水運や醸造業で栄えた流山と、日本鉄道(常磐線)の駅を結ぶ路線として、1916年に開業した軽便鉄道が始まり。1924年に1067mmに改軌して普通鉄道となった。戦前は蒸気機関車とガソリンカーによる運行だったが、戦時中の燃料事情の悪化を受けて、1949年に電化されている。社名はめまぐるしく変わっており、2008年から流鉄となった。
2023.12 小金城趾~幸谷間
戦前(改軌後)
 1924年の改軌時に導入されたのは、駿豆鉄道から借入れた2両のSLと客車3両。SLは翌年に正式に譲り受けた。1933年には半鋼製2軸ガソリンカーのキハ31が登場し、電化前の旅客輸送の主力となっている。電化後、SLは間もなく消滅するが、ガソリンカーは増結用の付随車となった。キハ31が流山セントラルパーク駅から徒歩10分ほどの流山総合運動公園で保存されている。
2016.6 キハ31:流山市総合運動公園
 種類 番号 両数  前歴 登場 消滅  備考
SL 15、16 2 駿豆15-16 1925 1939
105、1255 2 国鉄105等 1938 1955
PC フハ11、フロハ21、
ハニ1
3 国鉄より 1923 1937
DC キハ31-32 2 新造 1933 1963
戦後~1970年代
 100・1000形
 電化された当初の車両は国鉄からの払下げで、元南武鉄道のもの。その後の増備もすべて譲受車である。両運転台のモハ1101は1994年まで使用された。
モハ100形
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
モハ100形 101-103、105 4 国鉄モハ100形 1949-54 1979
モハ1000形 1001-02 2 西武クハ1212
東濃モハ111
1963.12-75.8 1988.1
モハ1100形 1101 1 京急クハ480 1968.11 1994.1
クハ50形 51-53、55 4 国鉄クハ5601
西武クハ1215
富士急モハ901
東濃クハ211
1955-75.8 1988.1
1980年代以降
 1200形
 西武鉄道の501系と551系を譲り受けたもので、これによって総武流山電鉄の車両はほぼ統一された。3両編成は「流星」「流馬」「銀河」「若葉」、2両編成は「なの花」「あかぎ」という愛称が付いていた。2000・3000形に置き換えられて消滅している。
1200形
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
クモハ1200形
サハ60形
1201-03、05-09
61-63、65
12 西武501系 1979.1-81.6 1999.6
クモハ1210形
クモハ1300
1210
1301
2 西武Mc551 1984.11-87.12 2001.5
クハ70形
クハ80形
71
81
2 西武Tc1601
 2000・3000形
 1200形に引き続いて西武鉄道から譲り受けたもので、総武流山電鉄初の新性能車。M車に運転台を移設してMc車としている。2000形は2両編成が「青空」「なの花」、3両編成が「明星」「流馬」、3000形3両編成は「流星」「若葉」という愛称であった。3000形は2011年5月、2000形も2013年4月に運用を終了した。昭和の杜博物館で1両、さいたま市のほしあい眼科でカットボディ2両が保存されている。
2005.5 2000形:流山駅
 
 2016.7 クモハ2006:昭和の杜博物館 2016.6 さいたま市ほしあい眼科
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
クモハ2000形
モハ2100形
クハ20形
2001-06
2101-02
21-22
10 西武701・801系 1994.8-97.10 2013.5
クモハ3000形
モハ3100形
クハ30形
3001-02
3101-02
31-32
6 西武101系 1999.3-7 2011.6
 5000形
 2000・3000形を置き換えるために、西武鉄道の新101系を譲り受けたもの。2両編成のみ5本導入され、「流馬」「流星」「あかぎ」「若葉」「なの花」という愛称となった。西武時代からMc-Mcの2両編成なので、大きな改造は受けていない。2017年に「流馬」は塗装が換わって「さくら」と愛称が変わっている。
 
2015.11 「若葉」;馬橋駅 2017.5 「流馬」;幸谷駅付近 
 
2021.4 「流星」:鰭ヶ崎~平和台間 2021.4 「さくら」;小金城趾~幸谷間
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
クモハ5000形
クモハ5100形
5001-05
5101-05
10 西武新101系 2009.12-13.11
形式別車両数
種類 形式 1935 1954 1964 1972 1981 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
EC 旧型車 3 7 6 6 3 1
1200形 9 12 12 12
1210形 2 4 4 2
2000形 2 10 10 4
3000形 6 6 6
5000形 2 10 10
DC キハ30形 2 2
SL 15等 2 1
DL DB1 1 1 1 1
PC フハ11等 3          
年表

  1913.11.7 流山軽便鉄道設立
  1916.3.14 馬橋~流山間5.9km開業(762mm、蒸気)(現在は5.7km)
  1922.11.15 流山鉄道と改称
  1924.12.25 1067mmに改軌
  1949.12.26 電化
  1951.11.28 流山電気鉄道と改称
  1967.6.20  流山電鉄と改称
  1971.1.20  総武流山電鉄と改称
  1977.4.1   貨物営業廃止
  2008.8.1   流鉄と改称

流鉄