マヤ文明の中でも最強と言われたティカルは、現在のグアテマラ北部にあり、メキシコにあるパレンケやカラクムルとは国境を隔てている。また、コパンはグアテマラから僅かに国境を越えたホンジュラス領内になっていて、いくつもの国をまわらなければマヤ遺跡の全貌を見ることができない。
ホンジュラス
　コパン遺跡（世界遺産）　
　現在はホンジュラスにあるコパンもマヤ世界を代表する都市の1つで、政治のティカルに対しコパンは文化・芸術の街といわれている。パレンケとほぼ同じ430年頃に、ヤシュ・クック・モによって建国されたといわれ、7〜8世紀に最盛期を迎えた。煙イミシュや18ウサギといった変な名前の王が君臨した時代である。しかし738年、支配下にあったキリグアに敗れて一気に衰退していった。
　グアテマラシティから4時間ほどでホンジュラス国境。国境を越えるとコパンはすぐで、13時頃到着した。遺跡の入口で昼食をとったあとで観光を始める。遺跡に近づくと、まずピラミッドのようなアクロポリスが見えてくる。アクロポリスは、歴代の王が拡張し続けたもので、広場や神殿が入り組んで複雑な形になっていた。
2002.5　アクロポリスの神殿16 2002.5　エル・セメンテリオ
　アクロポリスの奥は、一段低い所に広場があって、ここに神聖文字の階段や球戯場などがある。神聖文字の階段は、階段にびっしりとコパン王朝史がマヤ文字で刻まれていて、マヤ文明の研究に重要な役割を果たした。遺跡の保護のため、布の屋根が掛けられていた。
　ここのもう1つの見所は、何気なく建っているステラである。ステラのマヤ文字は、見ているだけで楽しくなるような形をしていた。
2002.5　神聖文字の階段 2002.5　球戯場
2002.4　暗黒神像 2002.4　ステラに残るマヤ文字 2002.4　ステラA
　☆世界遺産「コパンのマヤ遺跡 」　1980年登録
グアテマラ
　キリグア遺跡（世界遺産）
　キリグアはコパンの支配下にあったが、737年にコパンから勝利をおさめて独立を果たし、繁栄した。コパンとは数十キロしか離れていないが、ここは現在グアテマラなのでまた国境を越えていく。
　遺跡はほとんど残っていないが、多くのステラが発見された所で、ステラを守るための屋根がおもしろい風景をつくっていた。
 
　　2002.4　ステラの並ぶグレートプラザ
　　2002.4　祭壇G 2002.4　ステラA
　☆世界遺産「キリグアの遺跡公園と遺跡群 」　1981年登録
　ティカル遺跡（世界遺産）
　ティカルは3世紀頃にはすでに成立し、695年にカラクムルを破ってからはマヤ世界最大の都市として君臨した。現在残る神殿のほとんどは700年前後に建造されたものである。しかし8世紀末には街が捨てられ、17世紀に偶然発見されるまでジャングルに埋もれていた。
　マヤ最大級の遺跡なのに、グアテマラシティから飛行機を使っての日帰り観光だったので、滞在時間が短かくならないか心配だったが、早起きをしてホテルを5時15分に出たので予定通り9時には観光を始められた。これで一安心かと思ったが、最初に行ったコンプレックスＱという地味な場所でガイドの説明が異様に長い。また観光の残り時間が気になり始めた。
2002.5　マヤアーチ 2002.5　コンプレックスQ
　そのまま遺跡のいちばん奥まで行き、4号神殿へ。まったく見通しのきかないジャングルの中、急な階段を登っていくと、突然目の前に点在するピラミッドが見えてきた。青空でないのが何とも残念であるが、密林に浮かぶ神殿群は謎めいていて感動的な雰囲気であった。
　
2002.5　第4号神殿より1号・2号・3号神殿　
　4号神殿の手前には、「失われた世界」と呼ばれるエリアがある。名前の由来はわからなかったが、向かい合うように2つのピラミッドが並んでいて、当然両方とも登ってみた。
2002.5　失われた世界 2002.5　失われた世界と第4号神殿
　遺跡の中心となる広場には、1号・2号の2つの神殿と、ノースアクロポリス、セントラルアクロポリスが建ち並ぶ。どれも見応えがあって壮観な風景である。ここまでで歩き始めてから4時間。13時になったので観光を終えて昼食になった。まだ見ていない所もたくさんあったので、時間が全然足りなかった。
2002.5　第1号神殿 2002.5　第2号神殿と背後に第3号神殿　
2002.5　ノースアクロポリス 2002.5　セントラルアクロポリスと第5号神殿
　☆世界遺産「ティカル国立公園」　1979年登録
　カミナルフユ遺跡
　マヤ文明の初期、200〜300年頃に建設された貴重な遺跡であるが、現在はグアテマラシティの市街地の中に埋もれてしまった。本来はツアー内容に含まれていなかったが、最終日の午前中に1時間だけ行かれることになった。遺跡全体が見えないのでイメージがつかみにくいが、行かれただけでラッキーである。
2002.5　

マヤ文明　-グアテマラ・ホンジュラス