当初は山陰本線のルートから外れた倉敷市中心部へのアクセス路線であった。1922年の改正鉄道敷設法によって倉吉から岡山県の中国勝山までが予定線となり、延伸が進められる。しかし県境を越えることはできなかった。終点の山守は大きな集落が無い所であるが、山越えのためのスイッチバック駅として建設されたようである。存廃の基準となった輸送密度は1085人、収支係数1400であった。

  1912.6.1  倉吉軽便線上井(現倉吉)〜倉吉(のちの打吹)間開業
  1922.9.2  倉吉線と改称
  1941.5.17 倉吉〜関金間開業
  1958.12.20 関金〜山守間延伸
  1981.9.18 第1次特定地方交通線として廃止承認
  1985.4.1  全線廃止 
  1932  1937 1949 1956 1960 1965 1970 1973 1977 1980 1983
 輸送人員(千人/日) 2.1 2.5 6.6 5.2 6.6 4.9 2.8 3.1 3.3 2.7 2.2
 輸送密度(千人/日) 2.1 2.4 2.4 1.9 2.0 1.8 1.2 1.2 1.2 0.9 0.7
 貨物輸送量(万t/年) 4.1 7.4 8.0 15.0 13.4 14.1 12.6 8.3 5.2 3.6 1.4
廃線跡
 倉吉〜山守20.0km
 2006年はたまたま通りかかっただけで、下調べをしていなかったが、国道からふと脇道に入ると廃線跡のサイクリングロードに突き当たった。お花畑の中の道は爽やかである。
2006.6 小鴨付近G
 2010年は、大山に登った後で山守側から廃線跡をたどった。終点の山守は、駅があったとは思えないほど何もないのどかな所である。泰久寺駅の手前には橋台が残されている。
 
2010.5 山守駅付近@ 2010.5 泰久寺〜山守間A
 泰久寺から関金にかけては、所々に路盤やレールが残されている。草に半分埋もれた線路はいかにも廃線跡という感じで雰囲気がいい。ただ、最大の見所である関金の北側の橋梁はどうしても見つけることができなかった。
 
2010.5 泰久寺駅跡B 2010.5 関金〜泰久寺間C
 
2010.5 関金駅跡D 2010.5 上小鴨〜関金間E
 上小鴨付近のサイクリングロードは、前回見ているので少しだけで省略。倉吉の市街地に入ると、西倉吉や打吹の駅は公園として整備されていた。
 
2010.5 上小鴨駅跡F 2010.5 西倉吉駅跡H
 
2010.5 打吹駅跡I 2010.5 上灘駅跡J
 サイクリングロードは天神川の南側で終わり、川の北側には築堤と橋台が残る。ここから倉吉駅に向けて路盤がほとんど手つかずのまま残っていた。
 
2010.5 倉吉〜上灘間K 2010.5 倉吉〜上灘間L 
 

倉吉線