もとは、戦時中の1943年に三菱重工水島航空機製作所の専用鉄道として建設されたもの。戦後になって水島工業都市開発に移管され、1948年に地方鉄道となった。その後、倉敷市営鉄道を経て、1970年から第三セクターの水島臨海鉄道となっている。貨物輸送の比重が高く、旅客営業を行っているのは水島本線の倉敷市〜三菱自工前10.4kmのみである。
 
2016.5 倉敷市-球場前間
倉敷市営時代
 機関車
 DC501-502は30tL型機、DD503は45t凸型機で、DD504以降は50t凸型機となった。DC501は別府鉄道に譲渡されてDC302となり、路線廃止後も保存されている。
 
2016.5 DD501:倉敷貨物ターミナル
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
DC50形 501-502 2 新造 1953-56 1966 →茨城・別府
DD50形 503 1 新造 1958.4 1991.10
504-505 2 新造 1961.3-6 2014.3
506、501 2 新造 1966.6-68.2
 気動車
 初期の車両のうち、キハ301、310は水島臨海鉄道発足前に消滅している。夕張鉄道から譲り受けたキハ300形のうち3両は、1978年に岡山臨港鉄道に譲渡され、このうち元キハ301が保存されている。
 
2016.12 岡山臨港キハ7003(もとキハ301):ちどり保育園
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
キハ300 301 1 国鉄キハニ8 1948 不明
305 1 国鉄キハニ181 1951 1973
310 1 国鉄キハニ201 1951 不明
キハ310 311-312 2 国鉄キハ04形 1958 1974
キハ300 301-304 4 夕張キハ301等 1968.10-72.3 1978 3両→岡山臨港
キハ320 320 1 国鉄キハ07形 1969 1980
水島臨海鉄道設立後
 DE70形
 国鉄DE11形と同型で、水島臨海鉄道となった翌年に新造された。国鉄・JR線に乗り入れることができる。
 
2016.5 倉敷貨物ターミナル(右の車両)
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
DE70 701 1 新造 1971.3
 1970-80年代の気動車
 水島臨海鉄道発足後の主力となったのは、国鉄キハ10系・20系である。キハ205が動態保存車として長く残されていたが、2017年3月に引退した。
 
2016.5 キハ205:倉敷貨物ターミナル キハ200形 水島臨海鉄道塗装 
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
キハ321 321 1 同和キハ701 1973 1980
キハ35 351-357 7 国鉄キハ10系 1976-80 1989.12
キハ200 201-212 12 国鉄キハ20系 1986.3-91.10 2017.3 1両→茨城交通
2両→島原鉄道
 MRT300形
 水島臨海鉄道初の新造気動車で、新潟鐵工所のNDCシリーズ。全長21.3mの大型車である。ひまわり等のラッピング車両も運行されている。
 
2004.12 三菱自工前駅
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
MRT300 301-306 6 新造 1995.2-96.11
 キハ30・37・38形
 残存していたキハ200形を置き換えるため、JR東日本から譲り受けたもの。いずれも最後は久留里線で使用されていた。キハ30形は非冷房であるため、季節限定の運行となっている。
2019.1 キハ30:倉敷市駅付近
2016.5 キハ37:球場前駅 2016.5 キハ38:倉敷貨物ターミナル
2022.7 キハ37:球場前-倉敷市間 2022.7 キハ38:倉敷市-球場前間
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
キハ30 100 1 国鉄キハ30-100 2013.10
キハ37 101-103 3 国鉄キハ37形 2013.10
キハ38 104 1 国鉄キハ38形 2013.10
形式別車両数
種類 形式 1960 1972 1981 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
DC キハ301形 3 1
キハ310形 2 2
キハ300形 4
キハ320形 1
キハ35形 7 7
キハ200形 10 10 6 4 4 1
MRT300形 2 6 6 6 6 6
キハ30形 1 1
キハ37形 3 3
キハ38形 1 1
DL DC50形 2
DD50形 1 5 5 5 5 3 3 3 3 2 2
DE70形 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
年表

  1943.6.30 三菱重工水島航空機製作所の専用鉄道開業
  1948.8.20 水島工業都市開発が地方鉄道として倉敷〜水島港間開業
  1952.4.1 事業を倉敷市に譲渡
  1962.7.1 港東線、西埠頭線開業
  1970.2.2 水島臨海鉄道設立
  1970.4.1 水島臨海鉄道が倉敷市から事業を引継ぐ
  1972.9.18 水島〜三菱自工前間の旅客営業開始
  1983.4.1  倉敷貨物ターミナル開業
  2016.7.15 西埠頭線廃止

水島臨海鉄道