日光国立公園には、日光連山、那須連山や尾瀬周辺の山々が含まれる。多くが那須火山帯に属する火山で、とくに那須岳と日光白根山はBランクの活火山。一方、至仏山や会津駒ヶ岳は火山ではなく、広義の越後山脈に含められている。

2015.3 飛行機より 中央が中禅寺湖、その右が男体山
日光連山
 日光白根山(2578、百名山) 
 日光連山の最高峰だが、単独の峰ではなく、日光火山群の中に溶岩ドームがそびえる。日光連山の中では最も新しく、明治時代にも水蒸気噴火があった。途中までロープウェイがあるので、2時間半ほどの行程で山頂に立つことができる。小学生の頃、途中まで登ったが、雨のため諦めたことがあり、山頂を間近に見たのも2006年が初めてである。
2006.10 中禅寺湖より 1998.10 伊香保より
左が日光白根、右手前が皇海山
 男体山(2484、百名山)  
  中禅寺湖の北側にある成層火山。高さでは日光白根に及ばないが、富士に似た姿の美しさは断然こちらの方がすばらしい。近年の噴火活動は無いが、約7000年前に噴火があったと考えられるため活火山に分類されている。とくに半月山は抜群の展望台で、中禅寺湖の向こうに男体山が見えている。南北に登山ルートがあり、中禅寺湖畔からは3時間半の行程である。
2006.10 半月山より
2006.10 戦場ヶ原より 2006.10 明智平より
 左が男体山で、右は大真名子山と女峰山。新幹線からも同じような角度で見ることができるが、晴れた時に巡り会っていない。
2007.12 新高徳付近より
 女峰山(2483、二百名山)
 男体山と対をなす成層火山で、標高は男体山とほぼ同じ。噴火は8万年以上前に終わっており、浸食が進んで荒々しい姿である。中禅寺湖側から見ると男体山の裏側にあるので、なかなかよく見えない。写真の左は男体山の山すそである。 
2006.10 半月山より
 大真名子山(2375)・小真名子山(2323)
 男体山と女峰山の間にあり、孫山「まなご」が由来とされる。どちらも溶岩円頂丘である。写真の右の2つの山が大真名子、小真名子で、左から2つめは太郎山だが、山頂はここからは見えない。日光は中学生以来久々で、途中雨にも降られたが、帰る直前に大真名子や男体山の姿が現れた。
2003.9 小田代ヶ原より
 皇海山(2144、百名山) 
 日光白根山から、南西に続く尾根にある、古い時代の成層火山。かつては皇海橋から登ることができたが、途中の林道が通行禁止になったため、登山道は銀山平からの8時間の行程のみとなった。全国でも有数の難易度が高い山となっている。
2006.10 半月山より
右が皇海山、そのすぐ左は庚申山で、左側の山はおそらく袈裟丸山
1998.10 赤城山より
左が日光白根、中央手前に皇海山、右奥に男体山と女峰山
尾瀬周辺の山
 至仏山(2228、百名山)
 尾瀬ヶ原の南東にある山。火山ではなく、早池峰山と同様の蛇紋岩で形成されている。ホソバヒナユキソウをはじめとする高山植物の宝庫である。
 夜行バスで鳩待峠に行き、まず至仏山に登った。お目当てのホソバヒナウスユキソウは、はじめなかなか見つからなかったが、山頂付近にたくさん咲いていた。山頂からは尾瀬ヶ原が雲海のようになっていて幻想的であった。

<鳩待峠:5:10-7:10至仏山7:40-9:45山の鼻11:00-12:30竜宮-14:00下田代>
  標高差640m
 
1998.7 尾瀬ヶ原より 1998.7 オヤマ沢田代より 
 燧ケ岳(2356、百名山)
 尾瀬ヶ原の北東にある活火山。噴火の記録はないが、約500年前には噴火があったと考えられている。尾瀬沼は、約8000年前の燧ヶ岳の山体崩壊によって誕生したものである。
 尾瀬ヶ原で1泊して、翌日は燧ケ岳に登った。急登が続いて至仏以上にバテたが、山頂は尾瀬ヶ原と尾瀬沼の両方が見渡せて気持ちよかった。 

<下田代6:30-8:35燧ケ岳9:30-11:00沼尻-長蔵小屋-13:20沼山峠-13:45駐車場>
  標高差940m
1998.7 尾瀬沼より 1998.7 見晴付近より
 1998.7 燧ケ岳より 尾瀬ヶ原の奥に至仏山が見える
 会津駒ヶ岳(2133、百名山)
 燧ヶ岳の北東、只見川本流と檜枝岐川の間にある山。火山ではない。登山ルートは3つあり、最短ルートは3時間半の行程である。
1998.7 至仏山より 左のなだらかな山が会津駒ヶ岳、中央は燧ケ岳
 武尊山(2158、百名山)
 武尊山は、至仏山の南西にある火山。上州武尊とも呼ばれ、歴史のありそうな立派な名前だが、山としては地味でイメージがあまり無い。登山ルートは多く、最短であれば4時間弱の行程となる。
 写真は右端が武尊山で、その左奥に日光白根山。左端の三角の山が燧ケ岳で、その右に至仏山が見える。
1996.7 谷川岳より
那須岳
 那須の主要な峰は那須五岳と呼ばれ、茶臼岳、三本槍岳、朝日岳、南月山、黒尾谷岳がある。茶臼岳が最も知られているが、標高は僅かに三本槍岳が高い。
 茶臼岳(1915、百名山)
 茶臼岳は、約600年前に形成された溶岩ドームが特徴的。東北新幹線からも全体がよく見えている。
2007.4 新幹線より 中央のこんもりとした山が茶臼岳
 
1998.5 剣ヶ峰より 茶臼岳 2022.2 Mt.Jeansより 左が茶臼岳 
 三本槍ヶ岳(1917) 
 ロープウェイを使うと茶臼山まではすぐで、そこからながめのいい尾根歩きを楽しんだ。

<ロープウェイ上11:20-11:40茶臼岳-峰の茶屋-13:00三本槍ヶ岳-14:10朝日岳-15:00山麓>
 1998.5 三本槍ヶ岳 1998.5 峰の茶屋付近より 朝日岳
塩原周辺の山
 高原山(1795)
  那須と日光の間にあり、日塩もみじラインが通ることで知られる山。釈迦ヶ岳と鶏頂山の双耳峰で、この角度だととてもよくわかる。
2006.10 明智平付近より
 大佐飛山(1908)
 那須の南西側に位置する山。標高は那須とほとんど同じであるが、登山道が無いために全くの無名峰である。
 1998.5 那須岳より

日光・那須の山々