201系の電機子チョッパ制御はコストが高かったため、界磁添加励磁制御を採用しコストダウンを図って開発された形式。車体はオールステンレス製の20m級4扉。台車は新たに開発された軽量ボルスタレスで、円錐積層ゴム式のDT50とTR235。主電動機はMT61(1時間定格出力120kW)、駆動は中空軸平行カルダンで、制動は国鉄初採用の電気指令式(回生併用)である。国鉄時代に登場したのは山手線と京阪神緩行線向けの368両のみであったが、JR発足後も増備が続き、最終的には500番台・1000番台を含めて1461両が製造された。
2021.10 陸前小野〜鹿妻間
JR東日本
 山手電車区 
 山手線は205系の最初の投入線区で、1985年3月に営業運転を開始し、山手線は205系に統一された。当初は10両編成54本が投入され、1991年からは1両追加した11両編成53本に組み替えられている。2002年からE231系への置き換えが始まり、2005年4月に運用を終了している。元山手線の車両は、南武線、京葉線、武蔵野線などさまざまな路線に転属した。

  1985.3.3 山手線にて営業運転開始
  1990.3.10 6扉車の運用開始
  1991.12  11両編成化
  2005.4.17 営業運転終了
1990.3 山手線 2024.11 大宮車両センター 
 番台 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
T
204
T
205
 前歴  登場  消滅  備考
0番台  162 162 54 54 108 新製  1985.1-88.6 2005.12 
    51 1991.10-91.12  
900番台 2 1990.2  
 蒲田電車区・大船電車区/鎌倉車両センター 
 横浜線の運用車で、帯色はウグイスと緑。首都圏で2番目の投入線区で、1988年9月に運用を開始し、横浜線は205系に統一された。当初は7両編成25本で、1994年に8両化され8両編成26本となっている。2014年2月にE233系への置き換えが始まり、半年後の8月には運用を終了した。ほとんどの車両はインドネシアに譲渡されている。

  1988.9.22 横浜線にて営業運転開始
  1994.12.3 8両化
  1996.12.1 蒲田電車区から大船電車区へ移管
  2014.8.23 営業運転終了
  
横浜線色
 番台 M
204
M
205
 Tc
204
Tc
205
T
204
T
205
 前歴  登場  消滅  備考
0番台 50 50 25 25 25 新製 1988.9-89.2 2014.10
1 1993.2  
2 2 1 1 浦和 1993.2
100番台 26 新製 1994.11 6扉車
 中原電車区/鎌倉車両センター中原支所 
 南武線向けに0番台6両編成16本が投入され、1989年3月に運用を開始した。帯色はカナリア、オレンジ、茶色の3色である。1本転出して15本の体制が長く続いたが、2004年に山手線から6両編成12本と1200番台6本が転入し、103系を完全に置き換えている。2014年10月にE233系への置き換えが始まり、0番台のみの編成は2015年12月に運用を終了した。このうち16両は武蔵野線へ転属、120両がインドネシアに譲渡されている。

  1989.3.11 南武線にて営業運転開始
  2015.12  0番台の運用終了
 
 
2015.11 南武線:矢向駅
 番台 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
 前歴  登場  消滅  備考
0番台 32 32 16 16 新製 1989.2-90.9 2016.1
34 34 11 11 山手 2002.9-05.4
 川越電車区/川越車両センター 
 埼京・川越線では、1989年7月に運用を開始した。帯色は緑。新製投入されたのは10両編成23本で、1990年に2本が転入して103系を置き換えた。恵比寿まで延伸した1996年に5本転入、さらに増発用として山手線の2本が転入し、最大32本となる。2013年6月にE233系への置き換えが始まり、2014年3月以降は予備車1編成だけ残されていたが、2016年10月に営業運転を終えている。4両は富士急行に譲渡、8両は600番台に改造されたほか、一部はインドネシアに譲渡された。

