大分県にある久大線の恵良から、県境を越えて肥後小国まで山あいを走っていた路線。改正鉄道敷設法で、佐賀〜瀬高〜菊池〜豊後森という長大な路線として計画されたものの一部である。宝泉寺から肥後小国までは、戦後に開業した新しい路線で、終戦直後の資材不足で鉄が不足する中、竹を用いた竹筋橋が生まれた。現在でもそのいくつかが保存されており、地元の観光案内にも載っている。

  1937.6.27 恵良〜宝泉寺間開業
  1943.9.1  全線休止(48.4.1再開)
  1954.3.15 宝泉寺〜肥後小国間開業
  1981.9.18 第1次特定地方交通線として廃止承認
  1984.12.1 全線廃止
   1937 1949 1956 1960 1965 1970 1973 1977 1980 1983
 輸送人員(千人/日) 0.2 0.6 1.8 1.8 1.7 0.9 0.8 0.6 0.5 0.4
 輸送密度(千人/日) 0.2 0.1 0.6 0.6 0.5 0.3 0.2 0.2 0.1 0.1
 貨物輸送量(万t/年) 0.6 0.8 4.5 3.4 2.2 1.5
廃線跡
 恵良〜肥後小国26.6km
 終点の肥後小国は、道の駅となって面影がない。片隅に駅名票がぽつんとあった。
 この時は下調べ不足だったが、北里駅のホームは国道脇にあってすぐわかった。きれいに整備されてしまっているので、駅全体の雰囲気は残っていない。
2004.5 肥後小国駅跡@ 2004.5 北里駅跡B
 竹筋橋のアーチは7ヶ所残っているようだが、国道から離れているようでなかなか見つけられない。ようやく遠くにこの橋を見つけたが、竹を使っているということは見ただけではわからなかった。
2004.5 麻生釣〜北里間 堂山橋梁C
 前回は見つけることができなかった4連の竹筋アーチ橋。橋の前後の廃線跡も遊歩道として残されており、雰囲気のいい所である。  
2009.2 肥後小国-北里間A
幸野川橋梁
2009.2 肥後小国-北里間A
 宮原線の大分県側は、廃線跡が見つけにくい。とくに山越えの麻生釣周辺は、ほとんど自然に還っているのか何も発見できなかった。町田駅跡はホームが残るが、今まさに撤去工事中であった。
 恵良駅を過ぎると間もなく、久大線から分かれていく宮原線の築提がよく見える。しかし辿っていくとすぐに突然途切れてしまう。
2009.2 町田駅跡D 2009.2 恵良駅付近E

宮原線