琉球では、14世紀までに南山、中山、北山の三国にまとまり、1429年に第一尚氏が統一を果たした。この頃から首里城が王家の居城だったとみられる。1609年に薩摩藩が攻め込み、薩摩藩に従属する立場となったが、独立国家の体裁は保っていた。明治時代になって、1879年の沖縄県設置により、王族による支配体制は終わっている。本土とは異なる、琉球独自の文化を示すものとして、城跡など9件が、2000年に日本で11番目の世界遺産として登録されている。

那覇市
 1.玉陵
 琉球王国、第二尚氏の歴代国王の陵墓。沖縄戦で大きな被害を受けたが、復元されている。3つの石室と2つの石牆が、2018年に国宝となっている。
2018.10 東室(国宝) 2018.10 中室(国宝)、西室(国宝)
 2.園比屋武御嶽石門
 首里城の守礼門のすぐそばにあるので、首里城のように思ってしまうが、世界遺産としては別の物件になっている。16世紀はじめの王国全盛期のもので、目を見張るようなものではないが歴史が感じられた。
2005.6 園比屋武御嶽石門(重文)
 7.首里城跡
 琉球王国の都で、明治以降も正殿が保存されていたが、太平洋戦争によって全て焼失した。最近でも盛んに修復工事が行われて建物が増えてきている。沖縄訪問ははじめ3回連続の日帰り出張となり、唯一観光した首里も守礼門は工事中といいことがなかったが、4回目でようやくゆっくり見て回ることができた。建物は新しいのでテーマパークのようだが、全体の規模と立派な石垣には目を見張った。 
1999.10 首里城
 2005年は団体旅行で2度目の首里城入場。しかしあいにくの天気で、印象に残っているものはあまりない。 
2005.6 守礼門 2005.6
 その後も仕事で沖縄へ行く機会が多かったので、晴れた日を選んで10年ぶりに首里散策。有料エリアには入らなかったが、城全体の構造はよくわかった。 
2015.6 守礼門 2015.6 歓会門
2015.6 瑞泉門と左奥に漏刻門 2015.6 広福門
2015.6 奉神門 2015.6 正殿
 8.識名園  
 王国の別荘だった所で、太平洋戦争でほとんど破壊されたが沖縄返還後に修復されている。訪れた時は大雨で風景を楽しむどころではなかった。
2007.1 六角堂と御殿
 ようやく晴れた日にめぐりあって、15年ぶりの訪問。晴れていると、どこを見ても絵になる風景だった。
2022.7 心字池 2022.7 御殿
今帰仁村
 3.今帰仁城
 名護の北にあるかつての山北の拠ここも高台なので登るのに一苦労だった。かなり規模が大きく、あちこちに石積みが残る風景は、マヤの遺跡を歩いているような感覚になった。首里以外では最初に行った城だったので、強く印象に残っている。
2006.8 2006.8
読谷村
 4.座喜味城  
 残波岬に近い城跡で、沖縄最古のアーチ門が残る。しかしさっぱりした造りで、中城や勝連を見た後では物足りない感じだった。  
2007.3
勝連町
 5.勝連城
 有力者の1人、阿麻和利の居城で、一時は大きく勢力を拡大したが首里に敗れて滅んだ。ここも海を見下ろす高台で、半島の両側や海中道路なども見えて景色はいちばんいい。また城も下から見上げると空に浮かんでいるようで絵になる風景だった。
2006.11 2006.11
中城村
 6.中城城
 最も保存状態がいい城の1つ。海を見下ろす山の上にあり、バスは麓までしか行かないので登るのが大変であったが、立派な石垣とそこからの風景を見たら疲れも吹き飛んだ。カーブした石垣がいい雰囲気である。
2006.11 2006.11
 2006年はあまり晴れていなかったので、16年ぶりに訪問。暑かったが、やはり晴れている方が断然いい所だった。
2022.7 正門 2022.7 一の郭
2022.7 二の郭 2022.7 三の郭
2022.7 城壁 2022.7 城壁
知念村
 9.斎場御嶽  
 那覇市からまっすぐ東に行った太平洋岸にあり、聖なる儀式が行われる聖地。「せいふぁーうたき」と読む。深い森の中、そして海を望む雰囲気はいいところだった。
2007.3 三庫理

琉球王国のグスク及び関連遺産群