対馬海峡にある沖ノ島は、島全体がご神体とされ、少なくとも4世紀頃から祭祀が行われていた。島への上陸は基本的に認められておらず、海の正倉院と呼ばれるほど、貴重な遺構や遺物が残されている。自然崇拝を元とする固有な信仰が長期間にわたって継続していることが評価され、2017年に日本で21番目の世界遺産として登録された。なお、ICOMOSからは、沖ノ島および周辺の3岩礁のみを登録すべきという勧告が出されたが、最終的には宗像三宮をはじめ、推薦した8件すべてが登録の対象となっている。

  
沖ノ島
 1.沖ノ島(宗像神社沖津宮)
 2.小屋島、3.御門柱、4.天狗岩 
 島全体がご神体である沖ノ島は、沖津宮の社殿が建てられたのは17世紀で、それまでは自然崇拝の形式であった。島には巨石が数多くあり、巨石の周辺で古代の祭祀が行われていたと考えられている。周辺の3つの岩礁と合わせて、世界遺産の中核になっている。上陸禁止なので、実際に見ることはできない。
筑前大島
 5.沖津宮遥拝所 
 筑前大島の北側、沖ノ島が見える位置にある。訪問時も沖ノ島がかすかに見えていたが、写真ではまったくわからない。
2019.6 沖津宮遥拝所
 6.宗像神社中津宮
 筑前大島の南側、港のすぐ近くにある。隣には織姫彦星の神社があり、七夕伝説発祥の地とも言われている。
2019.6 中津宮 2019.6 中津宮
九州本土
 7.宗像神社辺津宮
 宗像三宮の中で唯一九州本土にあり、規模が最も大きい。本殿と拝殿は重要文化財。また、背後には祭祀遺構の高宮祭場がある。
2016.9 辺津宮本殿(重文)、拝殿(重文) 2016.9 沖津宮
2019.6 高宮祭場
 8.新原・奴山古墳群
 宗像大宮司を務めた宗像氏に関連する古墳群で、5〜6世紀のもの。前方後円墳5基、方墳1基、円墳41基が確認されている。

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群