旧型電気機関車-2
EF50-EF51 | |||||||||||||||||||||||||||||
東海道本線電化の際に輸入された機関車群の仲間で、本線旅客用のもの。両数は少ないが、優等列車にも使用された。いずれも保存車は無い。 |
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左:EF51、右:8000形(EF50) | |||||||||||||||||||||||||||||
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EF52・EF54・EF14 | |||||||||||||||||||||||||||||
EF51やED53を参考に設計された、最初のF級の国産電機機関車。僅か9両の製造であるが、そのうち2両は歯車比を小さくして高速運転向けの仕様になっていたため、後にEF54に改番された。さらに戦時中には、EF54は低速化改造して貨物輸送向けEF14になっている。戦後は、EF52は阪和線、EF54は中央線などで使用された。保存機は2両あるが、川崎重工兵庫工場で保管されているものは非公開である。 |
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○EF52-1 1972年に廃車となった後も奈良で保管され、1978年から大阪の交通科学博物館で展示されていた。現在は京都鉄道博物館に移り、鉄道記念物に指定されている。 |
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2016.6 EF52-1:京都鉄道博物館 | |||||||||||||||||||||||||||||
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EF53 | |||||||||||||||||||||||||||||
EF52と比べて高速性能を高めたもので、戦前の優等列車の先頭に立つ花形機関車であった。このうち3両はお召列車牽引機にも抜擢されている。戦後はEF58に置き換えられて活躍の場が少なくなり、全車が瀬野八の補機であるEF59に改造された。 |
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○EF53-2 他の車両と同様にEF59に改造されていたが、EF53に復元されたうえで碓氷峠鉄道文化むらで展示されている。EF53唯一の保存機となっている。 |
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2016.5 EF53-2:碓氷峠鉄道文化むら | |||||||||||||||||||||||||||||
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EF10-EF12 | |||||||||||||||||||||||||||||
最初の貨物用の国産電気機関車群。EF11は勾配線区向けで、EF12は出力を向上したものである。EF10のうちの一部は関門トンネルで使用され、ステンレス車体に改造されたものもあった。最後は飯田線で使用されている。 | |||||||||||||||||||||||||||||
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左:EF12、右:EF10ステンレス車 | |||||||||||||||||||||||||||||
EF10が1両のみ保存されており、EF11・EF12の保存機は無い。 ○EF10-35 1978年に廃車となった後、北九州の大里不老公園で保存されていたもの。2003年に再整備され、九州鉄道記念館で展示されている。ステンレス車のうちの1両であるが、茶色に塗装されている。 |
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2016.8 EF10-35:九州鉄道記念館 | |||||||||||||||||||||||||||||
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EF55 | |||||||||||||||||||||||||||||
当時の流線形ブームに乗って登場した、片側のみ流線形の特異な機関車。性能はEF53を踏襲している。電気機関車にもかかわらず転車台で方向転換をしなければならかなったため、あまり実用的ではなかった。1964年までに3両とも廃車となった。 |
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○EF55-1 廃車後も中央鉄道学園で保存されていたが、1986年に復元し車籍復活、イベント列車の牽引で活躍するようになる。2009年に再び運用を終え、2015年の廃車とともに鉄道博物館で展示されるようになっている。EF55唯一の保存機である。 |
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2015.12 EF55-1:鉄道博物館 | |||||||||||||||||||||||||||||
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EF56 | |||||||||||||||||||||||||||||
EF53をベースに、暖房用の蒸気発生装置(SG)を搭載し、暖房車の連結を不要としたもの。7号機までは丸みのある車体、8号機以降は角張った車体で特徴が異なる。EF53とともに優等列車を牽引し、お召列車牽引機に指定された車両もある。戦後は東北本線などで使用され、このうち5両は瀬野八の補機EF59に改造された。保存車は無い。 |
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EF56 初期車 | |||||||||||||||||||||||||||||
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EF57 | |||||||||||||||||||||||||||||
EF56をベースに、さらに出力を増強したもの。東海道線の優等列車牽引の主力として活躍した。EF58の増備が進むと、上越線や東北本線に転属している。 |
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○EF57-7 唯一の保存機で、1978年の廃車後、宇都宮駅前で保存されていた。現在は、宇都宮駅から徒歩10分ほどの駅東公園に移設されている。 |
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2015.12 EF57-7 宇都宮市駅東公園 | |||||||||||||||||||||||||||||
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EF13 | |||||||||||||||||||||||||||||
戦時中の輸送力不足を補うために開発された、戦時設計の機関車。少しでも資源を節約するために、国鉄では珍しい凸型の車体となった。戦後、EF58初期車の箱型車体に載せ替えられ、中央線や上越線などで活躍した。保存車は無い。 |
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EF13 改造前の凸型時代 | |||||||||||||||||||||||||||||
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EF15-EF16 | |||||||||||||||||||||||||||||
EF15は終戦直後から製造された貨物用機関車で、旅客用のEF58とともに国鉄の標準機として大量生産された。後に、奥羽本線板谷峠向けと上越線向けとして各12両が勾配線区向け改造を施され、EF16となっている。貨物運用は1986年に終了したが、EF15-158がJR西日本に引き継がれ、2011年まで車籍を有していた。EF15は6両の保存車があり、EF16も1両が保存されている。 |
