イベリア半島でキリスト教国によるレコンキスタ(国土回復運動)が始まる中、カスティーリャ王国から独立してポルトガル王国が成立する。13世紀には現在のポルトガルがほぼ統一され、インド航路を開いて海外に進出し世界帝国の1つとなる。しかしナポレオン戦争で一時ブラジルに遷都、戦後もブラジルの独立や内戦などで衰え、1910年の革命で王政が倒れて共和国となっている。

 1139年 ポルトガル王国成立
 1149年 イスラム勢力からリスボン奪還
 1249年 ポルトガルのレコンキスタ完了
 1498年 バスコ・ダ・ガマ、インド到達
 1581年 スペイン国王による同君連合となる
 1640年 ポルトガル再独立
 1910年 共和制革命

リスボン県
 リスボン  
  リスボンは、ローマ時代から属州ルシタニアの首都フェリキタス・ユリアとして栄えた街。ポルトガル王国が1147年にイスラム勢力から奪還し、1260年に再び首都となった。大航海時代には新大陸への玄関として繁栄するが、1755年のリスボン大地震で壊滅的な打撃を受けている。
 マドリードから夜行列車で到着。まずはアルファマ地区で朝の散歩をする。曲がりくねった道は迷子になりそうだが、丘の上からの景色は素晴らしかった。 
1994.2 アルファマ地区より 1994.2 壁を彩るアズレージョ
  丘の上にはサン・ジョルジェ城がある。ローマ時代が起源といわれ、イスラム時代、ポルトガル王国時代と絶えず改修・拡張が繰り返されてきた。ここからは街が一望でき、奥の霧の中には4月25日橋がかすかに見えていた。
 丘を降りると、海沿いのコメルシオ広場に出る。ここはかつてリベイラ宮殿があったが、リスボン大地震で壊滅した後、広場として整備されている。 
1994.2 サン・ジョルジェ城より 1994.2 コメルシオ広場
右奥にサン・ジョルジェ城
 シントラ(世界遺産)  
  シントラは、詩人バイロンが「エデンの園」と評した街で、シントラ宮殿、ペーナ宮殿など宮殿がいくつも建てられている。リスボン観光後、カスカイスで海辺の散歩をしてから電車に乗って15時半に到着した。
 シントラにはいくつか見所があるが、いちばん面白そうなペナ宮殿を目指す。ここは1836年に建てられたロマン主義を代表する建物で、山の上にあってバスも見つからず、1時間以上歩いてようやくたどりついた。中はアラビア風、インド風、東洋風などいろいろな部屋があり、庭から見える大西洋の景色も美しい。
 この後、下りもまた歩くのかと気が重かったが、運よくタクシーが通りかかった。ラッキーだと思いながらシントラ駅に行ってリスボン行きの電車に乗ると、今度は郊外の変な駅に連れて行かれてしまった。暗くなっていく中を心細く彷徨っていたら、なんとか地下鉄の駅を発見するというドタバタ劇を演じてしまった。この日はまた夜行で、ポルトガルでは1泊もしていないという忙しすぎる計画だった。
1994.2 ペナ宮殿
 ☆世界遺産「シントラの文化的景観」  1995年登録
    シントラ宮殿、ペナ宮殿、ムーアの城砦、レガレイラ宮殿など

ポルトガル王国