JR北海道、JR四国、JR九州の3社は、国鉄分割民営化後に経営が厳しくなることが想定されたため、民営化前に新型車両が製造された。キハ54形はその中の1つで、21m級の大型車。0番台は四国、500番台は北海道に投入されている。車体はステンレス製で、全長21,300mm。2扉で、0番台は折れ戸、500番台は引き戸。機関は新潟鉄工所のDMF13HS(出力250ps)。台車はDT22系の再利用品、制動はDA1Aである。
2021.9 武佐〜別保間
JR北海道
 500番台・一般車  
 北海道向けの耐寒耐雪仕様車。窓は小型の一段上昇式で、扉は引き戸。座席はセミクロスシートで、トイレ付、冷房なしである。また、スカートが設置されている。
 登場時は苗穂や函館にも配置されたが、すぐ旭川と釧路に集約される。宗谷線・石北線・釧網線・花咲線を中心に運用された。さまざまなラッピング車も登場している。

  ルパン三世ラッピング(2012〜) 花咲線利用促進(キハ54-522)
  流氷物語号(2017.1〜)      釧網線の臨時列車向け(キハ54-507・508)
  地球探索鉄道花咲線ラッピング(2018.11〜) 花咲線利用促進(キハ54-521)
1987.3 歌志内駅
1988.3 石狩当別駅 1988.3 江差線江差駅(右の車両)
1992.2 北浜駅 1993.9 原生花園駅付近
2016.9 信沙駅付近 2021.9 ルパン三世ラッピング:別保駅
2023.1 流氷物語号:東釧路〜釧路間
 500番台・急行仕様  
 500番台のうち527-529は、急行仕様であった。急行運用は2000年に終了している。
1988.3 急行「大雪」:旭川駅 1988.3 急行「礼文」:稚内駅
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
キハ54 501-526 26 新製 1986.11-12
527-529 3 1986.12
JR四国
 0番台
 四国向けの仕様で、大型の二段ユニット窓を採用。扉は折れ戸。座席はロングシートで、トイレ無し。冷房はバス用のものを活用している。
 1987年に12両が製造され、全車松山に配置。1990年に全車高知へ移管されるが、2008年から松山に戻りはじめ、2016年には再度集約された。また、キハ54-4は「しまんトロッコ」、キハ54-7は「おさんぽなんよ」となっている。
 
1988.8 国鉄色:宇和島駅 2023.10 四国色:春賀駅
 
2016.11 おさんぽなんよ:伊予西条駅 2023.10 しまんトロッコ:宇和島駅付近
 形式 番号 両数  前歴  登場  消滅  備考
キハ54 1-12 12 新製 1987.1
車両配置表

1987 1990 1992 1995 1998 2000 2002 2005 2008 2010 2012 2015 2018 2020 2022
釧路 8 11 5 6 6 7 7 7 7 13 13 13 14 14 14
花咲線 6 7 7 6 6 6 6
旭川 6 18 18 9 9 9 9 10 9 9 9 9 14 14 14
宗谷北線 7 7 7 7 6 6 6 6 6
苗穂 11
函館 4
松山 12 7 7 9 9 12 12 12
高知 12 12 12 12 12 12 12 5 5 3 3

キハ54形