長野、新潟の県境は、山脈というよりいくつもの単独峰が集まったエリアである。全体を示す呼び名は無いようで、飯綱、戸隠、黒姫、妙高、斑尾を北信五岳、また妙高、火打、焼山を頸城三山などと呼ぶことがある。妙高、黒姫、焼山などは火山で、妙高と焼山は活火山。火打、雨飾、高妻、戸隠は火山ではない。

2003.9 遠見尾根より
左端から雨飾山、焼山、火打山、中央に妙高山、右に高妻山と戸隠山も見えている
妙高周辺の山
 妙高山(2454、百名山)
 標高では火打山に負けるが、北信五岳の中では最高峰で、知名度も一番であろう。4つの時期の成層火山が積み重なった複雑な形をしている。記録に残る噴火はないが、約3000年前までは噴火があったと考えられている。
 
1996.5 妙高高原駅付近より 
 2004年、前の週の火打山が、雲が多く物足りなかったので、1週間後に今度は日帰りで妙高に向かった。ガイドでは登り4時間程となっているが、時間が限られているのでフルスピードで登ったら2時間強で山頂に到着。志賀高原や黒姫の方は途中から見えていたが、山頂近くで突然北アルプスが現れたときには感動した。火打は手に取れるほど近くに見えて、前週火打から妙高が見えなかったことが不思議なほどであった。

<燕温泉9:40-11:00天狗原-12:15山頂12:45-13:45天狗原-15:20燕温泉>
  標高差1350m
 
2004.10 燕温泉より  2004.10 山頂より火打山方面
手前の妙高外輪山がよくわかる
 火打山(2462、百名山)   
 北信エリアの最高峰で、火山に囲まれているが火打山は火山ではない。2004年の訪問時は残念ながら雲が多く、山頂が見えたのは一瞬であった。山頂からの景色が期待できそうになかったので、天狗の庭で引き返して黒沢池の方までまわったが、紅葉もほとんど終わっていて中途半端な山行きになってしまった。

<笹ヶ峰8:15-10:20富士見平-11:15高谷池-11:50天狗の庭12:05-13:20黒沢池-16:55笹ヶ峰> 
2004.10 天狗の庭より   2004.10 黒沢池
 中央が火打山で、すぐ左に続いているのが影火打、左端は焼山。上の写真の1週間後であるが、高いところは雪化粧をしていて雰囲気が変わっている。
2004.10 妙高山より
 雨飾山(1963、百名山)   
 雨飾は名前がなんとも魅力的で、花の山ということもあって気になっていたので、かなり忙しいプランであるが東京から日帰りで訪れた。始めは景色の見えない急な山道を登るが、突然視界が開けて荒菅沢の印象的な風景が姿を表した。ここから山頂まではお花も多く、きついけれど楽しい所である。日帰りだったので下りも少し先を急いでいたら、荒菅沢の先で大転倒。軽い打撲ですんだが、危うく大怪我をするところであった。

<登山口10:05-11:15荒菅沢-12:30山頂13:00-14:00荒菅沢-15:30登山口>
  標高差1090m
2005.7 荒菅沢より  2005.7 稜線より
 右奥が雨飾山で、その左に焼山と鋸山(1631)。晴れていれば紅葉とのコントラストが良かっただろうと思う。
  
2007.11 高浪池付近より
戸隠周辺の山
 戸隠山(1904、二百名山)
 戸隠は、単独の山ではなく、岩壁が連なる。海中で堆積したものが隆起し、その後浸食されたものである。登山というよりクライミングができないと登れないような山だけあって、荒々しい姿である。水芭蕉を見に行ったが、山の景色のほうが印象に残った。 
1996.5 戸隠高原より 戸隠連峰 1996.5 戸隠高原より 右は高妻山
 高妻山(2353、百名山)
 高妻山は、戸隠周辺の最高峰でありながら、北信五岳には含まれず、知名度も低い。登山は戸隠牧場から4時間強の行程である。
 手前右が高妻山、その左に戸隠の山々が続く。奥は戸隠の上が鉢盛山、高妻の上には常念、乗鞍・奥穂、槍が連なっている。
2004.10 妙高山より
 黒姫山(2053、二百名山)  
 妙高山の南にある成層火山。約4万年前には火山活動を終えている。山頂にはカルデラがあり、最高地点は中央火口丘ではなく外輪山である。登山は、黒姫高原から4時間半ほどとなる。
2004.10 妙高山より
いちばん手前が黒姫、後ろに重なるのは飯綱山。遠く左に八ヶ岳、右に美ヶ原
 飯綱山(1917、二百名山)
 黒姫山の南にある成層火山で、妙高、黒姫、飯縄はほぼ一直線に並んでいる。活動時期は黒姫とほぼ同じで、約5万年前に火山活動を終えている。
2003.9 遠見尾根より 左に高妻山と戸隠山、右奥が飯綱山

北信の山々