尾道から上下までを結ぶ路線として計画されたもので、開業時から電車運転。山越えをして市駅まで開業したが、その先の延伸は実現しなかった。戦後の1960年代になっても5千人近い利用があり、地方鉄道としては比較的利用者が多かったが、バス事業に力を入れた方がいいということで、1964年に廃止されてしまった。

  1925.11.1 尾道鉄道西尾道〜石畦間開業
  1926.4.28 石畦〜市間延伸
  1933.3.28 尾道延伸により尾道〜市間全通
  1957.2.1  石畦〜市間廃止
  1964.8.1  全線廃止
  1941 1949 1955 1960 1963
 輸送人員(千人/日) 2.5 4.5 3.9 4.9 4.8
 輸送密度(千人/日) 1.1 2.2 1.7 2.6 2.6
 貨物輸送量(万t/年) 0.3 0.0 0.3 0.1 0.1
 営業係数 63 92 125 108 139
廃線跡
 尾道〜市17.1km
 尾道の市街地では、鉄道の痕跡がまったく見つけられない。最初にわかるのは木梨口の先で、廃線跡が車道より一段高い歩道となっている。終点だったこともある石畦駅も車道に飲み込まれてよくわからない。
2015.3 木梨口〜遊亀橋間@ 2015.3 石畦駅跡A
 西高上駅の手前にあった2号隧道は、車道の右に歩道のトンネルとして残る。4号隧道はほぼ完全な形で残っていて、レンガ積みが美しい。尾道鉄道最大の遺構といえる。
2015.3 石畦〜西高上間 2号隧道B 2015.3 西高上〜畑間 4号隧道C
 諸原駅はスイッチバックになっていて、写真ではわかりにくいが、現地に立つと何となくイメージできた。市駅跡は中国バスの出張所になっている。
2015.3 諸原駅跡D 2015.3 諸原〜市間E
2015.3 市駅跡F

尾道鉄道