勾配線区向けとして、大出力エンジンを搭載した特急型気動車。全長はキハ80系より少し長い21,300mm。座席は回転クロスシート。機関は、キハ90系で開発された大出力のDML30HSC(出力500ps)。台車は、仮想心皿方式のDT36B・TR205Bが開発されている。制動はCLE。最高運転速度は120km/hである。
国鉄
 1968年に中央西線「しなの」にて営業運転を開始し、1970年に奥羽線「つばさ」、1971年に山陰エリアの「おき」、翌年には四国の「しおかぜ」「南風」に投入される。このうち「しなの」と「つばさ」からは電化により1975年に相次いで撤退し、その後は山陰と四国のみで活躍した。JR西日本とJR四国に引継がれて、2010年の「はまかぜ」が最後の定期運用となった。

  1968.10.1 特急「しなの」にて営業運転開始
  1970.2.10 特急「つばさ」運用開始
  1971.3.20 臨時特急「あおば」運転開始
  1971.4.26 特急「おき」運転開始
  1972.3.15 特急「しおかぜ」「南風」「やくも」運転開始
  1975.3.10 「しなの」運用終了
  1975.11.25 「つばさ」運用終了、「あおば」廃止
1986.8 城崎駅? 1986.8 城崎駅?
保存車は、先頭車2両だけである。

○キハ181-1
 最後は四国で活躍し、1993年に廃車となったもの。廃車後はJR東海に引き取られ、佐久間レールパークで保管されていた。現在はリニア・鉄道館で展示されている。ヘッドマークも登場時の「しなの」になっている。

○キハ181-12
 「はまかぜ」で最後まで活躍したうちの1両で、2011年3月に廃車となった。国鉄色に戻され、津山まなびの鉄道館で展示されている。
 
2015.11 キハ181-1:リニア・鉄道館  2016.11 キハ181-12:津山まなびの鉄道館
 形式 番台 両数  前歴  登場  消滅  備考
キハ180 79 新製 1968.8-72.2 2012.2 中間車
キハ181 0番台 49 1968.8-72.2 2012.2 先頭車
100番台 5 キハ180 1985.3-88.3 2002.8 先頭車化
キロ180 0番台 13 新製 1968.8-72.1 2012.2 グリーン車
100番台 4 1972.1 1988.3 車販準備室設置
150番台 2 0番台 1975.4-77.3 1987.11 車販準備室設置
200番台 2 キハ180 1986.10-11 1988.3 グリーン車化
キサシ180 13 新製 1968.8-72.2 1985.5 半室食堂車
キロハ180 8 キロ180 1987.11-88.3 1993.3 半室グリーン車
JR西日本
 向日町運転所  
 JR発足時は、「あさしお」「はまかぜ」にて運用していた。1996年の山陰線電化により「あさしお」は廃止となり、この頃から「はまかぜ」運用車が専用塗装となる。2005年以降は、「はまかぜ」が全国唯一の定期特急となるが、2010年11月に定期運用を終え、2011年2月にさよなら運転を行って全車廃車となっている。ミャンマー国鉄に15両が譲渡されている。

  1994.12.3 特急「はくと」運転開始
  1996.3.16 「あさしお」廃止
  1997.11.29 「はくと」廃止
  1998   「はまかぜ」専用塗装登場
  2010.11.6 「はまかぜ」定期運用終了
  2011.2.27 最後の営業運転
2009.11 はまかぜ色:新大阪駅
 形式 番台 両数  前歴  登場  消滅  備考
キハ180 25 国鉄 1987.4 2012.2 中間車
キハ181 0番台 12 2012.2 先頭車
キロ180 0番台 6 2012.2 グリーン車
 米子運転所  
 米子は、名古屋・尾久に次ぐ3ヶ所目のキハ181系の配置で、JR発足時は「あさしお」「はまかぜ」「いそかぜ」「おき」にて運用。2001年の「おき」撤退後は、智頭急行経由の「いなば」のみとなり、これも2003年10月にキハ187系へ置き換えられた。

  1988.3.13 特急「くにびき」運転開始
  1994.12.3 「はまかぜ」は向日町所属車のみとなる
  1997.11.29 特急「いなば」運転開始
  2001.7.7 「おき」「くにびき」運用終了、「いそかぜ」運用車が下関に転出
  2003.10.1 「いなば」運用終了
1990.3 長門二見駅(右の車両)
 形式 番台 両数  前歴  登場  消滅  備考
キハ180 24 国鉄 1987.4 2004.7 中間車
キハ181 0番台 22 2004.7 先頭車
キロ180 0番台 5 1997.3 グリーン車
 下関車両管理室  
 2001年7月に、特急「いそかぜ」の益田以東が廃止されたため、「いそかぜ」運用の6両が後藤から下関地域鉄道部へ移管された。初めての下関への気動車配置である。2005年3月に「いそかぜ」が廃止となり、短期間で消滅している。 
 形式 番台 両数  前歴  登場  消滅  備考
キハ181 0番台 4 後藤 2001.7 2005
キハ180 0番台 2
JR四国
 松運転所  
 松には、名古屋・尾久・米子に次ぐ4ヶ所目として1972年に配置された。四国はキハ80系が投入されていないので、キハ181系が初の特急型気動車である。44両がJR四国に引継がれ、特急「しおかぜ」「南風」「いしづち」「しまんと」「宇和海」「あしずり」にて運用。1993年3月の予讃線電化と2000系置換えにより、定期運用は一斉に終了となった。1993年11月に最後の営業運転。なお、リニア・鉄道館で展示されているキハ181-1は、1993年まで四国で活躍していたものである。

  1972.3.15 特急「しおかぜ」「南風」運転開始
  1987.10-88.4 四国色に変更
  1988.4.10 特急「いしづち」「しまんと」運転開始
  1990.11.21 特急「宇和海」「あしずり」運転開始、「南風」運用終了
  1993.3.18 定期運用終了
  1993.11.14 最後の営業運転
1988.3 高松駅 1988.3 四国色:高松駅
 形式 番台 両数  前歴  登場  消滅  備考
キハ180 0番台 20 国鉄 1987.4 1993.11
キハ181 0・100番台 16
キロ180 100・150・200番台 8
キロハ180 0番台 8 キロ180 1987.11-88.3 1993.3
車両配置表

1970 1972 1975 1977 1980 1985 1987 1990 1995 2000 2005 2010
尾久 50 59 59 7 4 1
名古屋 14 35
向日町 56 43 43 56 25 26 26
米子 38 65 73 73 47 51 51 38 44
小郡 33 36 3
下関 6
高松 26 34 42 42 42 44 44

キハ181系