  1989.7.1 埼京線にて営業運転開始
  2014.3  埼京線はハエ28編成を除いて消滅
  2016.10 埼京線の運用終了
1996.3 埼京線:恵比寿-渋谷間  2016.4 埼京線恵比寿駅
 番台 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
T
204
T
205
 前歴 登場  消滅
0番台 69 69 23 23 46 新製 1989.6-90.12 2016.11
6 6 2 2 4 山手
浦和 等
1990.5
15 15 5 5 10 1995.10-96.12
6 6 2 2 50 2 2001.6-05.8
900番台 2
 三鷹電車区
 総武緩行線には、事故車の代替のため、10両編成2本のみが投入され、1989年8月に運用を開始した。1本はすぐ転出したが、1993年に3本転入し、最大4本となる。2001年11月までにすべて転出し、運用を終了した。

  1989.8.1 総武緩行線にて営業運転開始
  2001.11 営業運転終了
  
205系 カナリア
 番台 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
T
205
 前歴  登場  消滅  備考
0番台 6 6 2 2 4 新製 1989.7-89.9 2002.3
9 9 3 3 6 浦和・中原 1993.2-93.3
 浦和電車区
 京浜東北・根岸線の不足車両の補充などのため、10両編成6本のみが投入された。帯色はスカイブルー。1989年10月から運用を開始した。1996年2月までに撤退し、最初の205系撤退線区となっている。

  1989.10.26 京浜東北線にて営業運転開始
  1996.2.1  営業運転終了
1993.2 京浜東北線
 番台 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
T
205
 前歴  登場  消滅  特徴
0番台 18 18 6 6 12 新製 1989.10-90.9 1996.3 →川越
 京葉電車区/京葉車両センター
 1990年3月の京葉線東京延伸に際し、快速用として10両編成12本が投入された。帯色はワインレッドで、前面デザインが従来から変更されており、後期車と呼ばれる。武蔵野線にも、輸送力増強のため後期車8両編成5本が投入されており、2004年に豊田から転入した。京葉線は2010年7月にE233系への置き換えが始まり、2011年7月に運用を終了した。京葉線オリジナル車40両は600番台に改造されたほか、転入車の12両が富士急行に譲渡されている。武蔵野線も、2017年9月からE231系への置き換えが始まり、2019年までに運用を終了している。
 一方、2002年に山手線運用を終了した0番台の一部が武蔵野線に転入したが、武蔵野線は高出力が必要だったため、中間車は出力増強して5000番台となっている。2004年3月の豊田から転入後も2008年まで増備が続く。2015年には南武線から0番台前期車の8両編成も加わり、最終的には前期の顔が38本となった。2017年9月からE231系への置き換えが始まり、2020年10月に武蔵野線の205系は消滅している。

  1990.3.10 京葉線にて営業運転開始
  2002.12.1 武蔵野線に5000番台登場
  2004.3.13 豊田電車区から武蔵野線運用車転入
  2011.7   京葉線向け編成の運用終了
  2019.10.2 武蔵野線の後期車運用終了
  2020.10.19 営業運転終了
 
1990.3 京葉線 2016.8 武蔵野線:南浦和駅 
 
2017.2 武蔵野線:三郷駅  2016.6 武蔵野線:東川口駅 
 番台 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
T
205
 前歴 登場  消滅  備考
0番台 36 36 12 12 24 新製 1989.11-90.2 2012.2 京葉線
6 6 2 2 4 三鷹 2002.3-02.8
15 15 5 5 豊田 2004.3 2019.10 武蔵野線
6 6 2 2 中原 2015.2-15.3
0番台 36 36 72 東京 等 2004.3-08.12 2020.10
5000番台 72 72
 豊田電車区
 武蔵野線輸送力増強のため投入された0番台と、相模線向け500番台が所属。0番台は8両編成5本で、京葉線運用車と同様の丸みをおびた後期車である。500番台は1996年に国府津へ移管。武蔵野線運用車も2004年に京葉車両センターへ移管されて豊田からは消滅した。

