能勢妙見山への参詣輸送を目的として、1913年に開業したもの。1977年までは軌道の扱いで、社名も能勢電気軌道だった。1981年以降はすべて阪急電鉄から譲り受けた車両を使用している。
戦前
 開業時に導入されたのは、路面電車スタイルの1形と電動貨車の100形。このうち1形は1941年に廃車となったものの、トップナンバーの1が宝塚ファミリーランド等で保存されていた。現在は阪急正雀工場内にあり、イベント時に見ることができる。ただしナンバーは1ではなく2になっている。
形式 番号 両数  前歴 登場 消滅 備考 
1形 1-6 6 新造 1913 1941
11形 11-15 5 東京市200形 1920 1933
21形 21-30 10 伊予鉄道1-10 1923 1937
31形 31-36 6 新造 1926 1966
37形 37-38 2 九州鉄道21-22 1934 1958
40形 40、41、43、45 4 阪急40形 1936 1962
100形 101-103 3 新造 1913 1966 電動貨車
105形 105 1 伊予鉄道 1923 1957 電動貨車
2017.5 1形1:阪急正雀工場
戦後の旧型車
 木造車・鋼体化車
 戦後もしばらくは阪急電鉄の木造車の導入が続く。10形と20形は、どちらも元新京阪電鉄P-4で、譲り受けたか借入れたかの違いである。1954年から鋼体化改造が始まり、70形が50形に、そして戦前の40形が60形となった。これらのほとんどは1966年に廃車となったが、51・61の2両のみが国鉄連絡線用として1981年の路線廃止まで使用されていた。
50形
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
70形
→50形
71-73
→50-52
3 阪急37形 1949.5 1981
10形 10-15、28-29 8 阪急デロ10等 1957.5-12 1967
20形 20-25 6 阪急デロ10等 1961(借入) 1966
60形 60-61 2 40形 1954.12 1981
 320・380・500・610形
 320・500形は、輸送力向上のために阪急から譲り受けた、能勢電軌初の15m車。これにより、在来車は51・61の2両を除いて全廃された。1977年には、同じく15m級の610系を大量に導入している。1000系以降の大型車の登場によって廃車が進み、1992年4月にさよなら運転を行って消滅した。保存車は無い。
 形式 番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
320形 320-331 12 阪急320-331 1966.7-10 1986.12
380形 383 1 阪急383 1975.4 1985.8
500形 506-507、510-530 23 阪急500形 1967.10-72.9 1986.12
610系 610-622等 35 阪急610系 1977-83 1992.5
新性能車
 1000系
 1500系と同時期に導入された、能勢電鉄初の19m級の大型車。1000Fは1010系、1001Fは1100系の譲受車である。1998年に6両編成1本に組み替えている。2001年4月にさよなら運転を行って消滅した。
1000系新塗装
 形式 編成番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
<Mc>1000-
<Tc>1050-
<M>1030-
<T>1080-
1000-01F 8 阪急1010・1100系 1986-88 2001.4
 1500・1700系
 阪急2000・2100系を譲り受け、1000系とともに能勢電鉄初の19m級大型車となったもの。すべて4両編成であった。1997年には一部が区間運転用の2両編成に改造されている。
.2016.6 1500系:山下駅 2018.11 1552:吉川八幡神社 
2005.9 1700系:妙見口駅 2018.11 1700系:多田駅
 形式 編成番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
<Tc>1550-
<Mc>1500-
<M>1530-
<T>1580-
1550-55F 24 阪急2100系 1983 2016.6
<Tc>1750-
<Mc>1700-
<M>1730-
<T>1780-
1750-58F 36 阪急2000系 1989.6
 3100系
 阪急3100系のうち、箕面線用の4両編成1本が能勢電鉄に譲渡された。ほぼ原形のまま使用されていた。2021年4月に運用を終えている。
2018.11 多田駅
 形式 編成番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
<Tc>3170
<Mc>3120
<M>3620
<T>3670
3170F 4 阪急3100系 1996.12 2021.5
 5100系
 1500・1700系を置き換えるため、阪急5100系を譲り受けたもの。4両編成が6本である。改番は行われず、阪急時代と同じ番号となっている。
2016.6 山下駅  2022.4 妙見口駅
 形式 編成番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
<Mc>5108-
<T>5658-
5108F等 24 阪急5100系 2014.7-16.1
 6000系
 能勢電鉄唯一の8両編成で、能勢電鉄譲渡後も阪急6000系と共通運用。能勢電鉄に乗り入れるのは日生エクスプレスのみで、通常は阪急線内で運用されている。
2018.11 川西能勢口駅
 形式 編成番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
<Mc>6002-、6102
<M>6502、6602
<T>6552、6562、6572、6582
6002F 8 阪急6000系 2014.8
 7200系
 阪急7000系の先頭車と6000系の中間車を組み合わせた4両編成。7002Fは中間車も7000系となっている。能勢電鉄初のVVVFインバータ制御車である。
2018.11 多田駅
 形式 編成番号 両数  前歴 登場  消滅  備考
<Mc>7200-
<Tc>7250-
<M>7230-
<T>7280-
7200-02F 12 阪急7000系
・6000系
2018.3-21.4
形式別車両数
種類 形式 1930 1954 1964 1972 1981 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
EC 木造車 27 12 16
50・60形 3 5 2 2
320形 12 13 5
500形 17 23 11
610系 28 35 35
1000系 8 8 6
1500系 16 24 24 24 24 24 16
1700系 4 36 36 32 32 32 16
3100系 4 4 4 4 4
5100系 8 24
6000系 8 8
7200系 8
電動貨車 4 2 2 1 1 1 1
年表

  1908.5.23 能勢電気軌道設立
  1913.4.13 能勢口(現・川西能勢口)〜一の鳥居間6.3km開業
  1923.11.3 池田駅前(後の川西国鉄前)〜妙見口間13.3km全通
  1977.12.27 軌道から鉄道に変更
  1978.10.1 能勢電鉄と改称
  1978.12.12 日生線:山下〜日生中央間2.6km開業
  1981.12.20 川西能勢口〜川西国鉄前間0.7km廃止

能勢電鉄