秩父山地は、東京、埼玉、山梨、長野4都県の県境に位置している。主要な山は、すべて火山では無い。関東山地という呼び方をする時は、丹沢山地も含めるようである。秩父山地の主稜線は、それほど広いエリアではないが、雲取山は登山口が東京都にあるのに対し甲武信岳、金峰山などは長野、山梨から登ることになるため、実際以上に山同士が離れているように感じる。

秩父山地主稜線
 雲取山(2017、百名山)
 東京都の最高峰で、秩父山地主稜線の東端にあたる。下は飛行機からの眺めで、山頂は左側。右にU字形の尾根が続いており、右下は奥多摩湖である。
2012.10 飛行機より
 2000年に登頂。鴨沢から稜線に出るまで一直線の急な登りが続き、予想よりハードであった。それもそのはずで、これまでの日帰り登山の標高差は利尻岳に次いで2位。しかも、山頂に着いた頃には雲が増え、今にも雷雨になりそうな雰囲気だったため、ゆっくりする間もなく下り始めた。東京都の山とは言っても、登山口までの時間がかかるので、日帰りは忙しかった。

<鴨沢10:00-12:30ブナ坂-13:10山頂13:30-16:30鴨沢> 標高差1480m
2000.8 七ツ石山下部より 2000.8 雲取山山頂
 2007.11 都庁より
左端が大岳山で、その右奥にあるのが雲取山
 甲武信ヶ岳(2475、百名山) 
 秩父山地の中でも特に高いわけではないが、その名のとおり埼玉、山梨、長野の3県の境に位置する。信濃川の源流の山でもある。登山ルートは多く、毛木平からは4時間ほど。縦走路は雲取山や金峰山とつながっている。
1997.11 西沢渓谷より 2003.10 金峰山より
3つ並んだ山の中央が甲武信、左は三宝山
 北奥千丈岳(2601)、国師ヶ岳(2592)
 右奥が国師ヶ岳と北奥千丈岳になる。左奥は甲武信ヶ岳。このあたりは標高の高さと知名度が一致せず、北奥千丈岳は秩父山地の最高峰にもかかわらず二百名山にも選ばれていない。国師も標高のわりには地味である。 
2003.10 金峰山より
 金峰山(2599、百名山) 
 大弛峠をはさんで、国師ヶ岳の西にある山。秩父山地の最高峰、北奥千丈岳と標高が2mしか違わない。昇仙峡から見えるが、昇仙峡側に登山ルートは無い。
2004.6 入笠山より  中央左が金峰山、その左は甲武信ヶ岳、右端は茅ヶ岳 2002.11 昇仙峡パノラマ台より
右奥が金峰山。中央付近は瑞牆
 晴天の予報だったので、景色を期待してレンタカー利用、大弛峠からの最短コースを選んだ。始めから稜線歩きになるので、すぐ南アルプスがくっきり姿を現し、富士山もよく見えて作戦は大成功である。山頂からの八ヶ岳は少し雲に隠れていたが、360度の大展望は気持ちよかった。山頂のすぐそばには遠くからも見える金峰山頂のシンボル五丈岩があり、人の背丈ほどの大岩が重なるため最初は登り方がわからなかったが、様子を見てからの2回目のチャレンジで岩の上に立つことができた。

<大弛峠10:35-12:00山頂13:55-15:30大弛峠> 標高差240m
2003.10 大弛峠への道より
中央が金峰山、右は朝日岳。
2003.10 五丈岩
2003.10 金峰山山頂より
左から農鳥岳、間ノ岳、北岳、右には少し離れて仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳
 瑞牆山(2230、百名山)
 秩父山地の主要な山の中では、最も西にある。標高は低いが、岩登りで有名な山で、金峰山から岩だらけの姿がよくわかった。登山は、最短ルートであれば3時間弱。紅葉がいちばん良さそうなので、秋に登ろうと狙っているところである。
2003.10 金峰山より
主稜線の南側
 茅ヶ岳(1704、二百名山)  
 秩父山地では数少ない火山。中央線の車窓から見える形のいい山である。日本百名山を執筆した深田さんは、この山で亡くなっている。
 
2005.10 韮山付近より 2002.11 昇仙峡パノラマ台より
左端が茅ヶ岳
 乾徳山(2031、二百名山)
 金峰山から帰る途中、岩だらけの山を見つけた。その時は名前はわからなかったが、やはり目立つ山だけあって二百名山であった。
2005.10 大弛峠への道より
 大菩薩岳(2057、百名山)  
 秩父山地の主稜線からは南に外れた、山梨の中央付近に位置する。上日川峠からであれば1時間半ほどで山頂に立つことができるが、登りやすいと思っているとなかなか行かないものである。見る機会も意外に少なく、まだいい写真が無い。
2003.10 金峰山より 2000.8 雲取山より
 ほぼ中央にあるのが大菩薩で、奥はもちろん富士山。右に甲府盆地、手前には丹波川のつくる深い谷が見える。右下の端にあるのは雲取山ではないかと思う。
2008.11 飛行機より
主稜線の北側
 両神山(1723、百名山)
 埼玉・群馬県境に近いが、全体が埼玉県にある山。ヤシオツツジの群落があることで知られる。登山は最短ルートで3時間半程度である。
 遠く霞んでいるのが両神山。秩父のさらに奥にあり、埼玉県とはいってもなかなか近づけないが、秩父市や岩根山などから見ることができた。
 2003.4 秩父市羊山公園より
 御座山(2112、二百名山)
 群馬・長野県境の、やや長野側にある山で、「おぐらさん」と読む。1985年の日航機墜落事故の際、最初は御座山に墜落と発表されたことで知られている。
2003.10 金峰山より 中央左の黒いところが御座山、その奥には浅間山

秩父山地