加古川線から分かれる3つの路線の1つで、前身は播州鉄道になる。存廃の基準となった輸送密度は1384人、収支係数1041と、関西圏の近くにある路線とは思えないほど利用状況は悪かった。第1次特定地方交通線になっているが、この時は三セクとして生き残っている。三木鉄道となってからさらに利用者が少なくなる中、2006年の三木市長選で鉄道の廃止を公約にした候補者が当選したことにより、あっという間に廃止されてしまった。三セクは政治家の一声で廃止されるという危うさを感じさせる出来事であった。

  1916.11.22 播州鉄道厄神〜別所間開業
  1917.1.23  別所〜三木間開業
  1923.12.20 播但鉄道へ譲渡
  1943.6.1   買収により三木線となる
  1981.9.18  第1次特定地方交通線として廃止承認
  1985.4.1   三木鉄道に転換
  2008.4.1   全線廃止
  1949 1956 1960 1965 1970 1973 1977 1980 1985 1990 1995 2000 2005
 輸送人員(千人/日) 1.7 2.6 3.1 3.8 2.7 2.4 2.2 1.9 1.1 0.7 0.7 0.5 0.5
 輸送密度(千人/日) 1.1 1.6 1.9 2.3 1.6 1.6 1.4 1.3 0.8 0.5 0.5 0.4 0.3
 貨物輸送量(万t/年) 3.3 2.3 1.7 2.0 4.4 1.3
 営業係数 142 171 176 269 312
営業中
 乗車したのは1997年。乗客はほとんどいなかったと記憶している。
1997.11三木駅 1997.11 三木駅
廃線跡
 廃止からちょうど1年後に訪れた。まだ撤去は始まっていないようで、すべての駅で駅舎、ホーム、レールが残っている。あまり雑草もないが、誰かが手入れをしているのだろうか。
2009.3 国包駅跡@ 2009.3 宗佐駅跡A
2009.3 下石野駅跡B 2009.3 石野駅跡C
2009.3 別所駅跡D 2009.3 三木駅跡E
 
車両
 ミキ180形
 三木鉄道開業時の車両で、富士重工業のLEーCarUシリーズ。12m級の2軸レールバスで、北条鉄道フラワ1985形とほぼ同型。180形はエンジンの出力に由来する。ミキ300形に置き換えられたが、1両が加西市内に残されているようである。
 形式 番号 両数  前歴 製造  消滅  備考
ミキ180形 101-102 2 新造 1985.1 2002.12
1997.11 三木駅
 ミキ300形
 ミキ180形を置き換えるために登場したもので、富士重工業の18m級LE-DC。北条鉄道のフラワ2000形とほぼ同型である。2008年の廃止後、まだ車齢が若かったため、ひたちなか海浜鉄道、北条鉄道、樽見鉄道に1両ずつ譲渡された。ひたちなか海浜鉄道では、車番も塗装も三木鉄道時代のまま活躍している。
 形式 番号 両数  前歴 製造  消滅  備考
ミキ300形 103-105 3 新造 1998.12-02.12 2008.4 →ひたちなか、北条、樽見
 
2016.10 もとミキ103
:ひたちなか海浜鉄道那珂湊駅
2016.1 もとミキ105:樽見鉄道本巣駅 

三木鉄道