港町の片貝と、鉄道が通じた東金とを結ぶため、地元有志が建設した軽便鉄道。戦後も少ないながら一定の需要はあったが、施設の老朽化に対して改善命令が出されても更新する余裕は無く、1961年に廃止された。最後まで762mmのナローゲージで、おかしな格好をした車両がのんびり走っている写真を見て気になる路線の1つになっていた。

  1926.11.25 九十九里軌道東金〜上総片貝間開業
  1931.12.26 地方鉄道に変更(32.3.24九十九里鉄道と改称)
  1961.3.1   全線廃止 
   1941 1949 1955 1960
 輸送人員(千人/日) 1.7 2.4 2.1 2.0
 輸送密度(人/日) 1.2 1.9 1.5 1.5
 貨物輸送量(万t/年) 0.4 0.1 0.1
 営業係数 60 107 89 不明
廃線跡
 九十九里鉄道(東金-上総片貝8.6km) 
 終点の上総片貝駅はバスターミナルとして残っており、そこまでの路線跡も1/3ほどはサイクリングロードとなっているので楽しく歩ける。しかし東金市域に入ると一般道になったり砂利道になったりで分かりにくくなり、家徳-堀上間の川を越えると全く分からなくなった。車両はもちろん駅舎やホームなどが1つも無いのも残念なところである。   
2007.2 上総片貝駅跡@ 2007.2 西駅付近A
 
2007.2 荒生駅付近B 2007.2 家徳-堀上間C 
  
車両
 開業時に導入されたのは、4両の単端式ガソリンカー。このうち3両は、廃線まで活躍しており、凸凹の編成は特異なものだった。なお、下表のほかに、終戦直後の燃料事情が悪かった時期にSLを2両導入したが、使用したのは2〜3年だけであった。   
種類 番号 両数 特徴  登場 消滅 備考
GC キハ101-104 4 6588mm木造単車 1926 1961
キハ201 1 5986mm半鋼単車 1930 1961
ケハ301 1 6612mm半鋼単車 1945 1961 もと岩井町営
PC ハニフ105-106 2 6540mm木造単車 1927 1961
ケハ107 1 6351mm木造ボギー車 1939 1961 もと増東軌道
  ハフ108 1 5870mm木造単車 1939 1950 もと増東軌道
ケハ111 1 8674mm木造ボギー車 1947 1961 もと国鉄
  
キハ104・ケハ107・キハ201

九十九里鉄道