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○EF15-120 1983年に廃車となったもので、摂津市の新幹線鳥飼車両基地の隣にある公園で保存されている。 ○EF15-165 1985年の廃車後、高崎運転所などで保管されていたもので、1999年から碓氷峠鉄道文化むらで展示されている。 |
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2017.10 EF15-120:摂津市新幹線公園 | 2016.5 EF15-165:碓氷峠鉄道文化むら | ||||||||||||||||||||||||||||
○EF15-168 1984年の廃車後、片側の前頭部のみ大宮工場で保管されていた。2007年から道路沿いに移設され、いつでも見られるようになっている。 ○EF15-198 1986年に廃車となったもので、韮崎市の中央公園で保存されている。貨車を連結して堂々たる姿であった。 |
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2016.6 EF15-168(前頭部) :大宮総合車両センター |
2017.1 EF15-198:韮崎市中央公園 | ||||||||||||||||||||||||||||
○EF16-28 1981年に廃車となったもので、みなかみ町の道の駅「水紀行館」で保存されている。かなり傷んでおり、色も変である。 |
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2017.6 EF16-28:みなかみ町水紀行館 | |||||||||||||||||||||||||||||
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EF58・EF18 | |||||||||||||||||||||||||||||
EF58は、終戦直後から製造が始まり、大量生産された旅客用機関車の代表機。初期車はEF57に似たデッキ付の車体であったが、1952年に登場した改良型は、流線形の別形式のような姿になっている。初期車も1957年までに流線形の車体に載せ替えられ、古い車体はEF13に転用された。 |
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高速性能が優れていたため、長い間優等列車の先頭に立ち続けた。最後の優等列車の運用は1985年、そして最後の定期運用は1986年3月の紀勢本線である。JRには、車籍が復活したものも含めて5両が引き継がれ、イベント列車などに使用された。しかし、故障などで引退していき、さよなら運転もないまま動く姿が見られなくなっている。 |
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1982年頃 | 左から 青大将色、お召し、初期車 | ||||||||||||||||||||||||||||
○EF58-61 お召列車指定機で、側面に銀色の飾り帯があるのが特徴。EF58で唯一の車籍を残しており、東京総合車両センターで保管されている。しかし台枠にひびが入り、動くことはできないようである。下の写真は、オリエント急行を品川駅で展示した時のものである。 |
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1988.10 EF58-61:品川駅 | |||||||||||||||||||||||||||||
最後の5両のうち1両は動態保存、3両は静態保存で残されており、他にもカットボディを含めて6両の保存機がある。 ○EF58-89 JR東日本に引き継がれた2両のうちの1両で、1999年の廃車後、大宮工場で保管されていた。2007年から鉄道博物館で展示されている。 ○EF58-150 1985年に一度廃車となるが、翌年に復活しJR西日本に引き継がれた。2009年の運行が、おそらくEF58最後の本線走行だったと思われる。2011年に除籍となり、宮原で保管されたあと京都鉄道博物館に移って展示されている。JR時代は茶色だったが、現在は一般色である。 |
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2015.12 EF58-89:鉄道博物館 | 2016.6 EF58-150:京都鉄道博物館 | ||||||||||||||||||||||||||||
○EF58-154 1985年に廃車となり、大宮工場で保管されていた。現在は前頭部のカットボディが、EF15-168とともに道路沿いに展示されている。1956年の東海道線全線電化時に採用された青大将色である。 ○EF58-157 1985年に一度廃車となるが、JR東海が1988年に復活させた。2008年に除籍となり、リニア・鉄道博物館で展示されている。JR時代は一般色だったが、現在は茶色である。 |
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2016.6 EF58-154(前頭部) :大宮総合車両センター |
2015.11 EF58-157:リニア・鉄道館 | ||||||||||||||||||||||||||||
○EF58-172 1985年の廃車後、高崎運転所で保管されていたもので、1999年に碓氷峠鉄道文化むらに移設されている。現在、屋外で見られる唯一のEF58だと思われる。 |
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2016.5 EF58-172:碓氷峠鉄道文化むら | |||||||||||||||||||||||||||||
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EH10 | |||||||||||||||||||||||||||||
東海道本線の全線電化が近づく中、補機なしで重量貨物列車を牽引できる機関車として開発されたもの。国鉄唯一の2車体連接、8軸の電気機関車である。巨大であるがゆえに他路線への転属が難しく、1981年には運用を終えている。 |
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○EH10-61 大阪市の淡路駅から徒歩5分ほどの東淡路南公園で保存されている。白い柵に厳重に囲われており、写真は撮りにくい。特徴ある車両だが、保存機はこの1両のみである。 |
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2016.7 EH10-61:大阪市東淡路南公園 | |||||||||||||||||||||||||||||
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EF59 | |||||||||||||||||||||||||||||
瀬野八の補機として、SLを置き換えるためにEF53とEF56を改造したもの。瀬野八のみで約20年間使用され、EF67に置き換えられた。保存機は、カットボディを含めて3両ある。 |
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○EF59-1 1987年の廃車後、高崎運転所で保管されていたもので、碓氷峠鉄道文化むらで展示されている。 |
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2016.5 EF59-1:碓氷峠鉄道文化むら | |||||||||||||||||||||||||||||
○EF59-16 1984年に廃車となったもので、カットボディが広島車両所で保管されている。 ○EF59-21 EF56から改造されたもので、丸みをおびた車体は他の保存機と特徴が異なる。で、他の車両と特徴が異なっている。1987年の廃車後、広島車両所で保管されており、車両基地公開イベントで見ることができる。 |
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2016.10 EF59-16:JR貨物広島車両所 | 2016.10 EF59-21:JR貨物広島車両所 | ||||||||||||||||||||||||||||
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