ミケーネ文明は、クレタ島のミノア文明より少し遅れて、紀元前16世紀頃に興ったとされる。クレタ島やトロイに侵攻し、エーゲ海一帯を支配するが、BC1150年頃、海の民と呼ばれる謎の勢力によって滅ぼされている。ミケーネ文明の崩壊後、BC800年頃にポリスが成立するまでギリシャに有力な勢力が無くなり、暗黒時代と言われている。

ペロポネソス半島
 ミケーネ(世界遺産)
 ミケーネ文明は、かつては神話の世界と考えられていたが、1976年にハインリッヒ・シュリーマンがミケーネ遺跡を発掘したことで史実と認められたのである。遺跡は城壁に囲まれていて、入口にあるのがライオン門。門の上に2頭のライオンが刻まれているのだが、頭がよくわからなかった。 
2019.5 ライオン門
 ライオン門を入ってすぐ右側にあるのが円形墓地。入口に墓地があるというのも不思議だが、シュリーマンはまさにここで数えきれないほどの副葬品を発見したのである。中でも最も有名なのはアガメムノンのマスクと呼ばれているもので、シュリーマンはトロイア戦争の時の王アガメムノンのものと考えたのだが、今ではもっと古い時代のものだと考えられている。
2019.5 円形墓地A 2019.5 通称アガメムノンのマスク
(アテネの国立考古学博物館)
 坂を上って、最も高い所にあるのが王宮だが、単なる平らな場所でイメージしづらい。そこから奥の方を見ても、ところどころに石の人工物があるだけで、見所と言えるものはほとんど無かった。
2019.5 王宮 2019.5 職人の作業場
 遺跡から車で2〜3分のところに、アトレウスの宝庫がある。周辺でいくつも見つかっている陵墓の1つだが、内部は想像以上に広かった。石を組んだ円形の天井にも、当時の高い技術力が感じられる。
 
2019.5 アトレウスの宝庫 入口 2019.5 アトレウスの宝庫 天井 
 ティリンス(世界遺産)
 ティリンスもミケーネ文明を代表する遺跡の1つで、ミケーネ遺跡と合わせて世界遺産に登録されている。とは言っても知名度が低く、ナフプリオンの街から近いにもかかわらず観光客はまったくいなかった。
 正直なところティリンスはあまり期待していなかったが、想像より規模が大きく、しかも巨石でつくられているので迫力がある。天気が悪くて、写真がイマイチなのが残念である。
2019.5 ティリンス遺跡城壁 2019.5 入口の門の跡
2019.5 王宮 2019.5 穀物庫?
2019.5 出口
 ☆世界遺産「ミケーネとティリンスの古代遺跡群」 1999年登録

ミケーネ文明