ED70・71・72・73形

ED70形
 北陸本線田村〜敦賀間電化のために登場した、初の量産交流電気機関車。試作機のED45形とほぼ同じ仕様であった。車体は全長14,260mmで、軸配置はBo-Bo。台車はDT104。主電動機はMT100(1時間定格出力375kW)が4基。駆動はクイル式、制御は低圧タップ、制動はEL14系である。なお、19号機のみは東北本線向けの試作車という位置づけで、仕様が異なっている。
 基本的には北陸本線のみで使用された。
○ED70-1
 ゆかりの地である長浜鉄道スクエアで、トップナンバーが保存されている。
 
2017.3 ED70-1:長浜鉄道スクエア
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
ED70 1-19 19 新製 1957.7-59.2 1975.4
ED71形
 東北本線黒磯以北の電化のために開発されたもので、ED70形に比べて出力をアップしている。車体は全長14,400mmで、軸配置はBo-Bo。前面は重連を考慮して貫通型となった。台車はDT107と114。主電動機は新たに開発したMT101(1時間定格出力510kW)が4基。駆動はクイル式、制御は位相、制動はEL14系である。なお、クイル式はトラブルが多かったため、45号機以降は半吊り掛け式となり、クイル式のものはリンク式に改造された。
 寝台特急の牽引にも使用。2両が保存されているが、1両は新幹線総合車両センターにあって公開されていない。
○ED71-37
 1984年に廃車となったもので、船岡駅前で保存されている。かなり傷んでいるように見える。
 
2015.12 ED71-37:船岡駅前
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
ED71 1-55 55 新製 1959.3-63.12 1984.3
ED72・ED73形
 九州地区の電化にあわせて開発されたもの。SGを搭載したED72形と、SGを省略したED73形の2種類が登場した。車体は、ED72形が全長17,400mm、ED73形が14,400mm。非貫通の「く」の字型という独特の前面デザインとなっている。軸配置はED72形がBo-2-Bo、ED73形がBo-Bo。台車はDT119A・BとTR100。主電動機はMT52(1時間定格出力275kW)が4基。駆動は吊り掛け式、制御は高圧タップ、制動はEL14系である。なお、ED72形の試作車は、一部仕様が異なる。
 ED72形はおもに幹線の旅客列車、ED73形は貨物列車とブルートレインに使用された。ED76形に置き換えられて、どちらも1982年に消滅している。ED72形が1両のみ保存されており、ED73形の保存車は無い。
○ED72-1
 1976年の廃車後、北九州市の老松公園で保存されていたもので、2003年に九州鉄道記念館に移設して展示されている。
 
2016.8 ED72-1:九州鉄道記念館
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
ED72 1-22 22 新製 1961.8-62.9 1982.6
ED73 1-22
(1001-22)
22 1962.11-63.7 1982.9
車両配置表
ED70形
1959 1964 1968 1972 1975
敦賀 19 21 19 19 8
ED71形
1964 1968 1972 1975 1977 1980 1982
福島 55 54 54 54 52 36 16
ED72形
1964 1968 1972 1975 1977 1980 1982
門司  22 22 22 22 20 10 2
ED73形
1964 1968 1972 1975 1977 1980 1982
門司 22 22 22 22 22 22 7