現在のトルコにあたるアナトリア地方では、BC12世紀頃のヒッタイト王国滅亡後、小国分裂の時代となっていた。リディア王国は、BC7世紀からアナトリア西部のサルディスを拠点として勢力を拡大し、隣国フリュギアを滅ぼしたキンメリア人を撃退してフリュギアの旧領を組み込む。BC6世紀には、オリエントで台頭したメディア王国と覇権を争った。そして、BC550年にキュロス2世のペルシャ帝国(アケメネス朝)がメディア王国を滅ぼすと、リディアのクロソイス王はこれに戦いを挑む。しかしBC547年に首都サルディスまで攻め込まれて陥落、滅亡した。なお、リディア王国は、世界で初めて貨幣を用いた国とも言われている。 BC680頃 ギュゲス王によりリディア王国の勢力拡大 BC620頃 キンメリア人を撃退し、フリギア西部に進出 BC585 メディア王国との戦い BC547 ペルシャ軍によりサルディス陥落、リディア王国滅亡 |
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トルコ西部 | ||
サルディス遺跡 | ||
サルディスは、リディア王国の時代に首都として栄えた街。リディア滅亡後のアケメネス朝ペルシャにとっても重要な都市であり、首都スーサからサルディスまで「王の道」が整備されていた。ヘレニズム時代、ローマ時代においても繁栄は続き、ローマ帝国リディア属州の首都大司教座もおかれている。その後は衰退が始まり、ティムールによって破壊されたとみられている。 ここで最も保存状態がいいのは、3世紀カラカラ帝の時代に建設されたギムナジオン。きれいに復元され、柱の彫刻なども素晴らしいものである。 |
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2024.5 ギムナジオン | 2024.5 ギムナジオンの彫刻 | |
ギムナジオンの横には、4世紀に建てられたシナゴーグがある。床のモザイクがよく残っていて、屋根で保護されていた。なお、近くにはローマ劇場や競技場などもあるようだが、公開されていなかった。 | ||
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2024.5 シナゴーグのモザイク | ||
車で5分ほど移動して、アルテミス神殿へ。この神殿の原型はリディア王国時代だとみられており、ヘレニズム時代に再建され、さらにローマ時代に拡張されている。静かな山の中にあって雰囲気がとてもいい。 | ||
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2024.5 アルテミス神殿 |
リディア王国