松尾鉱山の鉱石輸送を目的とした鉄道で、はじめは馬車軌道、のちに専用鉄道、地方鉄道と変更されていった。世界有数の硫黄鉱山として栄えた時期もあったが、天然硫黄の需要減少により倒産、廃止となっている。

  1916.1   馬車軌道による輸送開始
  1934.3.15 専用鉄道による輸送開始
  1948.12.18 地方鉄道として大更〜屋敷台(のちの東八幡平)間の輸送開始
  1951.8.10 電化
  1969.12.12 営業休止(その後貨物輸送は再開、旅客は70.2.1廃止)
  1972.10.10 全線廃止  
1949 1955 1960 1965 1970
 輸送人員(千人/日) 0.9 1.0 1.1 1.5
 輸送密度(千人/日) 0.6 0.8 0.9 1.2
 貨物輸送量(万t/年) 54.1 75.2 76.4 60.3 26.1
営業係数 99 66 59 105 86
廃線跡
 大更〜東八幡平12.2km 
 大更駅にはかつてのホーム跡が残り、街の中にも廃線跡とわかる道がある。鹿野〜東八幡平は気持ちのいい林の中の道となっていた。終点の東八幡平は広大な空き地になっているが、近くに当時のELが保管されていた。
2011.10 大更駅の松尾鉱業ホーム跡@ 2011.10 田頭駅跡A
2011.10 鹿野〜東八幡平間B 2011.10 東八幡平駅跡C
2011.10 松尾村歴史民俗資料館に保存されるELD
  
車両
 1951年の電化までは、SLとPCのみ。電化後も長い間旅客はPCのみで、休止の3年前にようやくECを導入した。廃線後、ED50形は秩父鉄道、クモハ20形は弘南鉄道に譲渡されている。
種類 番号 両数 特徴  登場 消滅 備考
SL 2501-2505 5 C1タンク 1934-35 1951 もと国鉄
4115-4117 3 Eタンク 1936-41 1951 もと国鉄
C118 1 1C2タンク 1942 1952
EL ED251-252 2 10050mmB-B形 1951 1972
ED501-502 2 12000mmB-B形 1951 1972
EC クモハ201-202 2 19100mm 1966 1969 もと国鉄モハ20形
PC ハフ1-5 5 2軸車
ホハフ6等 6 ボギー車 1970?
 ED25形
 1951年の電化時に導入されたもので、おもに入換用。ED251が保存されている。
2011.10 ED251:松尾村歴史民俗資料館
 ED50形
 ED25形と同時に導入されたもので、こちらは本線用。廃線後は2両とも秩父鉄道に譲渡され、登場から約70年活躍している。
 
2017.11 もとED502:秩父鉄道譲渡後

松尾鉱業