開業した典型的な運炭路線で、最盛期には沿線に10以上の炭鉱があったという。しかし石炭輸送が無くなると、ローカル線の小駅からさらに分かれる支線では存続できるはずもなく、第1次の廃止対象路線となった。存廃の基準となる輸送密度は346人、収支係数2773で、収支係数は全国で3番目に悪かった。

  1914.11.11 志文〜万字炭山間開業(万字〜万字炭山間は貨物のみ)
  1924.9.1   万字から万字炭山間旅客営業開始
  1981.9.18  第1次特定地方交通線として廃止承認
  1985.4.1   全線廃止 
  1932 1937 1949 1956 1960 1965 1970 1973 1977 1980 1983
 輸送人員(千人/日) 0.5 0.8 2.7 4.0 4.0 4.0 1.6 1.2 0.7 0.4 0.3
 輸送密度(千人/日) 0.3 0.5 1.5 2.3 2.4 2.5 1.0 0.8 0.4 0.2 0.2
 貨物輸送量(万t/年) 32.8 46.1 37.4 57.2 58.8 63.2 23.4 16.2
廃線跡
 志文-万字炭山23.8km
  上志文は少し見つけにくかったが、スキー場の麓のようなところにあった。駅舎の脇に碑がたてられている。次の朝日駅は、隣の美流渡駅に比べて特徴の無い駅名だが、地元では思い入れがあったのか、公園として保存されている。万字線とは関係なさそうなB20が展示してあった。
2009.10 上志文駅跡@
2009.10 朝日駅跡A 2009.10 朝日駅跡A
  万字駅の駅舎はなぜか郵便局として営業していたが、この裏にあるはずのホームは深い草むらでまったくわからない。駅前には時間がとまったかのような炭鉱の街並みが続いていて、こちらの方が印象に残った。
2009.10 万字駅跡B 2009.10 万字駅跡B
  終点の万字炭山の駅跡はかなり低い所にあり、一段上にはまるで映画のセットのような炭鉱の街がひろがる。ここも駅跡より街並みの方が印象的である。
2009.10 万字炭山駅跡C 2009.10 万字炭山駅前の街C
2009.10 万字炭山駅前の街C
 

万字線