モンテネグロは、2006年に独立したばかりの新しい国である。中世以降、オスマン・トルコなどの影響を受けながらも、バルカン半島では数少ない半独立国として存在していたようだが、情報が少なくはっきりしたことはわからない。1878年に完全な独立を果たすが、40年程でハプスブルグ帝国に占領されてしまった。

 10世紀頃 ドゥクリャ公国成立
 12世紀頃 セルビアに占領される
 1360年 モンテネグロの独立公国成立
 1516年 ツェティニェ家による神政政治始まる
 1852年 モンテネグロ公国に移行
 1878年 サン・ステファノ条約、独立が認められる
 1916年 ハプスブルグ帝国に占領される       
 1918年 ハプスブルグ帝国滅亡、セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国樹立

 ハプスブルグ帝国解体後は南スラブ人の国家に組み込まれ、第2次大戦後のユーゴスラビアでは6つの共和国の1つとなった。1991年のユーゴスラビア崩壊後も新ユーゴにとどまっていたが、少しずつ独立の機運が高まり、2003年にセルビア・モンテネグロという国家連合に移行、そして2006年の国民投票で正式に独立することとなった。

モンテネグロ
 コトル(世界遺産)  
 コトルは、正面はアドリア海に続くコトル湾、背後は断崖という天然の要害である。その特殊性からモンテネグロ本国とは異なる歴史を歩んでおり、1391年から1420年は独立した都市国家、その後は1797年までヴェネツィアの統治下で発展した街である。
 ドヴロヴニクから50分ほどでモンテネグロ国境。手続きもすぐ終わる。間もなくコトルに到着するかと思ったら、入り組んだコトル湾の海岸線を忠実になぞっていくため、直線距離の何倍も走らなければならず、1時間以上かかった。コトルでまず目に付くのは背後の山に続く城壁で、万里の長城かと思ってしまう。
2010.5 コトルの城壁 2010.5 西門
 旧市街自体は歩いて10分ほどの大きさしかないが、数多くの教会をはじめ見所は多い。いちばんは1166年に創建された聖トリフォン教会で、地震により鐘楼の一部が崩落したままになっている。1199年に建てられた聖ルカ教会も歴史を感じさせる外観である。
2010.5 聖トリフォン教会 2010.5 聖ルカ教会
 最後に40分の自由時間があったので、背後の山に向かった。山頂にある聖イヴァン要塞は時間が足りず行かれなかったが、少し登っただけでも三角形の旧市街が一望できて満足した。
2010.5 コトル旧市街

モンテネグロ公国