新幹線の大幅なスピードアップを目指し、最高速度270km/hを実現した車両。車体は、東海道・山陽新幹線では最初のアルミニウム合金製。全長は、先頭車26,050mm、中間車25,000mm。台車はボルスタレスで、コイルばね、円錐積層ゴム式のTDT203とTTR7001。主電動機出力は300kW。駆動はWN、制御はGTO素子のVVVFインバータ、制動は電気指令式(回生併用)である。10M6Tの16両編成で、うちグリーン車3両。食堂車は設定されていない。
 1990年に試作車が登場し、1992年3月から「のぞみ」の愛称で営業運転を開始した。当初は東海道新幹線区間のみの運転だったが、翌年にはJR西日本が3000番台を導入し、博多までの運用が行われている。スピード最優先の設計であったため、居住性や振動などの課題があった。700系の増備が進むと、2001年には早くも「のぞみ」定期運用が無くなり、270km/hの性能を発揮する機会がほとんど無くなる。そして2012年3月に営業運転を終了した。

  1992.3.14 東海道新幹線「のぞみ」にて営業運転開始
  1993.3.18 山陽新幹線における運用開始
  2001.10.1 「のぞみ」の定期運用終了
  2012.3.13 定期運用終了
  2012.3.16 最後の営業運転
JR東海
 9000番台・0番台  
 JR東海の所有車で、9000番台が試作車、0番台が量産車である。初代「のぞみ」として印象深い形式だが、保存車は僅か1両となっている。

○322-9001
 試作車として登場した最初の先頭車。100系などと並んでリニア・鉄道館で展示されている。当初は0番台先頭車も展示されていたが、解体されてしまった。
 
2015.11 322-9001:リニア・鉄道館
 番台 Mc
322
Tc
323
M
325
M
326
Ms
315
Ms
316
T
328
T
329
Ts
319
 前歴  登場  消滅
9000番台 1 1 2 1 1 1 2 1 1 新製 1990.3 2007.3
9400番台 1
9500番台 1 1 1
9700番台 1
  0番台 60 60 120 60 60 60 120 60 60 1992.2-98.10 2012.3
400番台 60
500番台 60 60 60
700番台 60
JR西日本
 3000番台  
 JR西日本の所有車で、仕様はJR東海の0番台とほぼ同じ。JR東海は9000番台を合わせて61編成導入したのに対し、JR西日本の所有車は9編成にとどまった。保存車は無い。
 番台 Mc
322
Tc
323
M
325
M
326
Ms
315
Ms
316
T
328
T
329
Ts
319
 前歴  登場  消滅
3000番台 9 9 18 9 9 9 18 9 9 新製 1992.12-93.9 2012.10
3400番台 9
3500番台 9 9 9
3700番台 9
車両配置表

1990 1992 1995 1998 2000 2002 2005 2008 2010 2012
東京・大阪 16 80 432 912 976 976 976 832 400
博多 144 144 144 144 144 144 144 48
300系