  1991.3.16 相模線にて営業運転開始(500番台)
  1991.12.1 武蔵野線にて営業運転開始(0番台)
  1996.12.1 500番台が国府津へ転出
  2002.3  5000番台併結車登場
  2004.3.13 京葉車両センターへ転出
 番台 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
T  前歴  登場  消滅  備考
 0番台  15 15 5 5 新製 1991.9-91.10 2004.3
8 8 16 山手等 2002.3-04.3
5000番台 16 16 0番台
 500番台 13 13 13 13   新製 1991.1-91.3 1996.12  
 国府津電車区/国府津車両センター
 1991年の相模線電化にともない、登場したもの。当初は豊田電車区所属だったが、1996年に国府津へ移管された。相模線から移動することなく、30年にわたり使用され続けていたが、2022年3月に営業運転を終了した。

  1996.12.1 豊田より転入
  2022.3.11 営業運転終了
2021.4 宮山〜寒川間  2022.1 寒川〜香川間
 番号 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
 前歴 登場  消滅  備考
501-513 13 13 .13 13 豊田 1996.12
JR西日本
 明石電車区/網干総合車両所明石支所 
 関西圏唯一の0番台で、1986年11月に7両編成4本のみが京阪神緩行線に投入された。帯色は京阪神緩行線伝統のスカイブルー。2006年2月までに、全車阪和線へ転出している。

  1986.11.1 京阪神緩行線にて営業運転開始
  2006.2.7  阪和線に転属
 番台 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
T
205
 前歴  登場  消滅  備考
0番台 8 8 4 4 4 国鉄 1987.4 2006.2
 日根野電車区/吹田総合車両所日根野支所 
 阪和線に新製投入された車両は、前面のデザインや走行機器などが変更されたため、1000番台に区分された。なお、南武支線向けの改造車も1000番台を名乗るが、全くの別物である。また、2006年以降、京阪神緩行線の0番台も転入した。0番台は一度京阪神緩行線に戻るが、2年後に再度転入しており、この間にオレンジ帯が追加されている。2018年3月に阪和線運用を終了し、36両が奈良線へ転属している。

  1988.3  1000番台が阪和線にて営業運転開始
  2006.2.7 0番台の運用開始
  2011.3.12 0番台が京阪神緩行線に戻る
  2013.3.16 0番台が阪和線に再転属
  2018.3.17 阪和線の運用終了
2016.3 1000番台:和歌山駅 2016.10 0番台オレンジ帯追加:天王寺駅 
 番台 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
T
205
 前歴 登場  消滅  備考
1000番台 5 5 5 5 新製 1988.1-2 2018.2
0番台 8 8 4 4 4 明石 2005.12-06.2 2011.3 →宮原
 宮原 2013.3 2018.10.
 網干総合車両所宮原支所 
 京阪神緩行線では、明石所属の0番台が運用されており、2006年に阪和線へ転用。2011年に再び京阪神緩行線へ戻ったが、この時は宮原に所属した。活躍の期間は短く、2013年には再度阪和線へ転用されている。
 番台 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
T
205
 前歴  登場  消滅  備考
0番台 8 8 4 4 4 日根野 2011.3 2013.3 →日根野
 吹田総合車両所奈良支所 
 奈良線の103系を置換えるため、阪和線の余剰車が転入したもの。2018年3月に運用を開始している。

  2018.3.17 奈良線における運用開始
 
2021.7 0番台:京都駅  2020.3 1000番台:東福寺駅 
 番台 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
 前歴  登場  消滅  備考
0番台 4 4 4 4 日根野 2018.7-18.10
1000番台 5 5 5 5 2017.10-18.2
改造車
 1000・1100・1200番台 
 いずれも中間車を先頭車化改造したもので、1000番台は南武支線向け、1100番台は鶴見線向け、1200番台は南武線向けである。また、1100番台・1200番台は先頭車のみで、中間車は0番台を連結している。1200番台はE233系に置換えられて、2016年1月に運用を終了した。

