ラトヴィアは、かつてはリーヴ人の国リヴォニアと呼ばれ、ドイツ人の進出によって国家が形成された。16世紀以降はポーランド・リトアニアとスウェーデン、ロシアで争奪が繰り返され、最終的にはロシアに併合される。その後のバルト三国の歴史はほとんど同じで、1918年の独立、1940年のロシア再併合を経て、1990年にようやく独立を果たしている。

 1201年 ブレーメンの僧正アルベルト上陸、帯剣騎士団設立
 1236年 サウレの戦い、帯剣騎士団敗れ、リヴォニア騎士団に再編
 1282年 リーガ、ハンザ同盟に加盟
 1558年 リヴォニア戦争、ロシアが侵攻する
 1561年 リヴォニア公国・クールランド公国成立、実質的にポーランド・リトアニア連合領となる
 1629年 リヴォニア公国がスウェーデン領となる
 1700〜21年 大北方戦争、リヴォニア公国がロシア領となる
 1795年 第3次ポーランド分割、クールランド公国がロシア領となる
 1918年 ラトヴィア独立宣言
 1940年 ソ連に併合される
 1990年 ラトヴィア独立宣言

ラトヴィア
 ルンダーレ宮殿
 まずはリーガから1時間20分程移動して、ルンダーレ宮殿へ。ここは、貧しい貴族からクールランド大公になったビロン公が夏の宮殿として建てたものである。1736年に建設が始まったが、途中ビロン大公の失脚もあって1768年にようやく完成している。通称バルトのヴェルサイユである。
 約束していたガイドが来ないというハプニングがあり、添乗員の案内で内部見学。どの部屋も驚くほど豪華で、感覚が麻痺しそうである。庭園は別料金なのと時間もないので、窓から眺めただけだった。
2014.9 宮殿 2014.9 庭園
2014.9 黄金の広間 2014.9 大理石の広間
 リーガ(世界遺産)
 リーガは、バルト三国の中で最初に西欧諸国が進出した海港都市で、ハンザ同盟にも加盟して「バルトのパリ」と呼ばれるほど繁栄した。ロシアの占領などにより衰えるが、現在でもバルト三国で一番の大都市となっている。
 ルンダーレ宮殿から戻って、昼食後に観光開始。旧市街の北側では、15世紀に再建されたいかにも古そうな聖ヤコブ教会があるが、前の道が狭いので全体がよく見えなかった。
2014.9 聖ヤコブ教会 2014.9 三人兄弟の家
 リーガのシンボルは、1211年に僧正アルベルトが建設を始めたといわれるリーガ大聖堂である。何度も増改築がされているので、どこがいつの時代のものかよくわからない。中には、1883年に製作された当時としては世界最大級のパイプオルガンがあって、ちょうど音のテストをしていたので音色を聴くことができた。
 
2014.9 リーガ大聖堂(ドゥアマ) 2014.9 リーガ大聖堂内部
奥にパイプオルガンが見える 
  旧市街の南側にある聖ペテロ教会も、13世紀に建てられ増改築が繰り返された。現在の塔は123mで、72mの所まで登れるようなので、自由行動が楽しみである。
 
2014.9 ドゥアマ広場  2014.9 ブラックヘッドの会館
左奥は聖ペテロ聖堂
  ここで一度旧市街を離れて、バスで新市街へ。リーガのもう1つの見所は、ユーゲントシュティールという摩訶不思議な建築群である。テーマパークに迷い込んだような感じだった。
2014.9 ユーゲントシュティール建築 2014.9 ユーゲントシュティール建築
  リーガの街をたっぷり観光したので、すでに17時。ここから自由行動だが、何はともあれ塔からの景色を見たいので、聖ペテロ聖堂へ走った。上からの景色は期待どおりで、とくにダウガヴァ川と旧市街の組み合わせはとても絵になる。塔を降りた後は、日が暮れるまでもう一度旧市街を一周した。
2014.9 聖ペテロ聖堂より 旧市街
左がリーガ大聖堂、中央に聖ヤコブ教会
2014.9 聖ペテロ聖堂より新市街方向
すぐ手前は聖ヨハネ教会
2014.9 城壁
 ☆世界遺産「リーガ歴史地区」 1997年登録
 スィグルタ
  翌日は、バスで1時間ほどのスィグルタへ。ここにあるスィグルタ城は、リーガ建設と同時期の13世紀初めに帯剣騎士団が建設したものである。大北方戦争で破壊されてしまったが、遺跡の雰囲気を楽しむことができた。
2014.9 スィグルタ城 2014.9 スィグルタ城
  スィグルタ城から、川の反対側にトゥライダ城が見えている。ここも帯剣騎士団が建てたもので、塔の上からの眺めが素晴らしかった。
2014.9 トゥライダ城 2014.9 トゥライダ城の塔より

リヴォニア公国・クールランド公国