奥羽山脈は、東北地方を南北に縦断する脊梁山脈。もとは海だったところで、約1000万年前からの隆起と火山活動によって誕生した。主要な山は、ほとんどが火山で、那須火山帯に分類される。奥羽山脈の中部には、焼石岳、栗駒山、船形山、蔵王山などがあり、いずれも火山である。百名山は蔵王山だけであるが、栗駒、焼石などもお花畑や紅葉など四季それぞれ魅力的な山があり、百名山に選ばれていないのが不思議なほどである。

栗駒山周辺
 栗駒山(1627、二百名山) 
 栗駒は岩手、宮城、秋田の3県境にある山。約80万年前に活動を開始したとみられる成層火山で、1944年にも噴火をしている。紅葉の時期が一番だと思い、時期を合わせて10月第1週に登った。須川温泉でバスを降りたときは、まだ早かったかと思ったが、中腹あたりがちょうど見頃で華やかだった。下りはいわかがみ平に下ることを考えていたが、もう一度中腹の紅葉を見たくて同じ道を引き返した。

<須川温泉10:30-11:10昭和湖-12:15山頂12:50-14:30須川温泉> 標高差510m
 1998.10 名残ヶ原より   2003.10 山頂付近の稜線
 焼石岳(1548、二百名山)
 焼石は栗駒の少し北にあり、やはり花と紅葉で有名な山。火山であるが、長期間活動の形跡が無い。登山は3時間程度の行程である。栗駒の山頂では、晴れているわりには遠くの山が見えていなかったが、北側の焼石岳は辛うじて見えた。
 1998.10 栗駒山より
右奥が焼石岳 
 神室山(1365、二百名山) 
 神室山は、7つの峰が連なる神室連峰にある。宮城・山形・秋田3県の県境にあり、古くから信仰の山として知られる。しかし、標高がさほどでもないためか知名度が低く、地味である。
 2003.10 月山より 中央奥が栗駒山、その左に神室山、右は荒雄岳
船形連峰
 船形山(1500、二百名山) 
  栗駒と蔵王のちょうど中間にある山。このあたりは奥羽山脈の中では高い山が少ないので、船形山が堂々として見える。
 2003.10 月山より 1995.7 熊野岳より
中央奥が船形山
蔵王山
 蔵王は、いくつものピークが連なる複合火山群。約40万年前に始まる火山活動で誕生したとみられ、最後の噴火は1940年である。山形は仕事で何度となく行ったが、麓から蔵王が見えたことはほとんどなかった。
 
2003.10 蔵王駅付近より
 熊野岳(1841、百名山)  
 熊野岳は、蔵王の最高峰。お釜から熊野岳を通って地蔵岳まではアップダウンもほとんどなく、木もほとんどないので景色がいい。残念ながらコマクサは発見できなかったが、月山や船形山などの眺めを楽しんだ。地蔵岳からはロープウェイで下ったので、少し歩き足りなかった。

<馬の背11:10-お釜-熊野岳-14:00地蔵岳>
1995.7 地蔵山より 1995.7 ドッコ沼付近より
2008.10 一切経山より 左に熊野岳と刈田岳、右は屏風岳
 地蔵山(1736)  
 熊野岳の北西にある山。山頂のすぐ近くにロープウェイの終点があるので、ほとんど歩かずに上ることができる。 
1995.7 左:三宝荒神山、右:地蔵山
 屏風岳(1825)  
 南蔵王の最高峰。写真はお釜からの眺めで、奥が屏風岳、左は烏帽子山である。
1995.7 お釜付近より

奥羽山脈−栗駒・蔵王