  2002.8.20 南武支線1000番台営業運転開始
  2004.1-05.3 南武線1200番台登場
  2004.8.25 鶴見線1100番台営業運転開始
  2015.12.6 1200番台の定期運用終了
  2016.1.9  1200番台が最後の営業運転
 
2024.9 1000番台:南武支線川崎新町駅 2017.1 1100番台 鶴見線昭和駅
 番台 Mc
204
Mc
205
M
205
Tc
204
Tc
205
 前歴  登場  消滅  備考
1000番台 3 3 0番台 2002.3-03.11 南武支線
0番台 9 山手 2002.3-05.4 鶴見線
1100番台 9 9 0番台
1200番台 6 6 0番台 2004.1-05.3 2016.1 南武線
 3000番台 
 川越・八高線向けに、山手線の中間車を改造したもの。E231系と209系に置き換えられて、2018年7月に運用を終えている。

  2003.11.10 川越・八高線向け3000番台営業運転開始
  2018.7  川越・八高線の運用終了
2018.4 八高線:北八王子駅
 番台 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
 前歴 登場  消滅
3000番台 5 5 5 5 0番台 2003.8-05.1 2018.7
 3100番台  
 仙石線向けに、山手線と埼京線の中間車を改造して4両編成としたもの。2004年までに18編成導入し、それまでの103系等を置き換えている。2009年には南武線の1200番台から1編成追加改造した。また、5編成は2WAYシート車で、塗装も異なっていたが、2編成はラッピング車「マンガッタンライナー」となっている。東日本大震災で2編成が被災したため、現在は17編成となっている。

  2002.11.5 営業運転開始
  2003.3.22 マンガッタンライナー運行開始
2020.10 陸前小野〜野蒜間 2020.12 小鶴新田駅
2021.10 マンガッタンライナー:中野栄駅 2020.12 マンガッタンライナーU:小鶴新田駅
 番号 Tc Tc  前歴 登場  消滅  備考
3101-3118 18 18 18 18 0番台 2002.10-04.3
3119 1 1 1 1 1200番台 2009.10
 600番台 
 宇都宮地区向けに、0番台を4両編成に改造したもので、中間車の先頭車化は行われていない。宇都宮線向けのうち6本は京葉線から改造された後期型デザイン、2本は埼京線から改造された前期型デザインで、日光線向けの4本はすべて京葉線から改造された後期型デザインである。また、1編成が観光列車「日光いろは」に改造され、2018年4月から営業を開始している。

  2013.3.16 日光線にて営業運転開始
  2013.8.24 宇都宮線にて営業運転開始
  2018.4.1  観光列車「いろは」運転開始
2021.7 湘南色前期型:宇都宮駅 2021.7 湘南色後期型:鶴田駅
 
2021.7 日光線色後期型:鶴田駅  2018.5 「日光いろは」:新白岡駅
 番号 M
204
M
205
Tc
204
Tc
205
 前歴 登場  消滅  備考
601-612 12 12 12 12 0番台 2012.10-14.3
車両配置表

1987 1990 1992 1995 1998 2000 2002 2005 2008 2010 2012 2015 2018 2020 2022
山手 340 542 583 583 573 573 572 88 2
蒲田 175 175 208
大船 208 208 208 216 216 224 224
中原 42 96 90 90 90 95 228 225 221 219 165 33 33 33
川越 90 250 250 300 300 300 343 346 340 340 30 16
三鷹 20 10 40 30 30
浦和 40 60 30
豊田 92 92 40 40 56
京葉 120 120 120 120 120 130 414 500 490 360 336 312 64
国府津 52 52 52 52 52 52 52 52 52 52 52
宮城野 72 72 76 72 68 68 68 68
小山 48 48 48 48
明石 28 28 28 28 28 28 28 28
宮原 28 4
日根野 20 20 20 20 20 20 20 48 48 20 44 24
奈良 20 36 36

205系