.1   金沢電気軌道に買収される
  1943.10.13  合併により北陸鉄道小松線となる
  1980.9.14  全線廃止
 
 辰口温泉駅跡のあたりは、能美市立博物館が建てられ、かつての車両が保存されている。廃線跡はヘルスロードとして整備されており、一直線の並木が美しい。
   
2016.10 辰口温泉駅跡付近@ 2016.10 辰口温泉〜来丸間A
 灯台笹駅跡は、小さな公園になっている。ヘルスロードはまだ続いており、廃線後を辿りやすい。
   
2016.10 灯台笹駅跡B 2016.10 灯台笹〜岩本間C
 手取川を渡る橋梁は跡形も無くなっているが、川の先には小さな用水を渡る橋が残っていた。ここから鶴来までは概ね路盤が残っているようだが、なかなか近づけるところが無かった。
  
2016.10 岩本〜本鶴来間D
 
 金名線(加賀一ノ宮-白山下16.8km)  
 石川県に網の目のように存在した北陸鉄道の路線の中でも、比較的最近まで残っていた路線。もとは金名鉄道として開業したが、名は名古屋をさすというからローカル私鉄とは思えない壮大な名前である。1983年に水害で不通となり、一度は復旧したもののすぐに再び休止に追い込まれた。

  1926.2.1  金名鉄道加賀広瀬〜白山下間開業
  1927.6.12 神社前(のちの加賀一の宮)〜加賀広瀬間延伸
  1943.10.13 合併により北陸鉄道金名線となる
  1984.12.22 加賀一の宮〜白山下間運休(87.4.29廃止)

 下の廃線跡は手取峡谷の遊歩道のすぐ脇にあったもので、廃線跡めぐりが目的で無くてもすぐ見つけられた。   
2008.11 下吉谷-西佐良間

北陸鉄道小松線・能美線