琴平参宮電鉄・琴平急行電鉄

 琴平参宮電鉄(坂出-琴参琴平20.6km、
           多度津桟橋通-善通寺赤門前6.0km)
 当初は讃岐電気鉄道の名で会社が設立されたが、開業前に琴平参宮電鉄と改称した。600Vの電化で単車が走る路面電車のような鉄道である。戦後も利用者は少なくなかったが、比較的早い時期に廃止され、琴参バスというバス事業者に転換されている。

  1922.10.22 琴平参宮電鉄堀端(のちの丸亀通町)〜善通寺前間開業
  1923.8.4   善通寺車庫前〜琴平間延伸
  1924.10.9  多度津西口〜善通寺門前間開業(25.2.26多度津桟橋通延伸)
  1928.1.22  富士見町〜丸亀通町間開業(28.3.20坂出駅前延伸)
  1963.9.16  全線廃止 
   1941 1949 1955 1960 1962
 輸送人員(千人/日) 5.6 13.1 13.0 13.3 13.6
 輸送密度(千人/日) 2.3 3.3 2.9 3.0 3.0
 営業係数 94 136 98 116 134
 坂出駅付近はJRの高架化で廃線跡が消えた。宇多津付近では廃線跡が細い道になっていて、大束川橋梁がかつての廃線跡になる。丸亀から善通寺にかけては、併用軌道の区間が多かったので、そのまま道路になって鉄道の痕跡はあまり残っていない。
2010.8 新浜〜宇多津新町間@
大束川橋梁
2010.8 善通寺赤門前駅跡A
 善通寺の南側は、土讃線と並行した細い道が廃線跡になる。この路線最大の遺構は、琴平の手前にある岩崎隧道で、重厚な雰囲気がなかなよい。
2010.8 風折〜大麻間B 2010.8 大麻〜大麻神社前間C
岩崎隧道
 多度津線はほとんどの区間が立派な道路になっていて、鉄道の痕跡は見つからない。桜山隧道も拡幅されているようである。
2010.8 多度津桟橋通〜多度津鶴橋間D
桜山隧道
 
 琴平急行電鉄(坂出〜琴急琴平15.7km)
 好調だった金比羅詣での需要を見込んで、坂出からの最短ルートとして建設された路線。しかしさすがに琴平まで4つの会社が競合すると収益が厳しく、戦時中に不要不急の路線として線路が撤去されてしまった。

  1930.4.7 坂出〜琴急琴平間開業
  1944.1  全線休止(1954廃止)

 この廃線跡めぐりは大苦戦で、川津駅や川西駅など所々に残っているはずの鉄道の痕跡を探すが、どこに鉄道があったかもわからない沿線風景で敗北が続く。「飯野駅跡」という看板を見つけたのが唯一の戦果である。
2010.8 飯野駅跡E 2010.8 高篠〜琴急琴平間F
線路は高琴電鉄。左の緑の部分が廃線跡