もとは、太平洋炭礦の子会社として設立された釧路臨港鉄道の路線。一時は旅客営業も行っていたが、1963年に廃止され、1979年に太平洋石炭販売輸送に吸収された。長い間、日本で唯一の石炭を輸送している貨物鉄道であったが、2019年に石炭の輸送が無くなり、廃止となった。

  1925.2.11 釧路臨港鉄道春採〜知人間開業(25.3.16別保(後の東釧路)〜春採延伸)
  1926.2.1  知人〜臨港間延伸、春採〜臨港間旅客営業開始
  1927.2.20 臨港〜入舟町間延伸
  1937.1.10 城山〜東釧路間延伸し全通
  1963.11.1 旅客営業廃止
  1966.12.1 臨港〜入舟町間廃止
  1979.4.30 太平洋石炭販売輸送に合併される
  1985.6.1  城山〜 東釧路間廃止
  1986.11.1 東釧路〜春採、知人〜臨港間廃止
  2019.3.30 春採〜知人間休止(19.6.30廃止)
  
営業中
 2016年の訪問時は、出炭があった時だけ列車が運行するということで、営業する姿を見ることが難しくなっていた。春採駅には今にも出発しそうな状態で列車が停まっていたが、運転手はいなかったのでこの日の運行は無かったのだろう。
2016.7 知人駅B 2016.7 春採駅C
廃線跡
 臨港駅や城山駅は、1980年代まで営業していたが、すでに鉄道の痕跡がほとんど無くなっていた。東釧路駅は、長い歩道橋が、広大な操車場があったことを偲ばせている。
2016.7 入舟町駅跡@ 2016.7 臨港駅跡A
2016.7 永住町〜東釧路間D 2016.7 東釧路駅跡E
2016.7 城山駅跡F
車両
 開業時のSLは、国鉄3390形の払い下げ、そして1929年から43年にかけて自社発注のSLが4両導入されている。終戦直後には、国鉄2120形の2両払下げを受けた。このほかにガソリン動車3両を導入し、このうち1両は気動車に改造して旅客営業の主力となった。
 DLは、以下のとおり、すべて戦後の導入である。
 形式 番号 両数  前歴 製造  消滅  備考
D10形 101 1 新造 1957.12 1999.11
D20形 201 1 新造 1962.10 1986.12
D30形 301 1 新造 1964.12 2003.11
D40形 401 1 新造 1964.12
D50形 501 1 新造 1966 1978
DE60形 601 1 新造 1970.10
D70形 701 1 新造 1978.4
KD13形 801 1 釧路開発埠頭 2000.3
 D10形・D40形
 1957年に製造されたD101は、釧路臨港鉄道最初のディーゼル機関車。珍しいロッド式で、1999年に役割を終えたが、2016年現在まだ解体されずに留置されていた。その後も1形式1両ずつの導入が続いた。
2016.7 D101:春採駅 2016.7 D401:春採駅
 DE60形
 アメリカGEの技術で製造された、国内唯一の電気式ディーゼル機関車。外観もアメリカではよくあるスタイルで、国内には他にないと思われる。
2016.7 春採駅
 D70形・KD13形
 どちらも55tの凸型機で、D801は1966年に雄別鉄道が導入したもの。釧路開発埠頭を経て、太平洋石炭販売輸送が譲り受けている。
2016.7 左からD801、D701:春採駅 

太平洋石炭販売輸送