白糠〜上茶路間の開業が1964年、北進まで延伸したのは1972年という、とても新しい路線である。当初は上茶路にある炭鉱の石炭輸送と森林開発を目的としたものだが、炭鉱は1970年に閉山。せめて足寄までの延伸をと、終点が北進と名付けられたが、願いもむなしく僅か11年後、全国の特定地方交通線廃止のトップバッターとなってしまった。存廃の基準となる輸送密度は僅か123人、収支係数2872であった。

  1964.10.7  白糠〜上茶路間開業
  1972.9.8  上茶路〜北進間開業
  1981.9.18  第1次特定地方交通線として廃止承認
  1983.10.23 全線廃止 
  1965 1970 1973 1977 1980 1983
 輸送人員(千人/日) 0.3 0.3 0.3 0.2 0.2 0.2
 輸送密度(千人/日) 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1
 貨物輸送量(万t/年) 2.7
廃線跡
 白糠〜北進33.1km
 初訪問は2009年。この路線は新しいだけあって高架橋をふんだんに使った直線的なルートとなっており、その多くがまだ残っている。赤いガーター橋もあって、見所が多かった。一方、北進の駅跡と思われる広大な広場を見つけたものの、後で調べると駅位置とはすこしずれてた。また、ホームが残っているはずの上茶路もどうしても見つけることができず、日没で廃線後探訪は終了した。
2009.10 第18茶路川橋梁C 2009.10 第13茶路川橋梁D
2009.10 第11茶路川橋梁E 2009.10 第7茶路川橋梁H
 2度目の訪問では、前回の教訓からしっかり下調べをして訪問。北進の駅跡は、前回見つけた広場よりさらに奥の、道路からも離れた人気のない所だった。終着駅がこんな秘境駅というのは、おそらくここだけだろう。
2015.9 北進駅跡@ 2015.9 第20茶路川橋梁A
 下北進も、道路から少し入ったヤブの中で、下調べをしても見つけるのに苦労する。橋梁も、前回見つけられなかった所をいくつも見つけた。
2015.9 下北進駅跡B 2015.9 第14茶路川橋梁D
 今回のハイライトは、何と言っても上茶路駅跡。道路からは、獣道のようなところをかなり入っていった森の中にあった。かなり朽ちているが、ホームと上屋、それにレールも確認できた。しかし、駅を探すのに想定以上の時間がかかり、また日没で探訪終了となった。
2015.9 上茶路駅跡F 2015.9 上茶路駅跡F
2015.9 第10茶路川橋梁G 2015.9 第7茶路川橋梁H
 3回目の訪問は、過去2回とも暗闇に包まれた縫別以南。縫別駅跡は、現地では場所がイメージできたのだが、写真で見るとよくわからなくなった。第3・4・5の各橋梁は、規模・色ともに大人しい印象である。
2016.7 縫別駅跡J 2016.7 第5茶路川橋梁I
2016.7 第4茶路川橋梁K 2016.7 第3茶路川橋梁K
 茶路駅、上白糠駅ともに、廃線跡は判別できるが、駅位置を特定できるものがほとんど無い。過去の地図と見比べて、おそらくここだろうと考えるだけである。
2016.7 茶路駅跡L 2016.7 上白糠駅跡M
  

白糠線