名古屋市電のルーツは、名鉄の前身である名古屋電気鉄道。市内線と郡部線を開業させていたが、市内線を1922年に名古屋市が買収し、郡部線は後の名鉄となる。名古屋市電は、その後も合併などで拡大し、最盛期は100kmを超えた。廃止は1976年である。

  ○名古屋電気鉄道→(1922.8.1)名古屋市
   (名古屋市内 102km  1898.5.6開業 1974.4.1廃止)
    ※このほか熱田電気軌道、中村電気軌道、新三河鉄道、築地電軌、下之一色電車軌道
     を買収
種類 形式 番号  登場年 1922 1932 1954 1968 備考
単車 1-389 1898-1923 189 227 46
ボギー車 SB・LB形 1001-1043 1920-23 15 43
MB形 1101-1116 1925 16
BLA形 1201-1210 1927 10 8
BLC形 1301-1316 1929 16 16 16
1400形 1401-1475 1936-42 75 75
1050形 1051-1070 1943 20 7 SB・MB形更新
1150形 1151-1177 1944-48 27 20 LB形更新
900形 901-907 1943-44 6
1070形 1071-1075 1948 5
1500形 1501-1545 1949-50 45 45
1550形 1551-1562 1953-54 12 12
1600形 1601-1676 1950-51 76 76
1700形 1701-1705 1950-51 5 5
1800形 1801-14、21-30 1953-54 24 24
1900形 1901-1922 1953-56 22 22
2000形 2001-2029 1956-58 29
800形 801-812 1956-58 12
連接車 2600形 2601-2615 1941 12 6 単車改造
2700形 2701-2711 1946-48 11 11
3000形 3001-3010 1943 10 8
戦前
 1形
 名古屋電気鉄道開業時の1号形は、1918年の札幌電気軌道(後の札幌市電)開業時に24両が札幌へ移った。これらは1936年までに廃車となったが、円山動物園で保存されていた1両が1960年に動態復元される。これが22号で、その後は札幌市交通史料館で保存され、2013年から明治村に貸し出されている。
  
 2018.10 22号:明治村
 BLA形
 1927年に登場した、名古屋市電初の半鋼製低床ボギー車。廃車後、4両が豊橋鉄道に譲渡され、このうち3702号が製造時の塗装に復元された。廃車後も豊橋市こども未来館で保存されている。
  
2018.5 豊橋鉄道3702号:豊橋市こども未来館
 1400形
 1936年から75両が製造され、名古屋市電の代表形式となった車両。名古屋市電最後の日まで活躍した。また、豊橋鉄道に9両が譲渡され、3102号は今もイベント用として現役である。
   
2015.11 1421号:レトロでんしゃ館 2005.2 もと1400:豊橋鉄道豊橋駅前
 3000形
 戦時中の工員輸送のために製造された連接車。最後はラッシュ時中心であったが、1970年まで活躍した。
2015.11 3003号:レトロでんしゃ館
戦後
 2000形
 アメリカで登場していた、PCCカーと呼ばれる高性能路面電車を参考に、日本でも和製PCCカーの開発が進められた。名古屋市電では、1953年に最初のPCCカーである1800形が登場し、さらに1900形・2000形と増備されている。2000形は名古屋市電で最後に登場した形式でもあり、浄心車庫に配置され、市電廃止より一足はやく1972年に消滅した。
 2015.11 2017号:レトロでんしゃ館 

名古屋市電(廃止)